ClassicPressは、WordPress4.9系からフォークしたプロジェクトです。2018年12月にbeta2がリリースされました。
フォークとは、元のプロジェクトから分岐して、新しいプロジェクトを作ることを言います。WordPress自体も、元をたどれば、ブログツールb2からフォークしたプロジェクトです。
WordPress5.0から、投稿編集方法が大きく変わりました。GutenBergと呼ばれるエディタに変わりました。GutenBerg自体は魅力的なエディタですが、元のエディタと使い方等が大きく異なるため、使うには慣れが必要です。元のエディタ自体に不具合があったわけではないので、『なぜ、わざわざ変えなければならないのか?』という疑問を持つ人もいます。
元のエディタとGutenBergが平行してメンテナンスが継続されています。しかし、元のエディタはどこかのタイミングでメンテナンスが終了になります。2019年1月時点では、少なくとも2022年まで元のエディタのメンテナンスが行われるとアナウンスされています。(Classic Editorを参照)
ClassicPressでは、元のエディタを使います。元のエディタを使いたい、という場合は、WordPressからClassicPressに移行する、というのが選択肢の一つになります。WordPress4.9系からClassicPressへ移行するプラグインが公開されています。
ClassicPressは、ただWordPressの元のエディタを使うだけ、というわけではありません。ビジネスにフォーカスしていきます。WordPressでは標準になっている機能でも、皆が使うわけではない機能は、コアプラグインにされる計画です。(例えば、XML-RPC、Gravatars、REST API、Emojis等)詳細はRoadmapで確認できます。
ClassicPressプラグインは、公式サイトで公開される予定です。無料のものも有料のものもOK、基本機能が無料で一部の機能が有料のもの(フリーミアム型)もOKとなる予定です。現在も https://forums.classicpress.net/t/plugin-directory-rules/551で議論されているので、正式リリース時に変更になる可能性があります。
WordPressの有料プラグインは、wordpress.org上では販売されていません。プラグイン開発者がWordPress有料プラグインを販売したいと考えた場合、各自で販売する場所を用意する必要があり、開発者への負担が大きかったです。購入する側も、プラグイン毎に購入できる場所や購入方法がバラバラで、手間がかかりました。
この点はClassicPressは素晴らしいですね。なお有料プラグインの登録方法や手数料等はまだ確定していないようです。
WordPressは開発者と利用者の距離が近い、という大きな特徴があります。プラグインにも、利用者が自分のニーズを満たすために開発して公開されたものがたくさんあります。利用者≒開発者、といっても良いかもしれません。
WordPressは誰でも開発に参加でき、実際に多くの人が開発に参加しているので、世界中のどこであっても開発者を見つけやすいですし、またプロジェクトの開発継続性という点でも安心できます。(→WordPressコミュニティに学ぶオープンソース開発を参照)
ClassicPressが、WordPressのように開発者との距離が近いプロジェクトになるのかどうか。この点が気になりますが、WordPress利用者は凄く多いので、今WordPressを使っている人の1%ぐらいがClassicPressに移行するだけでも、十分な人数にはなりそうです。
有料プラグインもClassicPress上で販売できるとなると、プラグイン開発者に余計な負担なしにプラグイン開発が進むので、WordPressよりもClassicPressが広まる、という可能性も期待できますね。