たいていの心霊現象は勘違いか嘘である。
これは本当にその通りで、オカルト好きな私も心霊写真や怪談をすべて信用することはありません。「おお怖っ!でも、これは心霊現象とは違うな。」と、エンターティメントとして楽しむわけです。
心霊現象として紹介されるものでも、たいては下記のようなことに分類できます。
心霊写真・心霊動画
シミュラクラ現象
単純な三つの点を目と口に見立てて顔と認識してしまうこと。
パレイドリア現象
目にしたものの中に自分の知っているものを当てはめて、別のモノを見いだしてしまうこと。
カメラの特性や誤作動・手ブレによるもの
撮影機材の特性や撮影時の環境によって肉眼では視認できないものや本来ないものが写真に写り込むことがある。(モーションブラー、ゴースト、フレアと呼ばれる現象)
《例1》肉眼では見えない細かい埃や虫がフラッシュやライトに反射して現れたものを『オーブ』だと思い込む。
《例2》寒い場所で写真を撮った時、撮影者には視認できていない撮影者自身の息が白いモヤになって写り込む。煙草の煙も同様。
《例3》 撮影時の振動やシャッタースピードによってブレや被写体の移動が発生して人体の一部が透けたり消えたりする。夜間撮影したものはたいていコレ。
《例4》気づかないうちにシャッターに触れておかしな写真が撮れてしまったが、本人に撮った自覚がないため心霊現象だと思い込む。
心霊写真アプリによる加工やいたずら
いかにもテンプレな幽霊が写っていたら、加工アプリの可能性大。
通常、カメラやスマホで撮ったデジタル画像には絞り値・露光時間・フラッシュの有無など撮影時の設定が記録される。心霊写真アプリやフォトショップなどで加工して作られた画像にはそれがないので、「心霊写真が撮れた!」と知り合いに画像を見せられたら、まずここを確認しよう。
ただし、写真を撮る時わざと心霊写真っぽくするために体の一部を隠して撮ったり、そこにあるはずのない物を置いたりするといういたずらをする人もいるので、その場合は上記の設定条件は記録されている。
霊が見える・憑りつかれる
脳の病気
レビー小体型認知症や 抗NMDA受容体脳炎など。
《例1》本人の意識がないのに体がおかしな動きをする。
《例2》存在しないものが見える(幻視)。
《例3》寝ている時に大声を出したり暴れたりする。
精神的な病気
精神的な病気や不安感によって幻視や幻聴が起きたり、人格が変わったような状態になってしまう。
夢・寝ぼけ
《例1》夢で見たことを実際に体験したことと勘違いする。
《例2》睡眠から覚醒する時のいわゆる『脳は目覚めたが体がまだ眠っている状態』でおこる『金縛り』。
《例3》上記の『病気』による原因と重なるが、まだ自覚症状が現れない病気によって睡眠時に苦しさを覚え悪夢を連日見ることがある。本人は病気の自覚がないため霊に憑りつかれたと勘違いする。
霊能者
コールドリーディング
人と話す時に、自分の知りたいことについて自然に相手に話させるように誘導して、必要な情報を得る話法。話し手は自らが情報を提供したことを自覚していないため、「この人は私のことを見抜く不思議な力がある」と信用してしまう。
詐欺
「先祖の呪い」「お祓いが必要」などと不安を煽ってお金をだまし取る手段に宗教や心霊現象を使う。お金を取る霊能者が必ずしも詐欺師とは限らないが、何十万、何百万という金額を提示して『今すぐ対処しないと危険』などと支払いを急かす人は詐欺を疑おう。
なりきり霊能者
霊感があることを、なぜか「常人とは違った能力があるカッコいい人」と勘違いし、あたかも自分に霊能力があるようにふるまう人もいる。
※専門用語や病気の症状については、かなり大雑把に説明しておりますので細かい指摘はご容赦くださるとありがたいです。 ※シミュラクラ現象とパレイドリア現象の画像はPhotoACのフリー素材です。
心霊現象をぶった斬る理由を書き連ねてみました。 最後に、上記の 「カメラの特性や誤作動によるもの」《例4》気づかないうちにシャッターに触れておかしな写真が撮れてしまったが、本人に撮った自覚がないため心霊現象だと思い込む。 の実例を挙げてみましょう。
これは私が体験したことです。
謎の画像
半年ほど前に我が家の猫が死にました。猫が息を引き取ったのは朝の9時頃でした。昼近くになって私はこどもと二人で供養のための生花を買いに行きました。 たくさんの花と必要な物を買った後、レストランで昼食を取ってから帰宅しました。
それから愛猫を安置するダンボール箱に飾り付けをしたり、ペット霊園に電話したり、来客の対応をしているうちに夜になりました。 家族で猫の亡骸を囲みつつ思い出話を語り、それぞれのスマホに保存していた猫の写真を家族のLINEグループに貼って共有しようということになりました。 私もLINEグループを開いて画像ファイルから猫の写真を探そうとした時、思わぬものが画面に現れました。
本来なら、自分が撮影したりスクショした画像が並ぶなずなのに、赤紫の背景に中心部分が白という画像がずらりと出てきたのです。 スクロールすると同様の画像がどんどん出てきます。
家族に見せると「なにこれ、怖い…」と表情を曇らせました。
何事か思いLINEアプリを閉じ、アルバム(カメラロール)を開きました。
四つの画像に連写のマークがついていました。なるほど、いつの間にか連写でこの紫の画像を撮っていたようです。 4回の連写で合計174枚もこの不思議な画像を撮影していました。 詳細を見てみると、撮影時間はレストランの滞在時を示しています。
それでなんとなく理解しました。私はレストランで料理が運ばれてくるまでにスマホをいじっていました。料理がきたのでスマホの画面を閉じて隣の席に置いてある鞄の中にしまったのですが、おそらくその時に、画面をきちんと閉じておらず、なおかつ自分の指がカメラアプリに触れて起動してしまったのでしょう。そのまま鞄の中のなにかが画面に触れた状態が続き、反応して連写してしまったと考えられます。
理由がわかれば納得できるのですが、今までこんなことが起きたことはなく、猫が死んだ直後だったため、最初に目にした時は「まさか、死んだ愛猫からの何かのメッセージ⁉」と考えてしまいました。
それにしても、スマホカメラの連写機能は何度か使ったことがありましたが、連続で95枚も撮れるなんて、この時初めて知ってちょっと驚きました。(一度の連写で撮れた枚数はそれぞれ異なりました) 174枚も連写している間、ずっとシャッター音が鳴っていたはずなのですが、きっとレストランのBGMのせいで聞こえなかったのでしょう。
鞄の中には赤や紫のものは入っていなかったのだけど、一体何が撮れたんでしょうね。私の鞄はリュックタイプでスマホは中にきちんとしまってどこも開いていない状態でした。暗い鞄の中で、黒い画像が撮れたのはわかるけどこんなに綺麗な紫に撮れるものなのかしら。勝手に明るさの設定が変わっちゃのでしょうか。
少々不可解な部分もあるのですが「気づかないうちにカメラを起動させてしまって覚えのない写真が撮れていた」ということで間違いないと思います。
そう結論づけた後でも、私はずっとこの大量の画像を消去できずにいます。 なぜなら、私はこの現象を「愛猫の霊がずっと自分たちの傍にいた証」と捉えているからです。