「死ぬってなんだろう」とか「人生の目的は?」のようないわゆる哲学的問いというのは誰しもが持った経験があるのではないか。そういう疑問を持った時に、是非数冊は哲学書を読んで欲しい。なぜなら、哲学とはそのようなふとした疑問に人生を費やした人たちが作り上げた学問であるからだ。
また同時に実用性を考えた時に、哲学はもっとも実用からかけ離れていると考えられることもある。しかし、私は哲学は人生に必須の科目であると考える。「哲学はこのように使える」という実用性とは違うが、「哲学を学ぶことによってこのように考えられる」という実用性があると考える。
哲学を学ぶことによって、私は大きく分けると2つの気づきを得ることができた。人は必ず死ぬという事実と、自分とその他の人との関係性だ。
「人は必ず死ぬ」という気づきの何が得なのか。
今年『死とは何か』というイェール大学の本が流行したが、この事実は当たり前のようで気づいていない部分だと思う。しかし、この事実に気づかないと今という時間を有効活用できない。なぜこのようにいうかと言うと、自分のやりたいことは"いつか"できると考えて"今"を置き去りにしている人が多くいるように思えるからだ。何も意識しないで物事に優先順位をつけると"今"を置き去りにしがちだが、死を意識して行動するときの物事の優先順位は確実だ。
「自分とその他の人との関係性」についても大きな気づきがあった。
永井均さんの『哲おじさんと学くん』という書籍で、自分とその他の人との関係性の話があった。自分の考えが人に理解されないのはなぜだろうと言う始まりで自分のアイデンティティについても語られている。またデカルトは「我思うゆえに我あり」という言葉を残している。これらを通して「自己中」という考え方は悪く捉えられがちだが「自己」以外のことを理解するのは極論不可能なのだと理解した。そして私は「自己中」という考え方をいいなと考え始めた。自己中心的な考え方をするのは迷惑と考える人もいるかもしれないが、それは自己中心的な考えと言うのを勘違いしている。自分の判断基準を持ち、それにのみ則って行動するというのが自己中心的に考えるというだけであり、自分の私利私欲のために他人の利害を考慮しない自己中とは違う。
このように一種の生きる指針のようなものを学べるのが哲学であり、私はその指針こそが人生で重要であると考えるのでこの学問を勧めたい。