かつては長逗留ができる湯治場として栄えたようです。今は宿泊は受け付けておらず入浴のみ可です。玄関の料金箱に500円を入れてお邪魔します。
長い廊下を通って、お風呂への渡り階段を下ります。台風の影響かなにかで屋根が損傷しブルーシートがかけられています。その下を通るとお風呂です。
風呂場全体がコンクリート造りとなっています。塗料や壁が剥がれ落ちており、特に手入れもされていない様子です。
宿泊棟から階段を下りて来て、さらに脱衣所へも下りて、さらに風呂場へも下りていく。どんどん地下へと下りていく。
階段を下りたらそのままお風呂にざぶ〜んと。
お湯はすこしぬるめで、ザブザブ入れます。風呂場全体が湯船となっており、洗い場はありません。私は階段を下りたすぐの一番浅いところで、持ってきた石けんなどで洗います。泡が混じってしまうのではと思われますが、とにかく温泉の湧出量が半端なく、壁の小さな穴からザーザー流れ出ていくので問題ありません。
思うにすぐ横が川なので、急に水かさが増して川の水が押し寄せても流されないように、入浴客が安心して入っていられるようにとのことだろうか。
コンクリートの建屋の中で温泉の流れる音がこだまし、浅いところで寝そべっていると安らかな気持ちになります。
列車の中でガタガタゴーゴーうるさくても逆にぐっすり寝られるのは、胎児の時の母親の鼓動や血液の流れる音を記憶しているからだそうですね。
そんな感じで、ここでは半分温泉につかりながら、生まれる前の母親の中にいた自分に戻って無になれるのです。(2018.6入湯)