永光寺(ようこうじ)は、曹洞宗の寺です。その歴史は古く、門前町の総持寺と同じ瑩山禅師が開山した寺です。
法堂(本堂)には山岡鉄舟の書なる、襖書が掲げてあります。
伽藍は典型的な禅寺様式で、山門と法堂をぐるりと回廊を巡らせ、回廊の間に僧堂と書院などが配置されています。創建当時は相当な規模であったそうですが、応仁の乱等で失われた後、再興されました。
回廊は本堂の裏にも伸びていました。突きあたりは伝燈院という建物ですが、それは入れません。その横に出入り口があって外に出られるようになっています。
外に出てさらに山を登るように歩くと瑩山禅師のお墓、さらに登ると五老峯という霊場です。そこには道元などの曹洞宗五哲の遺品が埋められています。
その五老峯の脇に峨山道の入口がありました。
峨山道とは、永光寺と総持寺の住職を兼務した峨山禅師が両寺を通うのに通ったとされる13里(55km)の道です。近年、その道でトレイルランニングの大会が催されるようになりました。
似たような道に私の地元の道宗道(どうしゅうみち)があります。これは、五箇山平村赤尾の行徳寺住職である道宗が、井波の瑞泉寺へと通ったとされる道です。
峨山道をちょっとだけ歩いてみると、すぐに開けたところにでました。
羽咋から七尾へと延びる平野が一望できました。
後ろには整備された登山道が続いていましたが、峨山禅師がわざわざ裏山を登って遠回りしていったとは思えません。正面から歩きやすい道を行ったと思うんですよね。
帰りに正面入り口付近を散策しました。すぐそばを流れる沢は、景観保全工事が施されていました。ちょうど色づいたカエデに遅い午後の光があたり美しく輝いていました。
東屋もありました。遊歩道の先は、永光寺の境内に入らずに峨山道に合流できるようです。うまく周回すればよいトレーニングコースになりそうです。
■峨山道
■総持寺
■道宗道