こんにちは。福島県白河市で地域通貨プロジェクトを進めている、白河コイン(非公式)です。今回は価値主義について記事を書いてみます。価値主義に移行すると、お金の概念も変化します。
そもそも現在の資本主義社会で流通しているお金とは何なのでしょうか?お金とは、価値を数値化してうまくやりとりするためのものです。お金には価値の保存と交換の役割があります。
お金が無い時代は物々交換でやり取りをしていました。食料が欲しい人と衣服が欲しい人がいたとします。ちょうどよい尺度で交換が成立すれば良いのですが、大型で持ち運べないもの、食品のように腐りやすいものの交換は、それぞれの性質上難しいものでした。そこで価値の媒介物として、持ち運びが容易で、保存が効くお金(時代によっては石や貝殻、金属など)が生まれました。始まりは目的のための手段だったのです。時代が進むにつれ、大変便利なツールであるお金自体に”価値”が生まれてきました。その結果、価値を効率的にやりとりするための手段だったお金が目的に変化してきました。お金があれば何でもできる社会になりました。資本主義としては当然の流れです。
佐藤航陽さんの著書『お金2.0』を読んで、価値主義という概念に気づかされました。現在の資本主義は、役に立つ・儲かる・メリットがあるなどの実用性、有益性を中心にした経済です。価値主義は、感動する・応援する・感謝するなどの内面的価値や、世の中(地域社会)にとって良い行いをするという、社会的な”価値”が重視される動きとなります。資本主義は否定しませんが、現在だとお金(資本)を持っている個人や団体が最も評価されます。価値主義は、個人や団体そのものの価値が評価される社会です。
図を作ってみました。
ネット(SNS)の普及により、個人が容易に繋がれるようになりました。何かのメディアを介し、その人を知るという方法から、直接その人を知るということに変化しました。
個人的には価値主義への移行の中で最重要ポイントと思っている点です。ブロックチェーンにより信頼できる通貨(トークン)を発行できるようになりました。今後はそのトークンが個人や団体と紐づいていき、それが評価の基準となります。※トークンについては後述
モノがあふれている中で、人々の所有欲が低下し、必要なものを必要な時に使いたいという需要が増えています。
情報が分散化し、資本がある大きな組織がまとめなければいけないという状況でなくなりつつあります。
人・通貨・価値・情報がテクノロジーの進歩と共に変化しています。
”価値”を可視化・やり取りをする方法として、トークンが用いられます。トークンは保存性、信頼性、流通性に優れており、第三者に改ざんされることは理論上ありません(非常に難しい)。今後は個人や団体が独自のトークンを発行し、それが交換・流通することで経済が回るようになります。
トークンとは?代替紙幣の事で、ブロックチェーンの技術を利用しています。イーサリアムを基軸としたERC20トークン、WAVESを基軸としたトークン(白河コインもWAVESのトークンです)などで、信頼性の高いトークンを発行できます。
個人や団体が発行したトークンの価値は相対的に決まります。トークン1枚1円と、決まったレートで交換させるポイントとは違います。価格自体が変動する株のようなイメージと考えてください。個人や団体の価値が高まると、持っているトークンの価値自体が上がっていきます。逆に良くない行いをすると価値が下がります。すると、おのずと正しい行動を選択する方にメリットが出てきます。世の中も良くなりそうです。
極端な話、価値がない人など存在しません。価値主義に移行すれば生きてさえいれば何とかなる社会になります。逆を言うと、犯罪を犯した人は生き辛い時代になると思います。しかし、犯罪が割に合わないと思わせるきっかけにもなるのではないかと思っています。
【過去記事一覧】
↓Twitterリンクです