Avacusは5月4日、初のステーブルコインとなるDaiを取引通貨として採用したことを発表しました。
取り扱い通貨はBitcoin(BTC)、Bitcoin Cash(BCH)、VACUSに続く4種目(スポンサートークンを除く)となります。XPCとNANJは5月末をもって取り扱い終了が発表されました。
Dai(DAI)はEthereumの DeFi=Decentralized Finance 領域での代表的なプロジェクトであるMakerDAOが発行・運営し「分散型ステーブルコイン」と呼ばれるデジタルトークンです。
結論からいうと、Avacusでステーブルコインが採用されることで、今後は「疑似的な取引所」のように使われていくかもしれません。Daiが採用されるに至った経緯とともに紹介したいと思います。
ステーブルコインは「変動しない」という意味を指すstableが由来となっており、ブロックチェーン上で発行された価格が一定に安定している通貨のことを言います。
法定通貨やゴールド、既存の暗号資産などに価値が裏付けられていて価格変動が小さいことが特徴です。ブロックチェーン上での金本位制のようなイメージです。つまりステーブルコインは暗号資産を投資以外の目的で使うことを可能にするためのもの、と言うこともできます。
Daiはステーブルコインのひとつで、Ethereumのブロックチェーン上でサポートされています。
米ドルと価格が連動して、多少の変動があるものの基本的には1Dai=$1の価値になるように設計(ソフトペグ)されている通貨です。
ステーブルコインの分類としては「暗号資産担保型」となり、Daiの価値はスマートコントラクト上の暗号資産によって裏付けられています。Daiを発行するためには CDP(Collateralized Debt Position)と呼ばれるスマートコントラクトを通じて、ETHあるいは他のERC-20トークンを担保に、担保の最大3分の2までDaiを生成することが可能です。
Daiの価値の裏付けはCDPの余分担保だけに拠るものではありません。価格を安定化させ維持するための様々な仕組みが存在し、複合的に作動しています。
例えば、市場が不安定に陥ったときにはTRFM(Target Rate Feedback Mechanism)というメカニズムが作動し、1Daiの価格を1USドルに近づける事で利益が得られるようにインセンティブが組み込まれています。
仕組みの詳細についてはここでは割愛しますが、ざっくりとしたイメージは「今までにない高性能なドル通貨」といったところです。生成したDaiは、従来の法定通貨の枠組みに囚われずに、世界中の誰でもどこにいても自由に送金したり、商品やサービスの決済に使用したり、貯蓄やトレード上のリスクヘッジにも利用可能です。
近年ステーブルコインや DeFiが注目を集めていますが、先導しているDaiを発行・運営するMakerDAOは2014年に設立された、歴史の長いプロジェクトです。防御性・透明性が高く、トラストレスな分散型であるところも思想的な支持をあつめる要因となっています。
参考資料:https://makerdao.com/ja/
今回異例のスピードでAvacusにDaiが実装された経緯については、海外ユーザーの流入が大きく影響しています。
Avacusの競合にあたるPurse社が突然閉鎖することが発表されたのはわずか2週間ほど前でした。その数日後に声明は撤回され現在Purse社は事業の売却先を探しているようですが「閉鎖」というインパクトはユーザーに大きな衝撃を与えました。特にビジネス目的で日常的にPurseを利用していたユーザーは数日後からサービスが利用できなくなるわけですから、死活問題です。
類似する他社サービスを早急に模索する動きが生まれ、そこに白羽の矢が立ったのがAvacusでした。
このアナウンスの後から、これまでの日本市場にはなかった層のユーザーが大量にAvacusに流れ込みます。
結果、問い合わせやサポートのリクエストがAvacusに押し寄せ、Avacusは急遽Telegramチャンネルを開設。
有志の日本ユーザーも参加し海外ユーザーに対応することになりました。
Telegramを開設してから数日のあいだはスレッドが追いきれないほど質問や要望が殺到し、チャットは連日24時間ひっきりなしの状態が続きました。
