今回は仮想通貨(暗号資産)のBand Protocol(バンド・プロトコル)を取り上げてみたいと思います。トークン名は BANDとなっております。
2019年9月にバイナンスランチパックを使ったIEO(取引所によるオファリング)により資金調達を行います。
2019年のバイナンスローンチパッド案件は9件目となりますが、前回からの変更点としてIEOプロジェクト発表時にはすでにBNBの保有数量のスナップショットが始まっている状態になるなど必要保有期間が延び、よりBNBの保有を推進することなどが挙げられるようです。
★概要
★IEO概要
★プロジェクトの特徴
★プロダクト、ソリューション
★主要開発者、パートナー、ロードマップ
★まとめ
★各種リンク
Web3.0アプリケーションのためのデータガバナンスフレームワーク。
データの整合性を確保するために委任されたプルーフオブステーク(dPoS)を使用して、データをチェーン上で簡単に照会できるようにすることで、分散型データオラクル(データベース管理システム)を提供。
データプロバイダーへのインセンティブ、低コストにフォーカスしたスマートコントラクト、スケーラブル、高速データクエリ、拡張性などが特徴。
ユースケースに分散型金融、eコマース、ゲーム、ギャンブル、予測市場、サプライチェーントラッキングなどのDApp開発等。
パートナーにCertiKなど。
通貨名:Band Protocol
ティッカー:BAND
総合供給量:100,000,000 BAND
循環供給量: 17,083,333 BAND (17.08%)
プラットフォーム:イーサリアム(ERC20トークン。トークン生成時)
コンセンサス:dPoS
IEO価格:1 BAND= 0.473 USD = 0.02281717 BNB
取引所:Binance(2019/9/18 日本時間21時)
公式ウェブサイト:https://bandprotocol.com/
公式ツイッター:https://twitter.com/bandprotocol
ホワイトペッパー:https://bandprotocol.com/whitepaper-3.0.1.pdf
「トークン分布状況」
シードセールトークンは、総供給量の10.00%を占めます。単価0.3ドル。
プライベートセールトークンは、総供給量の5.00%を占めます。単価0.4ドル。
パブリックセールトークンは、総供給量の12.37%を占める予定です。
チームトークンは、総供給量の20.00%を占めます。
エコシステムトークンは、総供給量の25.63%を占めます。
アドバイザートークンは、総供給量の5.00%を占めます。
ファウンデーショントークンは、総供給量の22.00%を占めます。※シード・プライベートセールで合計500万ドル(約5.5億円前後)調達済みとなります。また今回のIEOでは585万ドルの調達を予定しています。
以下の通り、当初は流通量を絞って、徐々に事前販売分のトークンが流通していきます。
バイナンス取引所でBNBを保有することで2019年8月17日午前9時(日本時間)から2019年9月16日まで30日間に渡り毎日・毎時間スナップショット(残高確認)が行われます。また、1時間ごとにスナップショットがとられるため、9時時点でBNBを持っているだけでは十分なBNB量が反映されません。日々のBNB残高により宝くじが獲得できます(下記詳細)。
また、2019年9月16日 15:00(日本時間)から24時間の間、チケットの申請(請求)を行うことができ、申請によって宝くじチケットを入手できます。
エアドロップとして631,800 BAND (約30万ドル)が1枚も当たらなかったハズレくじ所有者全員で分配される点も注意が必要です。
IEO参加はBNBのみでの購入が可能になります。当選チケットを持っている場合はBNBを保有しておくことをお忘れなく!
