NHKスペシャルでJPモルガンの創業一族、モルガン家の歴史を見た。
第一次世界大戦中、JPモルガンはイギリス、フランスに多額の戦費を出資していた。
途中戦況が思わしくないと見たウォール街は投資の元が取れなくなることを懸念し、アメリカ政府に参戦するよう促す。
思惑通りアメリカの参戦により勝利を収めると、パリ講和会議にて賠償金は求めない方向で進めようとしていたウィルソン大統領の意向を無視し、ウォール街の重鎮が中心となり多額の賠償金を求めることを決定。
これにより戦争への投資は大成功となるが、莫大な賠償金を課せられたドイツ国民からは不満の声が上がる。
こののちドイツでは講和条約に反対する政治団体が組織され、その中にアドルフ・ヒトラーも名を連ねるのであった。
第一次世界大戦終結から第二次世界大戦の流れは、戦争をも投資先と考えるウォール街の資本家によって創られたのかもしれない、という話。
日本で言えば、JPモルガンは関東大震災の復興に多額の投資をしている、返済するのに高度経済成長期まで掛かったそうだが、アメリカの投資銀行から借金をしたまま太平洋戦争をしていたのかと思うと何だかなだ。そもそもJPモルガンの金が無ければ震災で東京壊滅から第二次世界大戦をやれるほど力を付けれなかったかもしれない。
世界の動きの根源は全て金の動きである、と考えると恐ろしくもあるが、正義だ自由だなどと言われるよりも論理的であり納得してしまう側面がある。
モルガンJrの言葉
「私の務める特殊な職は私の知る限り世界中で一番面白い、どこの国王、教皇、首相になるよりもずっと楽しい。なぜなら、誰も私をそこから追い出せないし、私も信念を曲げる必要が些かも無いからだ。」
なるほどである、資本主義が広まれば広まるほど、資本が偏れば偏るほど、資本家は神に近づける、そして、それはさぞかし楽しいのだろう。
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NHKスペシャル映像の世紀プレミアム第5集
「グレートファミリー 巨大財閥の100年」