富山から北陸新幹線に乗って東京に向かう時は、座席は必ず進行方向右側の窓際に座る。天気が良ければ、北アルプス、頸城山塊、信越五岳をじっくり見ることができるからである。
小諸辺りから、空いていれば左側のシートに移動する。浅間山が現れるからである。軽井沢駅を過ぎる頃まで浅間山は間近にずんぐりした姿を見せる。浅間山を過ぎればもう楽しく眺める山はなくなる。広い平野に関東に来たなと感じるだけだ。
2019/5/4土
4:50 1420m浅間山荘
5:40 不動滝
8:35 2524m前掛山 8:55
11:05 浅間山荘
前日は四阿山に登り、道の駅で車中泊して今日は浅間山。浅間山荘駐車場に車を止めて出発する。
登山道は谷を詰めていき数回橋を渡る。橋を渡る時に谷に流れる水が見える。水は赤く見えてちょっと驚く。周囲に草も生えておらず、やっぱり火山なんだと改めて気づかされる。これは温泉水で、浅間山荘もこの水を湧かしているのかしら。
水自体が赤いわけでなく、白く濁った水だ。赤い土のところでは赤茶けた沢となり、岩石のところでは白っぽい。さらに上流の源流域はまた赤くなっていた。
不動滝を過ぎて、急な登りをこなすと特徴のある岩峰が門のように両側に現れる。火山は見慣れないものが次々あらわれ飽きさせない。
火山館を過ぎると湯の平という平原にでる。ここは夏はお花畑となるようだ。
植物が生い茂る湯の平から出ると、ゴツゴツした溶岩帯となりいよいよ山頂への登り。
うんせ、うんせと登って山頂直下に来るとそこにあるのは噴火避難シェルター。火山はいつ噴火するかわからない。御嶽山のこともあるし。
今日はちゃんとヘルメットを持参したが、持ってる人は少ないように感じた。火山館でも借りられるようである。
山頂と行っても、火口付近は立ち入り禁止なので手前の前掛山が現在の山頂。天気も良く360℃の展望を期待したが、残念ながら雲が周囲を覆って展望無し。噴煙がもうもうと上がっていた。
なぜか山頂周辺を燕が群れをなして飛んでいた。バラバラに飛んでいたのが次第に集まってビャービャーと鳴き声をあげる。渦を巻くようにぐるぐる回りながら動いてまたバラバラになる。これを何回も何回も繰り返していた。
燕って軒先でせっせと巣の雛にえさを運ぶところしか見たことがなかったので、こんな山の上に群れでいるものなのかと不思議に思う。
なんのためにあんなぐるぐる飛び回っているのだろう。虫が飛んでるわけでもない。求愛行動なのかしら。ここでつがいになるのかも。
毎年のように海の向こうからここまで群れで渡ってきて、そしてこの浅間山でつがいになって、下界で巣を作り雛を育てる。海を渡り、また浅間山に戻ってくる。浅間山が噴火しようが人間が登ってこようが太古から変わらぬ燕の営み。