おはこんちばんは。ねむいぼーいずです。
この記事では私が妄想した妖怪を紹介していて、最終的には100体妖怪を集めることを目指しています。
それではよろしくお願いします。
岐阜の五平餅の名店には毎朝、焼く前の五平餅が大量に届けられる。
その中にどういうわけか一本だけきりたんぽが混ざり込んでしまった。
店主はいつものように届けられた五平餅の入った箱を開けた。
そして一本だけ入っていたきりたんぽに気づき、怪訝そうな顔をした後、隣のカラオケ屋の前にあるゴミ捨て場に捨てに行った。
きりたんぽは泣いた。
声を殺して泣いた。
もう何も出来ない絶望の中にいたその時、思わず体が動き出してしまうような音楽が聞こえてきた。
それはカラオケ屋のモニターから流れているマイケルのPVだった。
モニターの向こうのマイケルはとてもカッコ良かった。
何度も「Pow!」と叫んでいた。
きりたんぽは思った。
「俺もこんな風に踊りたかったよ・・・。ポゥ・・・。」(焼いて欲しかったの意)
そして何かを決意したようにゴミ捨て場に捨ててあったサングラスをそっとかけたその時、妖怪きりたんPow!が誕生したという。
きりたんPow!は主にカラオケ屋に潜伏している。
粋なサングラスをかけた人を受付で見つけると、店員が渡すドリンクバーのコップに紛れて部屋に忍び込む。
何も知らずにドリンクバーに行こうとコップをとろうとしたその瞬間、きりたんPow!に触れると取り憑かれてしまう。
取り憑かれてしまうと、カラオケの合いの手が全てPow!になってしまうという。
最初は笑ってくれる友人達。
しかし、いつしか雰囲気はどんよりとしていく。
重苦しい空気が充満すると、きりたんPow!は満足したようにムーンウォークをしながらまた別のサングラスを探しにいくという。
おしまい。