10月から東京BRTのプレ運行(一次)が始まりましたので、乗ってきました。
東京の臨海地域における交通需要の増加に速やかに対応し、地域の発展を支える新しい公共交通機関として、都心と臨海地域とを結ぶBRTの運行を計画しています。(公式サイトから)
東京の臨海地域は昔ながらの街並みや更地がありましたが、ここ最近は雨後の筍のようにタワマンが立ち並んでいます。
そうした地域から都心に向かうには地下鉄があるにはあるのですが、需要が増大に追いついていません。例えば、勝どき駅の利用者は当初の3倍にもなっています。
こうしたことから、都心と臨海部と結ぶBRTが計画され、このたび運行が始まりました。
BRTはBus Rapid Transitの略で、日本語にすると「バス高速輸送システム」ということになります。
世界各国のBRTだと、バス専用レーンなどがあり、定時性や高速輸送を確保しているのが特徴です。
4カ所の停留所ということで現段階では少ないですが、2022年度の本格運行時には豊洲市場や国際展示場にも行くようですね。
虎ノ門ヒルズというからには、このビルに乗り場があるんだろうと思ったのですが、このビルからではなく、左にチラッと見えているお隣の虎ノ門ヒルズビジネスタワーの下からバスが発着します。
BRTの駅名標。ダイヤは休日昼間だと15〜30分間隔となっています。
バスは燃料電池バスでした。トヨタの「sora」ですね。
車内はなかなか近代的なデザイン。
ちなみに各席にはコンセントがあるので、電源コードを持っていけば充電もできます。
定刻に発車し、次の停留所である新橋に向かいます。
休日とあって、比較的車内は乗客が多かったです。
BRTと称していますが、バス専用道があるわけではなく一般道を走ります。したがって、普通に信号待ちもあります。
したがって、新橋まで目と鼻の先のハズですが、なかなか着きません。
山手線などが走るJRのガード下をくぐり、回り込むようにして次の停留所、新橋に到着しました。
新橋といってもJRの駅前ではなく、日本テレビのビル裏あたりなので少し離れています。JRの駅から乗ろうとすると迷うかもしれません。
到着から発車まで3分ほど待ったので、ダイヤにはだいぶ余裕があるようでした。
新橋からは多数の客が乗車し、あっと言う間に密状態になってしまいました。家族連れも何組かいて、車内が賑やかに。
新橋を出ると朝日新聞東京本社や築地市場跡を眺めつつ、勝どきの停留所へ向かいます。
やはりいくつかの信号で止まるので、BRTといえどRapid感がありません。
更地となった築地市場の向こうに、勝どきの街並みが見えました。青空が清々しい。
勝どき停留所には、3分ほどの遅れで到着。
ここでどっと乗客が降りました。新橋で乗った家族連れもここで多く降りました。おそらくはー近隣の住民でしょうか。
勝どきを出たバスは終点、晴海へ。
この辺りは下町感のある住宅と新しく建ったタワマンが共存しており、また運河沿いとあって独特の雰囲気を醸し出しています。
途中、併走する都バスを追い抜きました。細かい需要は都バスにまかせて、東京BRTは停車駅を絞っている感じですね。
晴海BRTターミナルに到着。
周りに何も無い…。
いや、あるにはあるのですが、タワマンやオフィスビルから少し離れた広めの空き地に停留所があるので、「なんでこの場所?」という感じは否めません。
あとで東京都都市整備局のホームページを見たら「暫定」とあったので、いずれは別の場所に移されるのかもしれません。
取ってつけたような「晴海BRTターミナル」の掲示がさらに場末感を強めていました。
虎ノ門ヒルズから晴海まで所要時間30分弱。
お世辞にもRapidとは言えず、単に停留所が少ない急行バスというのが実態かと思います。
ちなみに東京BRTのバスは当面の間、京成バスが運行しており、今回乗った燃料電池バスの他に連節バスも運行されています。
虎ノ門ヒルズから出るバスは連節バスの運用がほとんど無く、晴海から出る連節バスも時間が合わなかったので乗れませんでしたが、時刻表上では表示されているので、狙って乗ることも可能です。
鉄道空白地域の補完として走り始めた東京BRTですが、都バスの路線も近隣を走っています。
晴海BRTターミナルのすぐ側にも都バスのバス停留所があり、東京駅八重洲口行きのバスが運行されているので、東京BRTは停留所の少ない急行バスという位置付けになるのだろうと思います。
今回乗ってみた感じでは、私も含めて試し乗りが多い感じでしたので、安定して利用者されるかどうかは今後の運行次第かもしれません。