本編はこちら: 契約民主主義
最小5人〜最大100人ではないかと考える。あまりに小さい共同体だと互いに顔見知りであったり、複数回選出されて本業に支障をきたしたりするため、提案によってプロトコルに記述された変数を調節できるにすべきである。
EthereumであればVDFに基づいたランダムな数字を用いて極めて恣意性なく選択できる。例えば、VDFに恣意性が紛れ込みうるのであれば、その仕組みを悪用してDeFiから大量に資金が盗難していてもおかしくないため、DeFiが動いている限り安全と言える。
実装によるが、電子投票の論文に一般的に示されるように、恐喝や結託への耐性が投票には必要なので売れてはならない。
ETH2.0にあるようなVDFをランダムオラクルとして使用できるので、審査員選択に恣意性はなく、提案に対してオンチェーンで国民のアドレスが選択される。Deliberative Opinion Pollのプロセスによると、審査員は教育期間を経る。教育プロセスの恣意性低減の仕組みは前例に学ぶべきだろう。また、ある社会問題に強烈に課題意識のある市民が審査員に選ばれないことが当然ある。したがって、課題意識は審査員教育プロセスの改善に向けられるべきだろう。
あとからキャンセルできる限り対面の脅迫には耐性があるが、貸与は本人の自己責任である。
前提として、民主主義は言論の自由からくる健全な議論により成り立つ。言論弾圧やヘイトスピーチはよくない。さて、審議員はスマートコントラクトによって改ざんの余地なくランダムに選ばれるが、そのランダムに選ばれた審議員が、脅迫を避け信条の自由を担保するための匿名投票によって、専門家を交えた議論を経たのちに、公共に資する提案に意思決定を下すのであれば、1票は1票である。
また、問いを「政治意欲の低い国民から講義・議論・テストを辞退するのではないか?」に変えるなら、それは行政提案によって改善すべき課題であり、プロトコルそのものの仕様に含めるべきではなかろうと考える。
ZeroChainやSemaphore等を用いれば問題ない。また、審議員自身が賄賂を求める呼びかけをすることは単に有罪である。また、必ずしも計算機負荷の高い匿名投票でなくとも、政府は投票先を知っても構わないので、より効率的な方法があるように思える。
レクチャーの内容如何によらず結論がはじめから決定しやすい。それはそういうものかもしれない。というか規模が小さいと民主制にシステムは不要かもしれない。
自治体が沖縄県程度のサイズなら1プロトコルで管理できるだろうが、自治体が日本やアメリカや中国のサイズの場合は、国政のためのプロトコルと、道州制のためのプロトコルを分けることで、「自分と関係のない地域の提案の審議員にはならなくていい」という仕組みにできるであろうと考える。
「憲法は個人の利益に関係ない思想の話になるので冷静な議論ができるが、法律は個人の利益に関わりうるので私利私欲を優先した審議になる」という指摘と解釈した。
法律というのは、ある角度からみると、国家を構成する市民が強調して公共財を維持するためのリソース分配問題の解決と自由市場にまかせすぎたときの市場の失敗の回避のためにあると言える。したがって自己利益と全体利益のバランスこそが政治に必要な考え方であり、「国民を代表した審議において全体利益を審議員全員が犠牲にする」という状況が起こってはならないということがわかる。
したがって、「審議員は全体利益を志向するか?」という命題に置き換え、かつ、それを達成できるような設計のプロトコルにするべきだろう。
日本の国会の平成30年の法案提出件数は237件で、成立件数は102件だった。
月に20件の審議ができれば今の日本の国政と同じ性能であり、活発な改善を望むならそれ以上を目指していく必要がある。最低でも審議員5人と専門家2人を1審議で必要とし、審議員に関しては年内の重複出席を避けるとすれば、審議員は1185人、専門家は最大で474人必要である。ここから読み取れることは、最低でも人口2000人以上の街(東富士のトヨタ街が初期2000人)が必要であり、かつ専門家負担の効率化が最大課題となる。
改善提案でキャンセルすることで被害が小さくできる提案は「一度で完璧を目指さなくていい」ということで問題ない。改善提案をしても金銭的被害が大きくなる提案は「提案者の信頼」「十分な審議時間」「適切な専門家割当手続き(専門家の変更含む)」が必須となる。研究開発や長期投資にそのような案件が多いだろう。
マルチシグによる複数デバイス管理、およびArgentのような部分的カストディ管理を用いれば、紛失耐性がある程度つく。また、友人N人の承認による復旧も可能だろう。
右派左派両方の議論を行うために、ナショナリスト的観点もリベラル的観点も同様に扱われることになる。
審議は棄権することができるものとする。一方でこのモデルにおける参政権を構成するものは審議だけではない。提案・審議・学術、そしてそれらの補助によって政治を補助する活動によっても参政できる。
Q3と同様の理由で参政権がないわけではない。
提案に関して、補助金系の提案であれば、聾唖社でも執行可能性が高いだろう。秘密鍵を他者に渡さないようにしつつ、補助してもらいながら提案を立てることになるのではないだろうか。
審議に関して、専門家との議論のコストが極めて高くなるために、1週間という時間が適切でない可能性が出てくる。ではどのくらいの時間を設ければ適切なのだろうか。おそらく、リモートで状況によらず議論ができることの価値が極めて高くなるでろう。成年後見人による補助も視野に入る。
専門家として、福祉問題に確実に貢献できるだろう。このモデルでは専門家であることも確実に参政権の一形態である。
既存社会を踏襲する。参政権を保証すべきであるが、成年後見人制度のように秘密鍵の管理を委譲することはありえる。成年後見人制度は提案者としても審議員としても重要になろう。
既存社会を踏襲する。現在の日本の法律では、受刑者は懲役中および出所後5年間は投票権がなく、10年間は被選挙権がない。
審議員の投票Txに関してプライバシーを保ちながらスケールさせる方法が論点だ。zkpを使用する方法をGas Costを度外視して実装するのもよいが、今回は「誰が誰に投票したかを政府が知ること」は問題ないので、その特性を利用してより緩い条件で実装することも可能だろう。