・BNB残高記録:2019/8/17午前9:00~2019/9/16午前9:00
・トークン名:Band (BAND)
・ハードキャップ:5,850,000 USD
・総トークン供給量:100,000,000 BAND
・ローンチパッド割り当てトークン合計:12,368,200 BAND(全体の12.37%)
・パブリックセールトークン価格:1 BAND = 0.473 USD(BNB価格=0.02281717 BNB)
・トークン販売フォーマット:宝くじ(抽選)&エアドロップ
・チケット(宝くじ)の最大当たり枚数:19,500
・チケット当たりの割り当て:300 USD(634.25 BAND)
・エアドロッププール:631,800 BAND
・サポートされているセッション:BNBのみ
・PERLトークンは、発行初期はERC20資産として発行されます。
注:すべて日本時間で表記していますが日程変更・誤記載の可能性もあるので、なるべく原文をご確認ください。
今回はバイナンスローンチパッド6回目の抽選制でのIEOへの参加が可能となります。
前回から大きな変更点として、スナップショット期間の長期化(30日へ)、当たりくじで買えるトークンの金額の下落(500ドル⇒300ドル)が挙げられます。はずれくじへのエアドロップがある点は前回同様です。抽選ルール詳細は以下の通りとなります。
✅抽選タイムライン
・2019/8/17 9:00 AM(日本時間)から2019/9/16 9:00 AM(日本時間):この期間中、ユーザーBNBの残高のスナップショット(記録)は毎時間、30日間にわたって記録されます。この30日間の最終的な平均BNB残高によって、請求できるチケットの数が決まります。
・2019/9/16 15:00 PM(日本時間):チケットの申請は24時間の間、権利を持つすべてのユーザーが行うことができます。チケット申請を完了する前に、ユーザーはトークン購入契約書にも署名する必要があります。ユーザーは一度だけチケットを請求できるようになりますのでご注意ください。
・2019/9/17 15:00 PM(日本時間):チケットの請求が終わり、宝くじの抽選が始まります。
・2019/9/17 17:00 PM(日本時間):当選チケットが発表され、それぞれのBNBは当選ユーザーのアカウントから差し引かれます。当選券がある場合は、24時間以内に差し引かれるのに十分な額のBNBがアカウントにあることを確認してください。注文中のBNB、マージンアカウント/レンディング中のBNBは差し引くことができません。
・2019/9/17 17:00 PM(日本時間):当選チケットを持っていないすべての参加者にエアドロップを開始。
なお、マージン口座(レバレッジ取引口座)、サブアカウント(子口座)に入っているBNBも抽選チケット獲得対象となります。詳しくはこちらをご参照ください。
※チケットの請求は専用ページまたは、ローンチパッドページからお願いします。
✅対象となるチケットの数を計算する方法
ユーザーは、抽選日に至るまでの30日間(以下のXで表される)にわたるBNB保有残高に基づいて最大10枚のチケットを請求することができます。
15日間の平均BNB残高(X) チケットの枚数
50≦X <100 1
100≦X <150 2
150≦X <200 3
200≦X <250 4
250≦X <300 5
300≦X <350 6
350≦X <400 7
400≦X <450 8
450≦X <500 9
X≧500 10
(例)1~4日目までのBNB保有量が100、5~23日までのBNB保有量が50、24~25日までのBNB保有量が70、26~30日までのBNB保有量が80だった場合、100×4日+50×19日+70×2日+80×5日=1890を、対象期間の30日で割った63 BNBが「30日間の平均BNB残高」となり、請求できるチケット数は(50≦X <100に該当するため)1枚となります。
⭕分散型の経済的インセンティブ
⭕マルチトークンモデル
⭕低コスト&スケーラブル
⭕DPoSコンセンサス
⭕高速データクエリ
⭕簡単なデプロイ(展開)
⭕スタンフォード, MIT, BCG, Hudson River Trading, Dropbox, and Quora出身者
Band Protocolは、dPoSコンセンサスメカニズムによって管理されるオラクルを介して、分散化された精選されたオフチェーンデータをスマートコントラクトに提供することにより、Web 3.0アプリケーションの重要なデータインフラストラクチャ層を目指しています。
✅Band Protocolは、分散アプリケーション向けの高速で低コストの同期クエリモデルを提供します。
✅dPoSコンセンサスメカニズムを通じて、データプロバイダーがステーク時にお金と評判の両方をもつ分散ネットワークを提供します。
✅BANDトークンは、単なる支払いトークンではなく、Band Protocolのネットワーク価値を獲得することを目的としています。
Web3.0インターネットは、サーバーとクライアントの関係に依存する現在の既存のインターネットと比較して、ブロックチェーンと分散型ピアツーピアネットワークを利用して、根本的に異なるインフラストラクチャ上に構築されています。
ChainLink、FOAM、およびDIRTの共有原則に基づいて構築されたBand Protocolは、分散データ管理のコア基本ツールをオフチェーンオラクル、アイデンティティ用に開発されたインフラを備えたシンプルなビルディングブロックにパッケージ化することにより、安全で効果的なWeb3アプリケーションのインフラストラクチャを提供します。管理システム、トークン発行、およびトークンキュレーション登録。
(参考)Understanding decentralized data management in Web3
(参考)Band Protocol — A Protocol for Decentralized Data Governance
BANDトークンとDataset(データセット)トークンの2つのトークンタイプがあります。
固定供給のBand Protocolのネイティブトークンです。Band Protocolのすべてのデータセットの集合的価値を表します。BANDを対象としたユースケースには、次のものが含まれますが、これらに限定されません。
