バイナンス・レバレッジ・トークン(BLT)の仕組みを解説。経緯から取引方法、トークンの特徴や種類まで

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今回はバイナンスが新規に発行したBLT=Binance Leveraged Tokens、バイナンスレバレッジトークンを精一杯好意的に解釈してみたいと思います。BLVTsとして表記されることもありますが同じ意味です。

目次
1. 経緯
 ~簡単な事例とともに論争となった点をまとめ~
2. バイナンスレバレッジトークン(BLT)とは?
 ~BLTの説明から取引画面、よくある質問~
3. BTCUPトークンの概要解説
 ~BTCUPトークンを例にとり詳細を解説~
4. 感想


1. 経緯

もともとFTX取引所が3倍レバトークン(例:BTCの価格が上がるとトークンの価格がその3倍上がると宣伝されて一時期話題になった)を発行し、そのFTXトークンがバイナンスへ上場して大きな出来高・時価総額があったため市場への影響度合いも大きいことから論争の的になっていました。

なぜ論争になったかを簡潔にまとめると、この3倍レバトークンの特徴として絶対に価値がゼロにならない(Liquidation/Bunkruptしない)という仕組みを作るため、トークンがある程度大きな値幅で動くとレバレッジが自動調整されるんですね。

 

簡単な事例

想像してみてください、100万円の資金を持っていて200万円借金してレバ3倍のポジションを持った場合、原資産で10%価値が動くと資金のトータル的には30%の動きがあることになりますね。300万円×10%=30万円で、もともと自分のお金は100万円なので、30万円/100万円で30%の値動きです。この場合、もし原資産の価値が33%動いたらどうなるでしょう?300万円×33%≒100万円の損失です。そうすると通常だと100万円の自分のお金が全部損失として消えるので200万円の借金だけが残って強制清算(Liquidation/Bunkrupt)するのですが、FTX取引所が発行した3倍レバトークンは強制清算にならないようにするため、価値がある程度落ちたらレバレッジ倍率を自動調整するんですね。例えばレバトークンの価値が10%下落したら、上の例で言うと30万円損失が発生しているので100万円手持ち資金&200万円借金の状態を70万円手持ち資金&140万円借金の状態に調整するため、借金の返済を行います。そうすると一時的にではあるにしても大きく価値が下落するたびに損切りを強いられるため負の連鎖としてトークンの価値としては極端に0に近づいていくことが理解できるでしょう。その結果として現在の3倍レバトークンの価値は以下の図のように悲惨な結果になっています。

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ほとんどのトークン価値がもともとの価値から比べたら控えめにいって95%以上は下落しています。そして最も重要な点は例えば2019年10月時点でビットコインの価値は8300ドル付近、現在のビットコインの価値は9200ドル付近となっており、ほとんど変わっていない、むしろ上がっているにもかかわらず、3倍レバトークンの価値は底這いしたままです。これはトークンの値動きがおかしいという話ではなく、そのような設計がされた結果一度落ちたら2度と元の値段には戻りづらいという性質があるという話なんです。これも想像したらわかりやすいですがビットコインの価値が下がるたびに損切りを重ねていったら、例であげた100万円の価値が1万円を切るくらいの価値になっているということで、1万円に2万円借金してレバ3倍の状態でビットコインが上がっていっても含み益はたかが知れています。そういった事情がトークン価値に反映されているのですね。

 

投資家の目線との齟齬

投資家の視点としては3倍レバトークンの値動きはビットコインの値段が元に戻ったら3倍レバトークンの価値も元に戻る、単に値動きが3倍大きいだけで上にも下にも3倍動くだけだという勘違いが生みやすい名づけであったこともあり、論争の的となってきました。

そういった経緯もあり、一時期バイナンスに上場していたFTX取引所系のレバトークンは仮想通貨市場の一時的な急落を最後に多くの投資家の損失を残して上場廃止となりバイナンス取引所から姿を消します。

 

2. バイナンスレバレッジトークン(BLT)とは?

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ベーコンレタストマト(BLT)サンド♪

そういった経緯を踏まえて今回バイナンスが新規でバイナンスレバレッジトークン(BLT)として新たに3倍を上限にして値動きするトークンを発行したので詳細を見ていきたいと思います。ちなみにBLVTsとして紹介されることもありますがどちらもバイナンスレバレッジトークンの略です。

【BLTの紹介画面👇】

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すでに取引が開始していて詳細の説明ページまでできていることが確認出来ます。

BTCUPはビットコインの価格が上がった時に最大3倍利益がでるトークン、BTCDOWNはビットコインの価格が下がった時に最大3倍利益がでるトークンとなっています。

FAQを見ていき重要な点だけ以下にまとめてみたいと思います。

よくある質問

レバレッジトークンよくある質問の要約

1. レバトークンは先物のポジション(先物についてはこちらの記事で解説しています)のバスケットとして資産価値が値動きします。そのため、投資家は自身でレバ比率や証拠金の維持率、強制清算の心配をすることなく通常のトークンと同じように売買できます。

