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時代のアップデート─なぜか誰も書いていない「信頼の可視化」ALIS!

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  • もずく
  • 2019/04/27 15:16
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もずく・Ð・更新中ですシャットダウンしないでください…です。

 

スマホから2本目、滑り込みますよ!

 

さて、時代をアップデートしそうな技術はたくさんあるのですが、なぜかALISのことを誰も書いていないので、個人的希望をふんだんに織り込んでポエ散らかしたいと思います。

 

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❑ 信頼スコア

「信頼」とは、本来、自分が直接的に知る人物や組織などに対するある種の感情です。その度合いや尺度は個人の主観に委ねられ、第三者が決めるような問題ではありませんでした。

しかし社会が発展してくるとそうもいっておられず、直接的には知らない人物や組織の信頼を推し量る必要が出てきます。すでに信頼している人からの紹介であるとか、人物なら見かけや肩書き、組織なら資本力やブランドなどがその判断材料になってきました。

 

そういった「客観的な信頼度(=信頼スコア)」は、ビジネスや政治をはじめ、ほとんどあらゆる場面において活用できます。誰もが「より信用できる信頼スコア」を欲しがっているのです。

より信用できる信頼スコアの算出は、より多くの個人情報を集められる組織(企業)であるほど有利です。ビッグデータを扱うことになるのでAI(データマイニング・機械学習)を利用できる技術力も必要でしょう。

 

そのような背景で登場したのが、中国の芝麻信用やアメリカのFICOスコアです。日本でもいくつかの企業が信頼スコアに着手しているそうです。

その大きな流れの中でみれば、ALISもそういった取り組みの一つといえるでしょう。

 

❑ ALISの信頼スコア

では、ALISの謳う信頼スコアとはなんでしょうか。芝麻信用やFICOスコアなど、すでに存在する信頼スコアと何が異なるのでしょう。

まず、ALISのホワイトペーパーでは「信頼度」という表現で登場しているのですが、ここでは具体的な説明はほとんどありません。トークン報酬についての記述が中心で、結局のところ「いいね」の数で決まっていくような書かれ方になっています。

これではSNSのいいねやフォロワー数と本質的には変わりません。

 

その後、Mediumの記事において、「基本的にアルゴリズムは変えていく想定」という前置きの下、次の具体的な式が示されています。

ユーザー信頼度スコア = トークン保有数 × トークン保有期間とサービス利用頻度 × 自分の投稿に対する「いいね」数 × 他者の投稿への「いいね」数

トークンが絡んでくることで、従来のSNSのフォロワー数よりは複雑なロジック(算出方法)になっていますが、既存の信頼スコアと比べるとまだかなり単純なロジックではないかと思います。

 

また、「ネットワーク分析」という用語もALISチームからよく聞かれますが、ネットワーク分析自体は独自性のある技術でも指標でもありません。

私がAMAで聞いたところでは「ALISで得られるデータに独自性がある」とのことでしたが、いずれの信頼スコアもデータに独自性があるから個別のスコアとして売り出しているわけです。

言い換えれば、ALISのでは使用されていないデータが芝麻信用やFICOスコアでは使用されているということで、データの量や種類での戦いになると辛いところです。

 

では、ALISと既存の信頼スコアの“本質的な違い”はどこにあるのか。

それはやはり「Decentralizedな信頼スコアである」という点だと思います。

ただし現状では、ALISの信頼スコアはDecentralizedではありません。完全に秘密にされており、その点では既存の中央集権による信頼スコアと変わりません。

 

なので、この記事の続きはALISの未来に対する希望的観測のお話となります:)

 

ちなみに、似たような話を私は過去に書いています。本記事とは少し趣旨が異なるので、よろしればどうぞ。

 

 

❑ Decentralizedな信頼スコア

ALISの信頼スコアがこれまでにないDecentralizedなものになる道は二つあると思います。(いやもっとあると思いますけども)

 

1. Decentralizedなロジック更新

一つ目はシンプルな話で、信頼スコアのロジック(算出方法)を公開してしまって、その改善案をみんなでDecentralizedに議論・更新していく方法です。

AMAで訊いたところでは、ALISの信頼スコアのロジックが公開されていないのは、その内容を知って不正をする人が出てくるから…ということでした。

しかし、少数チームだけで不正の可能性をすべて洗い出すことは難しく、不正ができない完璧なロジックの完成を待っていては永久に公開できないかもしれません。

 

ALISが取るべき道は、最初から信頼スコアのロジックを公開してしまって、可能な不正をみんなで見つけてアジャイルに改善していくアプローチだと思います。

実際に起こってしまった不正をあとから修正するのでもよいと思います。特にβ版の間は(というかβ版はそのためにあるはず)。不正が判明したら遡って信頼スコアを再計算できるプロトコルを考えつけば、ユニークなブロックチェーンになりそうです。

