数年前から、アレゴリーゲーム(勝手に命名した)にハマっています。アレゴリーとは
意味としては比喩(ひゆ)に近いが日本語では寓意、もしくは寓意像と訳される。詩歌においては「諷喩」とほぼ同等の意味を持つ。また、イソップ寓話に代表される置き換えられた象徴である。アレゴリーの特徴として教訓や風刺の意味を持つことが多い。またその場合はできる限り普遍的なモチーフに置き換えることによって、その作品に触れた人々が置き換えられた概念を想起し易いようにさせている (wikipediaより。)
ということらしいのだけれど、アレゴリーゲームというのは、小説や絵画の中で「そういう寓意を含むモチーフに自分で気づく事ができるかゲーム!」いうこと。
はまり始めたのは、割とすぐに見つけた2つが面白かったから。1つ目はアカデミー賞を取ったサイレント映画「アーティスト」。2つ目はamazonで☆4.5、ブクログで☆4.06という驚異的に話題のドイツの短編小説「犯罪」。
「アーティスト」は見ている時に妙に階段のシーンが多いなと思ったら、階段を上がるということが人生が上向きになるということ、下がるということは転落していくということを示していると見ている途中で分かりました。これはすっごくベタな事だとは思うけれど、やっぱり自分で気づくと嬉しいものです。
ちなみに、この映画はサイレントとかフランス映画とか、堅苦しいような宣伝文句もあるけど、そういうのは全然感じずに楽しめる面白い映画。今の時代にサイレントの演技ができる役者さんがいるんだなぁとも感心します。
「犯罪」の方は、すべての短編にあっさりとした感じでりんごの描写があって、それが原罪の象徴なんだろうな、と思いながら読んだこと。
ただこの本では最後にフランス語で「Ceci n’est pas une pomme.」とあって、なぜドイツ小説なのにフランス語?と思い、ググったら、これは原罪の象徴としてのリンゴというより、マルグリットの絵に絡んでいたということで不正解でした。
(でも「犯罪」でリンゴがでてきたらやっぱ原罪を想起してしまっても仕方ない気がする。作者はドイツ人だし、聖書には知恵の実=リンゴという記述はないから、そうは捉えていないかもしれないけれど、いずれにしても、そう捉えられる可能性は絶対見越しているはず、と言い訳。)
本自体はミステリー好きにも、全部の謎が解けないで余韻が残る日常系小説好きにもはまる本。翻訳もすごい上手いんだと思う。
私は、国語の授業で、「この詩でボタンが意味していることはなにか。」みたいな問も結構好きだったタイプなので、このアレゴリーゲームはけっこう面白いです。おススメです。
もう一個、映画の感想をメモする時に、アント&シノニムゲームにもハマってるのですが、それは別の時に。
MIO
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