最近、TVでさかんに献血のCMが流れているのをよく目にします。
以前に比べて献血をする人が減少しているのが原因のようです。
突然ですが、実はO型の人の血液はA型やB型の人の血液を輸血することが可能です。
今回、ヒトの腸内細菌に存在する酵素を用いることで、A型やB型の血液をO型に変えることに成功したとする研究結果が、アメリカで発表されました。
先述したように、O型はA型やB型の人にも献血が可能なものであるため、この新しい技術の実用化は輸血用製剤の供給量を増やすための手段として有望視されています。
献血された血液を輸血する場合、血液型が合わないと重篤な免疫反応が起こり、死に至る可能性もあります。
O型の血液だけはA型やB型の人にも輸血することができる理由は、赤血球の表面にある糖鎖の違いにあるという説があります。A型やB型、AB型の人はO型の人に比べ、この糖鎖が複雑です。
そこで、A型やB型の血液の糖鎖の末端にある糖を取り除けば、より多くの人に輸血できるO型の血液に変えられるのではないかという発想が生まれました。
今回、研究グループは、新しい遺伝子解析技術によって腸内細菌が産生する酵素を調べました。
腸内細菌に着目したのは、腸壁に付いている糖には血液型をA型かB型かを決める糖と類似したものがあるためだという事のようです。
その結果、A型の糖を特異的に除去するとみられる酵素を見いだし、今回の発見につながりました。
この研究が実用化され、少しでも輸血が必要な人に行き届く時代が来ることを切に望んでいます。