起雲閣も見たし、
次に目指すは、温泉だなぁ・・・と、観光案内所でもらったチラシと地図を見た。
海の見える、結構綺麗そうで、かつ、お湯も良さげな温泉が、来宮より先の網代駅近くにありそうだったので、そこに行こうかと思ったが、営業時間が、16時まででいったん締めとある。既に15時過ぎていた。
ダメじゃん。
思い浮かぶのは、日航亭しかない。
お湯は、徳川家康が好んだ大湯とよばれるお湯の源泉のもので、源泉かけ流し、水も加えてないという、濃厚な温泉のようだが、施設がかなりぼろそうだった。
古いではなく、ぼろい感じ。
・・・・時間的にも方向的にも、日航亭しかないな・・・(調べてないし。他。)
起雲閣で、坪内逍遥に関する資料を見ていたら、近くのお寺にお墓があるようだったので、せっかくだから、そこを見てから行くことにする。
途中、時折、お店があるが、だいたい住宅で、人もあんまりいない。というか、数人しか人を見かけず。
暑いな、信号待ちも日陰はないのかと横を見たら、なんだかこういうの、以前、色んなどこかで見た感じがする、、、という景色(景色って違和感あるな)があった。
この道でいいのかなーとかなりざっくりした地図を見ながら、細い坂道を行くと、海蔵寺が現れた。。
人いないねー
こういうのって、見てしまう。
お寺の人が、庭の手入れをしていた。
特に変わった雰囲気はないが、きちんとした、清潔感のあるお寺という感じだ。
お寺って、普段は閉まってるところが、神社と違うよな・・・この違いについて、考えたことなかったな、と思った。
奥の方に、坪内逍遥の墓があるのだが、墓石のことが説明書きに書かれていたのを思い出して、まじまじと見たが、色が鈍い。さっきの庭の石と同じ種類の石なのかな。
墓石を背にして、風景を見たが、普通の建物が乱雑に立っていて、視界が遮られていた。昔は海まで見えたのだとしたら、視界悪くなって、つまんないでしょうね、と思った。手を合わせてから、お寺を後にし、こっちの方かなーくらいの感じで歩き出したら、目に入ったものがあった。
双柿舎、行ってみたい!と思って、こっちかなーとまた、適当に歩いたが、入り口がわからず、改めて、自分が撮った写真を見返して、ああ!
日曜だけじゃん、開いてるの~~~
適当に歩いていたが、日航亭には近づいていたので、日航亭を目指す。
日航亭のある道にはいると、説明書きが大きく掲げられていた。
徳川家康がお気に入りのお湯で、天下を取る前に、お忍びで来てたことや、京都の伏見城にいたときにもここのお湯を取り寄せて、参勤に来ていた吉川広家にもあげてたことが書かれている。吉川広家って人は関ヶ原の戦いなどで活躍した人だけれど、多病で、熱海のお湯を欲しがっていたらしい。伏見から湯桶を大阪に舟で運ぶとか、相当な貴重品だな。
出世の湯、子孫繁栄の湯・・・
中が何となく想像できそうな外観。
この石の門はどういうことなんだろう・・・
以前は旅館(昭和16年創業)だったらしいが、今は日帰り温泉。
なぜか、不安になる。
カップルが一組入って行った。
のろのろと入ってお金を払い、靴箱を見ると、有料ロッカー。
すると受付の人が、あっちに無料の靴置き場があると教えてくれたので、そこに靴を置きに行ったら、金髪の団体がやってきた。
金髪と言っても、今どきの言い方では、ミルクティーブラウンとか、その手の、明るい茶色。
外国人観光客のグループか・・・・
脱衣所に向かい、入ると、冷房は軽く効いていた。見るからに古くて、ロッカーも錆が。
後から来たさっきのグループが入って来た。外国人ではなく、髪を明るく染めた日本人グループだった。
お客は少なく、若い子ばっかり。それこそ20前後の。
グループの女の子が
「いい温泉に行くと思ってたからシャンプー持ってこなかった~」と言う。
・・・いい温泉というのはどういう温泉のことかはイメージつく。
確かに千円で、いわゆるいい温泉の日帰りもこのあたりはいくつもあるはず。
「リンスインシャンプーとか、マジ怖いんですけどー」と言い合っていた。
この温泉はビーチからも近いので海から来たようだったが、(砂があちこちについてるとか言ってた)なぜここにしたのだろうなぁ。
若い女の子好みとはいいがたい。
屋内のお風呂、光の入り加減が良くて、古くても悪い感じはなかった。
露天風呂も、それなりに清潔にしていたし、とにかく人が少なかったのが良かった。
お湯は熱くて、女の子たちも、つぶやくように、熱い熱い言っていた。
本当に熱い・・・・
徳川家康は何を思って浸かっていたのかなぁ、と考えようとしたが、わかるわけがないが、それ以前に、この熱い湯をどう楽しむか、そうそうに逃げ出さずに・・・という方に気持ちがいってしまう。
まぁこれくらいでよいだろうと、ちょっと出たり、湯船変えたりしながら30分くらい過ごした。
お湯に手を入れた時に、あつっつい!!あつい!という熱さではない。
熱いけれど、入れる、普通に入れるレベルなのだが、すぐに、全身が熱くなる。
これって、めちゃくちゃ保温効果の高いお湯?・・・
傷に効く塩化物泉の効力と、すぐに体をあっためて、あったかいのを維持させるお湯は、確かに、戦国時代の人には向いていたのかもしれない。
成分的には傷や肌疾患に効いたり、美肌効果もあるらしいが、そこらへんを感じるよりも、徳川家康を思って、出世の湯の効果を得た方が良さげ。
日航亭については、下に貼った記事がわかりやすい。中の写真も、見たまんまに近い。
(しかし、お湯の色はここまで明るい青ではないし、湯船の周りの緑もそこまで目を楽しませるものでもないけれどね。しかし外観で思ったよりは良かったし、体験できたことが良かった。変にしゃれてない割には、昔ながらの温泉らしい、いい雰囲気があった。)