2. レバレッジ比率は1.5~3倍をターゲットとします。

3. BTCUPはバイナンス先物市場におけるBTC無期限先物を原資産とします。

4. レバレッジ比率は「必要に応じて」調整されます。常に3倍のレバ比率を維持することはありません。またリバランスはアルゴリズムにより管理されます。

5. 取引を始めるには規約(terms and conditions)に同意する必要があります。

6. レバトークンはバイナンスのSpot Advanced Trading/現物アドバンス画面から取引できます

7. 現在はBTCUP/USDTとBTCDOWN/USDTの取引ペアのみですが今後追加あれる予定でその場合事前にアナウンスメントがされます。

8. 手数料は以下の通りとなります。

i. 取引手数料/Trading fees: 取引するたび発生。現物取引と同じ手数料のため大体の場合0.1%
ii. 償還手数料/Redemption fees: ユーザーが償還するという選択肢を選んだ場合0.1%発生。投資家はトークンを市場で売却するか、原資産である先物のポジションを決済/償還することで買った資金の払い戻しを受けられます。償還(Redeem)ボタンはこちら
iii. 管理手数料/Management fees: 毎日の管理手数料がUTC時間の0時00分に0.01%発生します。その分の価値下落はトークンの純資産価値に常に織り込まれます。
iv. ファンディングフィー/Funding fees: ファンディングフィーは先物のポジションを持った時と同様買い手から売り手(もしくは売り手から買い手)に支払われます。トレーダー同士の資金のやり取りで、バイナンスが関連した手数料を抜くことはありません。

9. 償還のやり方としては1アカウント1000トークンを上限に純資産価値で償還できますが、現物取引の画面で通常の売り注文を出す場合に比べて割高になるので推奨はしません。"Redeem"ボタンを押すことで償還が行われ、手数料0.1%が引かれた価値分が現物ウォレットに振り込まれます。

10. レバトークンは現在出金できません。バイナンスアカウントで保管のみ可能となっています。

詳細はこちらのページ最下部からFAQをご参照ください。

※ FAQの文中、現物取引のアドバンス版としましたが、実際は以下のように現物取引(Spot取引)画面からアドバンス(Advanced)を選択し、Advancedの画面から「ETF」と記載のある区分から銘柄の選択が可能となっています。


【実際の取引画面】

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BTCDOWNの価格推移。BTCが下げるとトークン価格が上がってきます

 

現状PC版ではバイナンスのページ上部にある「Derivatives(金融派生商品)」と記載のある区分で銘柄の解説がなされており、実際の取引は「Spot - Advanced」画面で行うので、少し混乱を招きそうですがこれはトークンの原資産が先物契約であることから先物同様にリスクが大きいですよ、そういうことを理解してトレードしてくださいというバイナンスなりの優しさなのかもしれません。

 

3. BTCUPトークンの概要解説

次に、個別トークンの概要としてBTCUPトークンを見ていきたいと思います。

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取引画面上部から「Derivatives - Leveraged Tokens」で個別銘柄解説。URLはこちら

画像の数字を以下で解説していきたいと思います。

BTCUPトークンはBITCOINのロングポジションを3倍レバレッジ上限を目途に構成されるトークンです
Underlyingは原資産のこと。この場合原資産はBitcoin(BTC)です
Leverage(Target/Real)はレバレッジ比率のターゲット/目標として1.5~3倍にしていますが、実際のレバ比率=Real Leverageはスクリーンショット時は1.97倍となっており随時変動します
Basket(バスケット)は現状どれだけの先物契約から構成されているか、ポジションの規模を表しています。時価総額に似ていてポジションが大きくなればなるほど市場へ与える影響度も大きくなります
Token Issuedはこれまで発行されたトークン数を表します
NAVはNet Asset Value(純資産価値)のことで通常NAV=トークンの現在価値となります。仮に2つの価値が大きく乖離した場合はいずれ乖離は縮小するかもしれません。なにが起こるかわかりませんが。
Daily Management Feeは管理費です。0.01%が純資産価値から差し引かれます。1%の百分の一なので相当程度には小さいですがチリも積もれば…。
Funding Rateはロンガーとショーター間でのやり取りになりバスケット×Real Leverageの数量分支払い/受け取りが発生し、NAVに反映されます。
⑨は大まかな説明です。ビットコインが上がった場合1.5~3倍のレバレッジでBTCUPの価値も上がると記載があります。

 

以上でトークンの説明は終わりです。

 

4. 感想

このレバレッジのかかったトークンの肝はどれくらいのレバレッジをどいったタイミングで変更するのか、アルゴリズムの部分にあるのでしょう。ターゲット/目標とするレバレッジ倍率を1.5~3倍に設定しており、基本的にはその範囲でビットコインや対象となる原資産に対する価格を最大限に増やしていくアルゴリズムになってくるようです(アルゴリズムの詳細はもちろんリリースされていませんが)。

実際バイナンスからリリースされた説明資料(About Binance Leveraged Tokens)を読むと、例としてBTCUPの初期の実際のレバ倍率(Real Leverage Ratio)が1.8倍の場合、BTCの価値が50%値上がりすると実際のレバ倍率が1.5倍を割れることになるため、そういった場合にアルゴリズムが発動しリバランスすると記載があります。

レバレッジ倍率は常に一定ではなく、ここ数日見ている限りBTCの価格の上下に応じて若干の変動がみられるようです(先物のポジションが変更されなければレバ倍率が変動するのは当然ですが)。

投資家サイドとしては目標となるレバ倍率(Target Leverage Ratio⇒1.5~3倍)はすでに何度も見て理解していると思うので、実際のレバ倍率(Real Leverage Ratio)を常に気にしていく感じになりますかね。

FTXのレバトークンの失敗を踏まえて、全く別のトークンを開発したということですので、BTCUPを例にとると価値下落局面ではレバ倍率高めでBTC価格が回復したらトークン価値回復を図る、逆にBTC価格が上昇している局面ではレバレッジ倍率を低めに抑えてトークン価値の増加を図りつつその後の急落などに対応するなどのアルゴリズムが組み込まれている気がしないでもないです。

過去のデータ分析からおそらく大半の値動きでトークンの価値を落とさないと自信(データ的裏付け)があるようにも見え、とりあえずは新しいトークンの開発をお祝いするとともに、今後の価格推移を温かく見守りたい気持ちです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます!!


レバトークンを理解するには先物の仕組みを理解している必要があります👇

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2020/05/23 89.14 ALIS 12.80 ALIS
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