チケット不正転売禁止法が本日施行された。
近年、運営側も様々な手立てを売ってきた。申し込み時に氏名を登録し、入場時に身分証で確認をしたり、顔写真まで事前に登録しておくケースもある。
一方で、悪質な転売とは別に、都合により行けなくなった人が、気軽にチケットを譲れなくなってしまった。その対策として運営側は公式のチケットトレードシステムを用意していることもあるが、ガチガチにされてしまったシステムによって利用者側が不便を強いられるケースが増えている。
ライヴ、コンサートによく行く人間として、過去にもどうしても行けずにチケットを友人に渡したり、逆に渡されたりして代理で行くということも多々あった。定価だったが、チケット転売サイトを利用したこともある。
では本来、こんな面倒を掛けなければならないことなのだろうか。チケット転売について、転売する側が悪なのだろうか。
当然、人気チケットを大量に買い占め高額で売りつけるような人間は悪である。そして当然、それを買ってしまう側も同罪ではないか。
音楽好きとして、どうしても行きたい公演であれば高額であっても、なんとしても行きたいという気持ちはわからないでもない。
しかし、だからといって高額転売を利用してしまう限りは高額転売は潰えない。
これから書くことも当たり前のことだが、需要があるからこそ、供給が生まれる。買う人間がいるから売る人間がいる。誰も買わなければ、誰も売らない。
チケットに限らず、転売という商売は「どうしても欲しい」という弱味に浸け込む。
いくら法律が施行されても、抜け穴などいくらでもある。いたちごっこは終わらずに、新たな手法が生まれるだけだろう。
そんな時に大切なのは、一人ひとりの高額転売から買わないという意識しかない。自分だけならという考えがある限り、それは必ず自分へ返ってくる。
もし高額転売を利用しそうになったら、心に問い掛けて欲しい。高額転売を利用してまで見たい相手は、高額転売で購入したあなたを喜んでみてくれるだろうか。胸を張って向かい合うことができるだろうか。
本当にファンであるなら、購入ボタンを押す前に考えてみてはいかがだろうか。
不正な高額転売が撲滅してくれることを、心から願う。