データセットトークンを発行するための担保: BANDトークンは、データセットトークンを発行するための担保として使用されます。
ガバナンス: BANDトークンは、ネットワークガバナンスの決定のための投票トークンとして使用されます。
BandChainコンセンサスアルゴリズムへの参加: Bandのクロスチェーン互換性のアップグレード後、BANDトークンはステーキングトークンとして使用され、委任されたプルーフオブコンセンサスメカニズムによってネットワークを保護します。
Band Protocolは、Web 3.0エコシステムのデータ層として機能することを目的としており、現実世界のデータをスマートコントラクトにブリッジします。このプロトコルは、dPoSスタイルのコンセンサスを使用して、信頼できるデータを提供するために、複数の独立した当事者が協力して働くよう奨励します。
バンドエコシステムは、主にデータプロバイダー(データ提供者)、トークン所有者(データプロバイダーへ投票、報酬獲得)、DApp開発者(BANDトークン支払い等)の3つの参加者グループで構成され、料金と報酬にBANDトークンが利用されます。
以上の仕組みにより、上位のデータプロバイダーのみがデータセットにデータを提供する権利を獲得します。
Bandの特定のデータセットの所有権を表します。データセットトークンを対象としたユースケースには、次のものが含まれますが、これらに限定されません。
データプロバイダースロットを取得するためのステーク:データプロバイダーは、データを提供するスロットを獲得するために、一定量のデータセットトークンを維持する必要があります。
データプロバイダーキュレーションのステーク:トークン所有者は、データセットトークンを使用してステークすることにより、データプロバイダーのキュレーションに参加できます。
投票:データセットトークンを投票トークンとして使用して、データプロバイダーの数、データクエリのコスト、データプロバイダーの最小ステーク要件などのデータセット構成をまとめて決定できます。
バンドプロトコルは、データプロバイダーの分散ネットワークを通じてキュレーションされた信頼できるオフチェーン情報とÐAppを接続します。データセットトークンを使用して、プロバイダーにインセンティブを与えます。
URL:https://app.kovan.bandprotocol.com/
▼データガバナンスポータル
▼データセットトークンの価格を調べる
(参考)Exploring Financial Dataset Integration through Data Governance Portal and Developer Portal
(リンク)Developer Portal
CoinHatcherは、すべての経験レベルのユーザーが暗号市場に関する洞察(インサイト)を効率的に得るのに役立つ、暗号関連のすべてのためのグローバルな分散ポータルです。毎月30,000人のアクティブな訪問者を持つ分散型ニュースポータル。ライバルはCoinMarketCap。
URL:https://coinhatcher.com/ (2019年9月7日現在アクセス不可)
(参考)Introducing CoinHatcher — a portal for everything crypto
(参考)Beta launch of Band Protocol and CoinHatcher
➡すでに5つの稼働しているプロダクトを持っているとする、CryptoDifferさんの評価。
CEO…Soravis Srinawakoon(ソラヴィス・スリナワクーン)LinkedIn
CTO…Sorawit Suriyakarn(ソラウィット・スリヤカーン)LinkedIn
CPO…Paul Nattapatsiri(ポール・ナッタパツィリ)LinkedIn
・機関投資家に、Sequoia India, Dunamu & Partners (the venture arm of Korean fintech company Dunamu) and VC fund SeaX Venturesなど。
・スマートコントラクト検証プラットフォームのCertiKの名前も挙がっているようです。
(参考)Band Protocol and CertiK Strategic Partnership
現在テストネットで、2020年第3四半期にメインネットリリースを予定しているようです。
以上、Band Protocol(バンド・プロトコル)を取り上げてみました。
ChainLink、FOAM、Dirtなどをライバルとする分散型のデータ管理を行うプロジェクトとなっているようです。
ChainLinkの成功があったので、ピックアップされた印象でしょうか👀
IEOとしては前回のPerlinが振るわなかったため、今回何としても成功させたいプロジェクトのハズ…。初期の時価総額は0.473USD×17,083,333 BAND=808万ドル(8.4億円前後)と、21億円前後の時価総額でスタートしたPerlin(売り圧の半分以上が機関投資家だった!)よりは低く抑えての開始となるので期待が持てるかもしれません。
これがコケるようだと、バイナンスのIEOもいよいよ参加する意味がなくなってきちゃう印象を持っています💦
バイナンスの底力を見せてほしいですね!!!
最後までご覧いただきありがとうございます(*´▽`*)
【9月17日追記】
宝くじの当選確率は9.43%でした!!
また、バイナンス上場時間は2019/9/18 日本時間21時となります。
公式サイト:https://bandprotocol.com/
ツイッター:https://twitter.com/bandprotocol
Telegram:https://t.me/bandprotocol
Medium:https://medium.com/bandprotocol
Reddit:https://www.reddit.com/r/bandprotocol
Facebook(タイ語): https://web.facebook.com/BandProtocolTH
Github:https://github.com/bandprotocol
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