海外のユーザーは目的意識がはっきりしていて、かつ積極的です。彼らは明らかにPurseの代替を探していました。 また日本のユーザーはゲームを攻略するような感覚でAvacusを使っている傾向にありますが、海外ユーザーは複雑な仕組みを好みません。ユーザーランク条件に難色を示す人や、緩和を求める意見も多く寄せられました。他にはAmazonCA(カナダ)をサポートしてほしい、ステーブルコインを取引通貨に追加してほしいと熱望する声も上がり、スレッドを埋め尽くしていました。
ステーブルコインの対応は彼らの悲願でしたが、Purseでは長らく彼らの要望は聞き入れられなかったようです。切実な願いは全てAvacusにぶつけられる形となり、彼らはAvacusがステーブルコインを採用するメリットについて夜通し議論をし、積極的に提案をしました。
Telegramでは一晩のうちに120件を超えるチャットが更新された日もありとても追いきれないのですが、議論の一部はAvacusのコミュニティRedditにも残っています。
Avacusはユーザーからの要望をうけ、まずはPurse閉鎖の翌日に日本以外のユーザーレベル撤廃を決定。
そしてわずか一日のうちに実装されました。これによりユーザーは爆増。意思決定の速さと開発の技術力の高さは驚きをもって称賛されました。
それだけにとどまらないAvacusは、この2週間のあいだにさらにAmazonカナダに対応、今回のステーブルコインと海外ユーザーの要望の多くに対応してみせたのです。
現在、Avacusの取引件数は2週間前から3倍以上にもなり過去の最高記録を更新、今もなお日を追うごとにユーザーが増え続けています。
ステーブルコインの話に戻りましょう。
Bitcoinをはじめとする暗号資産は値動きが激しく、上に跳ね上がることもあれば下もある通貨であることは広く知られています。短期投資においてはそのボラティリティも大きな魅力のひとつではありますが、しかし投資目的以外での価値の交換手段という観点においては、大きすぎる価格変動は逆にリスクとなります。
Avacusにおいても、取引が完了するまでの間の価格変動を懸念するユーザーもいたことは確かです。
今回ステーブルコインが採用されたことでPurseとの決定的な差別化が図れるほか、大口の参加者(数十のオファーを出し、ビジネスとしてAvacusを利用したい層)を集めやすくなるかもしれません。Avacusは彼らにとってビジネスを拡大させるためのプラットフォームになり得ることでしょう。
AvacusShoppingの場合、Shopperは買い物をする際にDaiをAvacusに入金します。Buyerは代理購入の対価としてDaiを受取ります。Dai価格はドルに固定されていますので、この間の価格変動リスクはありません。
疑似的な利益確定需要
ひとつには、ステーブルコインには「疑似的な利益確定」という需要があるかと思います。
あなたが暗号資産の長期保有者ならば、価格の下落に一喜一憂した経験が一度はあるでしょう。
そのとき有効なのがステーブルコインによる疑似利確です。
手持ちの暗号資産が高値の時や下落が懸念されるときにステーブルコインと交換しておく。交換した時点で資産価値はドルでの価格で維持されるようになるため交換後はほぼ一定となり、その間にBitcoinの価格が暴落しても(暴騰しても)影響をほとんど受けずに済みます。
実質的なETHのAvacus上場
また、取引所にはDAI ⇄ ETHという通貨ペアがあるので、新規でDaiをAvacusで手に入れるユーザーにとっては実質的にEthereum(ETH)をBuyerできるというメリットも考えられます。
Uniswapとは
Uniswapとは今注目のイーサリアムベースでの分散型の交換プロトコルです。
ETHと他のERC-20トークンをいつでも交換できます。交換のプロセスには第三者が介在せず、アルゴリズムのみで自動的に完了されます。Swap(交換)、Send(送金)、Pool(流動性提供)の機能を持ち、貯蓄プールにトークンを供給し取引活性をサポートすることでインセンティブを得られるように設計されています。
交換するときの価格は、価格設定の式によって自動で決められ、交換コントラクト内のETHの量とERC20トークンの量が常に一定になるように価格が計算されます。
Uniswapを使用してAvacusで手に入れたDAIを一瞬でEthereumに交換することが可能です。
https://uniswap.org/
Avacusならではの活用も考えられます。一種のアービトラージ、サヤ取りです。
①DAIを仕入れ、Avacusに入金
②DAIでShopperを出し、Amazonギフト券を購入する