たとえ非公開にしていてもリバースエンジニアリングで外部からロジックが解析され、密かに不正される可能性もありますし。実際、少し前に億ラビくんが不正があった可能性を指摘していましたよね。

 

もちろん、Bitcoinのように「悪者の参加を前提としながらも成立する仕組み」を見つけ出すことができれば、信頼スコアの世界に革新を起こすことができるでしょう。

信頼スコアを計算するロジックが公開されているのに、誰も不正に信頼スコアを上げようとは思わないようなインセンティブ(動機づけ)の働くプロトコルです。

これは信頼スコアだけを考えていてもおそらく辿り着けず、トークンによるインセンティブ設計によって初めて可能になるのではないか…と素人ながらに考えています。

まさにクリプトエコノミクス。むちゃむちゃ夢があります。

 

信頼スコアのロジックを更新する仕組みはもちろんDecentralizedに行います。

いくつものブロックチェーンプロジェクトで様々なガバナンス(統治)の方法が実践されていますよね。最近、安さんが推しているQuadratic Votingも面白そうです。

理想的な信頼スコアをオープンな場(掲示板など)で議論し、ALISチェーンのプロトコルに定められたガバナンスに基づいて更新するかどうかが決められていきます。

 

2. 信頼スコアのエコシステム

もう一つは、ALISを独自のプラットフォーム型チェーンとして構築し、カスタムな信頼スコアを発行・運用・交換できる「信頼スコアのエコシステム」を創る方法です。

 

そもそも「信頼」というのは、「何において」という前提(観点や目的)が先になくては定義できません。例えば、この人は情報の拡散という目的においては信頼できるけど、本人が発信する情報の信憑性についてはそこまで信頼できない…といったことがあるからです。

そういう意味では先ほどのDecentralizedなロジック更新の案でも「何において」を定めておく必要があります。ALISのホワイトペーパーに従えば、「発信された情報の信頼性という観点において」といった感じになるかと思います。

 

この問題に対して、この二つ目の案では、観点や目的に応じて信頼スコアは無数に提議できることを前提として考えます。

そうなると考えるべき課題は、それら複数の信頼スコアを統一的に扱えるDecentralizedなフレームワーク(仕組み)がほしい…ということになります。

 

ブロックチェーンでいえば、Ethereumは数多あるERCトークンを発行・運用するためのフレームワークとして機能しています。また、発行されたERCトークンが交換されあって流通するエコシステムであるともいえます。

つまり、ALISが目指すべきは、信頼スコアにおけるEthereumです。

個々の観点/目的に応じた信頼スコアを算出・運用するためのフレームワークであり、それらの交換を可能にして流通させるエコシステムを実現すれば、既存の中央集権的な信頼スコアなどとは一線を画すプロジェクトとなります。

 

具体的にどうすれば…ということは私には考えが及びませんが、例えば、ALISは独自のパブリックチェーンとして動かし、その2ndレイヤーとして個別の信頼スコアとそのトークンを発行するようなイメージです。

2ndレイヤーで発行される信頼スコアのロジックは秘密にされているものがあっても構いません。ARCALIS Request for Comments)の規格に則って発行された信頼スコア同士は、市場原理に従って交換できたり、一つの数値としてまとめたりできると便利ですね。

 

いや〜、こちらも夢があります。

まずはALISブログからグルメとトラベルあたりを個別サービスに分離して、独自の信頼スコアとトークンを作って試してみるとよさそうな気がします。

まあ、簡単に言ってますが大変な作業です。

 

❑ Decentralizedな信頼スコアによる未来

私は大学で働いていますが、就活時の学歴フィルタの現実を聞いたりすると、ああ…神様がこの子の普段の様子を採点してくれたらなぁ…と思うことがあります。

ブロックチェーンによって公正でDecentralizedな信頼スコアの可視化が実現されれば、学生たちは普段のがんばりをインターネットにアウトプットしたり、直接インターネット上で種々の活動を展開したりすることで、信頼スコアを得ることができます。

その信頼スコアが就活で利用できれば、学歴フィルタは不要になるでしょう。求人活動のコストダウンのためにフィルタリングをせざる得ない企業も多いですが、受験勉強が得意な人を採りたいわけではありませんから、学歴フィルタ以外の指標があればきっと利用したいはずです。

 

もちろん信頼スコアの使いどころは就活だけではありません。受験でも参考になります。UberやAirBNBなどのようなシェアリングでも参考になります。

PTAやゴミ掃除など、社会を回すためのボランティアが信頼スコアとして加算されていけば、どこかでメリットとして還元されるような社会システムを構築することもできます。

以前にWeb3.0時代の働き方という記事を投稿しましたが、個人の信頼スコアがDecentralizedに可視化されて、立派な学歴や肩書きがなくても実際にやってきたことが評価される世界になれば、個人はもっと自由に活躍できるはずです。

 

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…と、最後の最後に我田引水して終わります。

 

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