弁護士が作ったブロックチェーンアプリケーション「BlockRecord(ブロックレコード)」 の試験版がリリースされました。
BlockRecordは事実を証明するためのアプリケーションです。
解説動画はこちら↓
1.テキストを入力する
2.保管したい素材を貼り付ける
3.投稿ボタンを押す
これだけで「誰が」「いつ」「何を」記録したのか自動でブロックチェーン上に記録されます。
ブロックチェーン上に記録されることで改竄の防止、偽物や転載の予防、証拠管理が行えます。
自分が撮影した写真であることを証明したい時。
遺言書を保管したい時。
契約書を管理したい時。
嘘・偽りのない音声をシェアしたい時。
自分が作ったものを公表したい時。
事件・事故が起きた際に証拠を残したい時。
「BlockRecord(ブロックレコード)」 を使えば、オリジナルであること、責任を持って事実であることを証明することが可能です。
*遺言書など一部の書物では現物保管が必要な場合があります。
事実証明について調べていたら「タイムスタンプ」という単語が出てきました。
コンピューター上のタイムスタンプ
ブロックチェーンにタイムスタンプを実装するにあたり、「コンピューター上の」タイムスタンプを設定した場合、設定時間は各々のノードに設定されている時間になります。
これは、個人がコンピューターの設定時間を変えることで強固な事実証明が行われる可能性を大幅に下げる結果になってしまうという大きな弱点があります。
中央集権的タイムスタンプ
中央のサーバーが1つの時間軸を設定することで、基準となる時刻を中央以外は改ざん不可能にし、上記のような個人による改ざんを防ごうという考えです。しかし、これではブロックチェーンが構造上中央の権力を分散させることができずに、ブロックチェーンの理念から乖離した本末転倒な結果に終わります。
また、中央のサーバーダウンにも弱く、結果的にユーザーは中央を信用してサービスを受け入れることになります。
この点をどのようにクリアされているのか疑問に思っていたら丁寧に解説して下さいました。PublicEthereum上のタイムスタンプを取得して対応されているとのこと。
さらに、「事実証明とのことですが、ブロックチェーンで管理された資料は証拠として扱われるのでしょうか?(タイムスタンプの曖昧な部分はどのように解決されるのか)」を問い合わせてみたら、分かりやすく教えてもらえました。
【河﨑様のご回答】
ご指摘の点ですが、「証拠になるか」という議論には法律的には2つのレイヤーの議論がありえます。「証拠能力があるか」という問いと、「証明力があるか(どの程度か)」という問いです。
これらの言葉の定義はwikipediaなどを参照頂ければと思うのですが、民事裁判における「証拠能力」は比較的簡単に認められます。Lineのスクショやメールのプリントアウトにも証拠能力が認められます。これと同じ意味での証拠能力は、もちろんBlockRecordで作成した記録にも認められます。
次に「証明力」ですが、これは0か1かではなく、程度の問題となります。この人が持ってくるLineのスクショはあやしいな、と思われればそのスクショの証明力は低いものとなりますし、メタタグなどで撮影日時が記録されてると言っても、その記録自体を改ざんすることは比較的容易で、実際に大阪地検特捜部がそのような改ざんを行っていたことが発覚し、大きな問題となった例もありました。
BlockRecordの記録の「証明力」がどの程度のものと評価されるかは、これからの私達の努力にかかってくるかと思っています。また、法曹界での認知と議論の広がりによるところかと思います。
ただ、現時点ではTwitter上でコメントいただいた法曹の方含め、かなり強い関心をお寄せいただいており、実際の裁判での活用などを進めていく中で、自然と解決していくのではないかと個人的には考えています。
ブロックチェーンエンジニア「(弁護士側が)自然と解決してくれると思う」。
弁護士「(法曹界が)自然と解決してくれると思う。」
技術・法律共に活用しながら議論して認知を広げていく必要があるのですね。
私はBlockRecordを情報社会の未来を映すアプリだと思っています。
特に政治・メディア・論文・統計用データ・金融情報・インターネット全般へ導入して欲しい技術です。
掲示板など、匿名好きの日本人は阿鼻叫喚することでしょう(私もだけど 笑)。
あらゆるトラブルを予防して、いたずら・ウソ・噂・イジメのないネット社会になって欲しいですね。