③購入したアマギフでBTCのBuyerをし、BTCに換える
④BTCを換金
このように、取引所のアービトラージ(=裁定取引)のような使い方が疑似的にAvacusで可能というわけです。 調子が良ければ無限にサヤ取りできそうです。
Avacusでは割引率1%からBuyerできるので、出来るだけ安くBTCを手に入れたい需要も満たせます。
個人的にはこのアービトラージ手法が定着すればいいな、と思っています。
AvacusでDaiの流動性が上がってくるとやばいことになりますね、もちろんいい意味で。
Avacusに取引通貨として採用されることは、AvacusのすべてのエコシステムでDaiが使えるということを意味します。Avacusの各機能は人びとの参入障壁を下げ、Daiをライフスタイルの一部に取りこむ最適なインフラとして機能します。
◎AvacusShoppingではAmazonでのお買い物をDaiで実現
Buyerとして代理購入をすることで実質的にクレジットカードやギフトカードでDaiを購入できます
◎AvacusASKでは業界最安の手数料を実現したクラウドソーシングサービス
Daiをつかって仕事を依頼したり、仕事の対価としてDaiを得ることが可能になります
◎AvacusPayの送金システムをつかって世界中のユーザーに瞬時にDaiを送信することもできます。
送金の最小単位は1DAIから、手数料はたったの1%です
◎AvacusBazaarのフリーマーケットプレイスではDaiで商品を購入したり、身の回りのモノを売ってDaiに換えることだってできるでしょう
現状、日本国内でDaiが上場している暗号資産取引所はありません。
海外でも主にDEXが購入場所として一般的です。Daiの生成自体は誰でも可能ですが一定のEthereumの差し入れが必要です。Avacusを活用することで気軽にDaiの価値を手にしやすくなりますね。
Avacusのプラットフォームを活用することで、1DAIからの気軽なマイクロペイメントからボリュームのある送金までDaiが世界中を飛び交います。ステーブルコインという利点から、Daiを利用してメカニカルターク的な作業を依頼する市場形式を生み出す可能性もあるでしょう。
Daiの入手はこれまでに比べてかなり簡単なものになります。
Avacusでは、取引が行われると取引手数料の一部をユーザーに還元する仕組みがあります。
VACUS.DAI はAvacusでのDAI取引手数料の還元を受けるための権利です。
今後はVACUSホルダーに対し、保有VACUSと同量のVACUS.DAIがエアドロップされることが発表されています。※配布時期については後日アナウンスされるものと思われます
VACUSを購入するには?
①Avacusで手に入れる
②Raizer.cc(Counterparty DEX)で購入する
Raizerについてはこちら
ステーブルコインについては海外ユーザーからの要望がもっとも多かったもので、ユーザーにとってはメリットばかりです。需要という面では日本よりも間違いなく海外のほうがあると言えますが、勿論、日本ユーザーにとっても疑似的なアービトラージが可能であったり資産の一時的な逃避先として疑似的に利確ができたり活用が期待できます。
DeFiの思想はAvacusと相性がよいため、今回のDaiという選択にはAvacusらしいなと思いました。またUniswapの項で述べたようにDAIとETHは瞬時にスワップできるので、Avacusの通貨ラインナップに実質イーサリアムが入ってきたと言える大きなアップデートです。
今回Purse社の突然の閉鎖宣言から2週間経ち、Avacusは本格的に海外進出という方向に舵をきったと言わざるを得ないかと思います。しかしながらAvacusは注目される以前から海外Amazon(US,UK,DE)に対応をしていたり、サイト内の言語も幅広く対応していたり、着々と準備を進めていました。古参としてはこれまでのAvacusの努力が報われるといいなと願っていたので、こうして海外ユーザーから称賛されるAvacusを見るのはユーザーとして嬉しいですし、誇らしい気持ちです。
これからも飛躍していくAvacusを応援していけたらいいなと思いますし、海を越えて"Avacus"という共通言語でつながれる仲間との出会いがこの先も多くあることを楽しみにしています。
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