「ノマド」いいっすよねえ!「新しいワークスタイル」いい響きっすよねえ…!
ノマド(nomad)は、英語で「遊牧民」の意味。近年、IT機器を駆使してオフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しいワークスタイルを指す言葉として定着した。このような働き方をノマドワーキング、こうした働き方をする人をノマドワーカーなどと呼ぶ。
モバイル端末があれば、どこでだって文章が書ける、アレが出来るコレが出来る!自由だ!これが真に新しい生活なんだ!……というわけで、憧れに導かれるまま、これまでワタクシは数々のモバイル端末を探し求めてまいりました。
そうして、ふと気がつけば相当に立派なガジェットオタクに。家の中にはうず高く山のように積み上げられたモバイル端末の数々が。
いやこんなん、悲鳴出ますわ。
……時は過ぎ、いまやスマホ一つでクラウドワーキング、そんな時代になっちゃったわけですけど、部屋の片隅に積みあがったオールド端末の山を見ながら、ある日、ワタクシは思い立ちました。
もったいないから、こいつらでどこまでブログが書けるのか試してみよう
実際、どこまでノマドワークできるんでしょうか。さあブロガーの皆さん、参考にしてもいいんですからね?ひょっとしてブログ書きにぴったりの端末が、IT史の隙間に眠っているかもしれません。
では、さっそく端末を持ち出して、記事を書いてみましょう。まず最初は、「モバイルギア」から。
「モバイルギア」はNECが発売していたハンドヘルド端末(キーボードつき端末)です。今回用いている端末はモバイルギアシリーズのうち、Docomoのキャンペーンモデル(Mobile Gear Ⅱ for Docomo 1999年発売)。
実に20年前の端末、まさに前世紀の遺物になります。OSはWindowsCE 2.01。iOSやAndroid以前に、マイクロソフトが出していたモバイル用のOS。ワードやエクセル(の当時のモバイル版)もプリセットで入っているから、そのまま文章が書けるよ!
CPUは100MHzぐらい(非公開)、RAMは8MB。そしてモノクロ画面。
この記事はノマドワークってことで実際に喫茶店で書いてるんですが、端末を卓上に広げた瞬間、ざわっと周囲から奇異を見る目が集まるのを感じました。「うわ、なにそれ、ワープロ?」みたいな……。
しかし、こいつはモノクロ液晶であるかわりに、なんと単三の乾電池2本で30時間も稼働するという代物です。なので、バッテリーの劣化なんて気にする必要がありません。発売から20年という歳月を経ているのに、現役バリバリ。つうか、久しぶりに電池入れたら完全駆動したのでびっくりしました。
ワープロの「文豪」シリーズで鳴らしたNECが製作した端末だけあって、文章入力に関してはずば抜けた能力を発揮します。ほら、この記事だってススイのスイ。余裕のあるキーピッチにストローク、長文だってへっちゃらです。CPUやメモリは今となってはかなり、どころか相当貧弱ですが、文章打ち、変換にはまず問題がありません。
20年前、新聞記者たちが報道現場でこの端末の取り合いをしたという逸話が残ってるんですけど、それも頷けるってもんです。いまでもこのモバイルギアのシリーズはガジェットオタクや一部の文筆家には評価が高く、完動美品はヤフオクでも結構な高値がつきます。
あれ?コイツいまでも現役で使えるんじゃね?もう記事も書き終わるじゃね?
……一つだけ困った問題があります。いまやこの端末をネットにつなげるのは至難の業だということ。この端末用のLANカードを探してくるのも一苦労ですし、またモバイルギアシリーズにあった電話モデムもDocomoのキャンペーンモデルなために塞がれてます。USB?……なんて挿せるところはありませんよ?(赤外線通信ができるらしいですが)
じゃあ、メモリーカードに保存して文章データを移動すればいいじゃない。なんですが、これ、挿せるカードはコンパクトフラッシュなんですよねえ……。
皆さん知ってますか?覚えていますか?コンパクトフラッシュカード。カードリーダーは……マルチリーダーだったらまだかろうじて対応してるでしょうか?
ってなわけで四苦八苦して、家探ししてカードリーダーを探し出し、文章データを移行して、ALISに投稿です。
どうですか?モバイルギア。あなたのブロガー生活のお供に。
(このシリーズ多分続きます)
あれこれのモバイル端末でALIS記事を書くシリーズ