今回は「なぜ学校での教科学習において、学習の積極性に差が出るのか」の考察要素の1つである、心のモジュール理論をまとめていきます。
○心のモジュール理論
人の心は、直面する課題・問題によって異なる機能を使い分けているという理論です。
好きな人の気を引きたい時、嫌いな上司の対処をしなければならない時、子どもの将来を考えている時など、人は人生において多くの出来事に直面しそれを解決する必要に迫られます。その時、1つの心で出来事を捉えているのではなく、あたかもアプリを切り替えるように「その問題を解決する専用の心」が活性化するという考え方をします。
異なるモジュールでは異なる捉え方・意思決定をします。ですので、あるモジュールでは不合理に見える行動が、別のモジュール視点で考えると合理的なことがあります。
またこれらは進化・遺伝により決定論的に定まっているものではありません。あくまで強く傾向として現れるもの、「そうなりやすいようにデザインされている」ものであるので、同じモジュールが活性化している個体でも異なる意思決定をする可能性もあります。
これらのモジュールと社会的要因が組み合わさった結果、特有の社会規範が表れることもあるようです。
(参考:「進化心理学を学びたいあなたへ」1章1.4)
○次回
次は心の根源的なモジュールについて、「ケンリックの欲求ピラミッド」を元にまとめてゆきます。










