
昨日の8月8日は世界猫の日で私のSNSのタイムラインも猫関連の投稿が次々と流れてきました。
そこで、私の飼っていた猫の話をしてみることにしました。
ただ、猫の死の話なので苦手な方はスルーしてね。

我が家には2匹の老猫がいましたが、一匹は3年前に一足先に天国へ行きました。
残る一匹も一昨年体調を崩し、一時はもうこのまま助からないのかな…と覚悟したのですが、思いがけず持ち直し普通に生活できるまで快復しました。
しかし、いつ急変するかわからない年齢ということもあり、ペット用の見守りカメラを購入して誰も家にいない時でも急変に気づけるようにしました。
この見守りカメラは、室内で物の動きを感知すると自動的に録画が始まり、登録したスマホに通知がくる仕組みです。

猫が部屋で動くと、私のスマホの通知音が鳴り、待ち受け画面に上の画像のように録画した画像の一部が表示されます。
カメラのアプリを開くと、それまで録画された動画の一覧がサムネ付きで表示されます。

仕事中や外出時など、『ピンポンピンポン』という、コンビニのドアベルみたいな通知音がスマホから聞こえることで「ああ、猫が生きているな」と安心できました。

それから約1年後、猫は突然食事をしなくなりました。
餌をいろいろ変えてみても全く受け付けません。
人間でいえばすでに百歳近い年齢ということもあり、今度こそ寿命だろうと、無理に食べさせず家族で静かに看取りをすることに決めました。
食事をしなくなって2週間ほどたったある日の夕方、会社から最寄りの駅に着いた直後に見守りカメラを開いてライブで室内を見てみました。
すると、猫用ベッドから離れた場所で倒れて動かない猫の姿が映し出されました。
「あ、死んでしまったの…?」
覚悟はしていたものの、いざその時がくるとやはり心穏やかではいられません。
私は初めてマイクをONにして猫の名前を呼びました。
すぐに電車が到着したので一旦スマホを鞄にしまい電車に乗り込みます。
乗車時間は約10分ですが、降りるまで待ちきれずに電車内で再度スマホを取り出してみると、電車の音で通知音が聞こえなかったのですが、猫が動いた姿が録画されていました。

猫は私の声に反応して、倒れながらも見守りカメラの方に近づいてきていました。
見た瞬間、「まだ生きている!」という嬉しさや「息絶える前に早く帰らなきゃ」という焦りですごく心が乱れたのを覚えています。
電車の中でしたが、小声で必死に「待ってて!すぐ帰るから!」「頑張って」とマイクから語り続けました。
駅からは自宅まで走って約5分。
家について猫の側に駆け寄ると、まだ生きていてくれました。
その時は「ありがとう」と「遅くなってごめんね」という気持ちで涙があふれて仕方ありませんでした。
それから猫は全く動くことができなくなり、二日後に私と子供が見守る中で息を引き取りました。

その次の日、私と子供で猫の遺骸を火葬場に持っていくことにしました。
段ボール箱に猫を寝かせて花と少しの餌を入れて、自宅から車で1時間程度のところにある火葬場に向かいます。
走り始めてしばらくすると、私のスマホが鳴りました。
『ピンポンピンポン』
見守りカメラの通知音です。
私は驚いて鞄からスマホを取り出してみてみると、待ち受け画面には見守りカメラが何かを検知したお知らせが…

その時自宅には誰もおらず、何か動くものもないはずです。
録画された動画を再生してみても室内ではカーテンも揺れていません。
子供と「なにこれ?何に反応した?」と不思議に思いましたが、数分経つとまた『ピンポンピンポン』と鳴るではありませんか。
今までは録画された動画には必ず猫の姿が映っていました。
それが、なにもないのに録画が始まりスマホに通知がくるのです。


この通知音は火葬場で猫の遺骸とお別れするまで断続的に続きました。
見守りカメラを設置して約一年、何もないのに録画がされるなんてこの日が最初で最後でした。

単なる偶然の出来事だったのかも知れません。
でも、きっとカメラの向こうから私が見ている事に気付いた猫が、今度はあちらから「側にいるよ」ということを伝えてくれたのだと思っています。











