こんにちは。ALIS猫クラブ友の会副会長のミカヅキです。
今日、2月22日は猫の日ですね。
ちょっと長文ですが、我が家の猫のお話を読んでもらえると嬉しいです。
一昨日、我が家の愛猫の『かりん』が天国に旅立ちました。
人間に例えるなら90歳くらいの年齢で、老衰による死でした。
土曜日だったので、家族で最期を看取ることができたのが幸いでした。
翌21日の日曜日、猫を火葬するために子供と二人でペット葬儀屋に行く時のことです。
マンション下に移動させた車の中で子供が箱を置くスペース作っている間、私は自宅へ猫の入っている箱を取りに行きました。
箱を抱えてエレベーターで下に降り、駐車場へ続く階段を下りている途中、左耳のすぐ横で
リーン
と、お鈴の音が聞こえました。
お鈴とは読経の時に鳴らす、お椀のような形のした金属製の仏具のことです。 すぐに周りを見渡してみましたが、お鈴のような音の出る金属のものはありません。
「ああ、かりんだ」と思いました。
実は、昨年母が亡くなった日にも私はこの音を聞いているのです。
母の時は自宅内で聞こえたのですが、やはり「リーン」というきれいな金属音でした。
その時近くにいた子供も「今、鈴みたいな音がしなかった?」と言ったので、二人同時に聞こえたようです。
不思議に思い、外を見たり部屋の中を見渡したりして音源を探しましたが見つかりません。
私も子供も、まるで家の中でお鈴を鳴らしているとしか思えないくらいの音量で聞こえているので本当に不思議な現象でした。
お鈴の音を聞いて5分ほどたった時、家の電話が鳴り、姉から母が危篤に陥ったと伝えられました。
母の時も左側から聞こえたので、今回も「これはあの時と同じ現象なのだろう」と思いました。(私は、不可解な音や声が聞こえる時はいつも左側からなのです)
もしかしたら、また子供にも同じように聞こえたかもしれないと考え、車の中にいる子に「今、鈴の音聞こえた?」と聞いてみましたが「自分には聞こえなかった」と残念がっていました。
葬儀屋で愛猫とお別れした後、マンションから徒歩五分ほど離れた駐車場に車を置き、春のような陽気の中二人で歩いて自宅に向かいました。
歩きながら猫の話をしているうちに、あの音の話になりました。
今回、子供には聞こえなかったことがとても残念だったようです。
「こういうのって人によって感じ方が違うから、そのうち『ニャー』ってかりんの鳴き声が聞こえるかも知れないよ」と、私は慰めに冗談を言いました。
「そうか、確かに音とは限らないのかも…」と、子供が言います。
そして、続けて「あのさ、さっきから花の匂いがするんだよね。時々ふわっと花のいい匂いがする。これ、かりんの箱に入れていた花と同じ匂いなんだよね」と。
私は、近くにあった梅の木の花が満開なのを見て「今日は暖かいから、あちこちで花が咲いていて、それが匂うんじゃない?」と言いました。
「そうなのかな。昨日おばさん(私の姉)がかりんのために持ってきてくれた花束の匂いなんだけど。すごく甘い香りの。」と、子供は納得いかない顔です。
姉からもらった花束は一晩中猫の箱に入れていたので、猫の体にも花の匂いが移っていました。
私達は、葬儀屋でずっと猫の体を撫でていたから自分たちの体にも花の匂いが移り、それが時々風の具合で香るのではないかと考え、自分たちの服や髪の毛の匂いを嗅いでみました。
私達の体からは葬儀屋で焚いていたお香の匂いがしました。
それでも私は、見えない所で花が咲いていて、その香りが漂ってきているのだろうと考えていました。
前日から急に暖かくなったので、あちこちで開花していてもおかしくありません。
でも、この香りで「かりんが自分の傍にいる」と子供が感じられるのであれば、それもいいだろうと思いました。
私「いいなあ、お母さんには花の匂いがしないよ。ちょっと羨ましい」
子「本当に匂いしないの?時々すごく濃くなるよ。花に鼻を近づけて匂い嗅いでいるくらいに」
私「お母さんの鼻はもう老化しているからねえ…」
自虐的に言いながら、自分の鼻はそんなに周りの匂いがわからなくなっているのか、やばくない?などと少々あせりを感じていた時、甘い香りがふわっと漂ってきました。
私「あ!今、花の匂いがした!」
子「ほらほら、するでしょ?」
私「いや、絶対どこか近くに花が咲いているんだって!」
そうして二人でよそのお宅の庭や道端の草の陰に花が咲いているのではないかと探してみたのですが、それらしい花も木もありません。
梅の花はもっと爽やかな香りなので違います。
子供はちょっと勝ち誇ったような顔をしています。
歩き続けていると、私にも時折ふっと甘い香りが漂ってくるようになりました。
私はそれでも「いやいや、もう春だし、ちょっと早いけど沈丁花でもどこかで開花したんでしょ」と考えていました。
私はALISで怪談部福部長などやっているくらいにオカルト好きですが、あれもこれも全部霊現象にするのは違うと思っています。
そして、マンションの敷地内に入った瞬間、とても濃厚な甘い花の香を感じました。 驚いて、すぐ後ろにいた子供の方を振り向くと、子も「今すごく強い匂いがした!」と笑顔で興奮していました。
私はこのマンションの住人なので、その周囲に芳香を放つ植物などがないことを知っています。
でも、たしかに強い花の匂いがしたのです。
「かりんだよ。一緒に帰ってきたんだよ。」と、子供は喜んでいました。
家に入ると、また花の香りがしました。
猫が死んだ後、私と子供はたくさんの生花を買い、それを全部猫の箱に入れましたが、姉からもらった花は自宅の飾り用に残してありました。
その花の匂いが部屋に充満していたのです。
姉がくれた花束にはカスミ草とトルコ桔梗、スイートピーが使われていました。 鼻を近づけてみると、甘い匂いを放っていたのはスイートピーでした。
それは確かに歩いている時に漂ってきた香りと同じ匂いでした。
このような話を人に言っても「ただの思い込み」「空耳」「なんでもオカルトに結びつける」としか思われないことでしょう。 でも、私と子供にとっては亡き愛猫の存在が感じられた、優しく嬉しい出来事でした。
※この記事はhideaki.blogを通して投稿しました※