現行案件がちょっと落ち着き、DefiやRyodanのコーディングに戻ろうと思います。
一度僕の考えや履歴も紆余曲折があるのでここでチェックポイントを作ろうと思います。
とりあえず結論から先に言えば、現在パブリックブロックチェーン、暗号/電子署名の可能性にBetしてるリバタリアン/プログラマです。自分の考え方については本文一番下に書きます。
3年ほど仮想通貨界隈で色々なコードや色々な記事を書きましたが、ざっとネット上の活動だけをまとめるとこんなカンジの履歴です。(セキュリティ等の仕事をしてる為)
(1)スマートコントラクト 上のファジィ論理を用いた順列(優先順位づけ)への合意システムの考案と実装
https://drive.google.com/file/d/0Byfip8OWHiVLbklOUjhZZnNIeTQ/view
(1.5) バブルが来たのでアビトラ機会が目に見えて増え、トレードBotを2機ほど作り動かす
(2)OAuth、TwitterAPIを用いた200行程度のブロックチェーン
https://steemit.com/ja-blockchain/@programmer0/twitter-oauth
(3)人事・権限システムのスマコン(会社をイーサリアム化した話)
https://www.geomerlin.com/blog/etherize.html
(4)Ethereum関連の記事を沢山書いた時期
イーサリアム-セキュリティの雰囲気と実際
ブロックチェーン-プライバシーの偏見と実際-
99%ビザンチン耐性アルゴリズム解説
(5)Twitter上で(2)を大規模?に実験として動かす
(これはtxとなるツイートがブロードキャストされ、TwitterAPI検索で引っかかるとブロックチェーンに取り込まれて色んなTwitterユーザーにマイニングされるDapps?)
Twitter: https://twitter.com/search?q=%23twicashtest&src=typed_query
紹介記事:https://alis.to/mozk/articles/3D4OBElg8nyd
(6)(5)を小規模ブロックチェーンゲームにして動かす
https://www.geomerlin.com/blockchain/index.html
(7)プロダクトクラウドセール(PCS)のWP公開。ICOをNFTによって改良する提案
PCSホワイトペーパー
サーバーサイド仕様
(8)EOSに熱狂的にハマり始める。
(9)5つほど記事を書いた。(記事の活動はこれ以降あまりない)
各通貨には何%攻撃ができるのか?(BTC, ETH, XRP, EOS)
ビットコインの地政学的文脈
(10)スカウティングICO開催 (~70問目まで完了)
これはNFTを使ったブロックチェーン上の会員権の流通です
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000041991.html
(11)Ryodan公開(現在EOS上で稼働、Ethereum近日対応)
(開発会社のToyCashはBitflyerの人気投票で賞をもらった!)
Ryodan:https://www.ryodan.io/#/
この他にもフザケタ記事も沢山書いてますので、よかったらマトメ見てください。
(リアルの活動や営利活動については問い合わせあれば、言える範囲で答えます!)
ALIS: https://alis.to/users/superparanoid
Medium: https://medium.com/@leonahioki
PRTimes: https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/41991
Qiita: https://qiita.com/leohio
Steemit: https://steemit.com/@programmer0
他平野サロンd10nやIndivサロン、Stirなどサロンやメディアに寄稿
===仮想通貨・暗号資産・分散台帳に対する考え方と紆余曲折===
結論は上に書いた通りで、より詳しく言えば、パブリックブロックチェーンによる金融資産とシステム的リソースへの安全で自由なアクセスが文明/人類に非常に有益だと考えています。
2012年に初めてビットコインとブロックチェーンの仕組みを聞いた時、何が凄いのか全く意味が分かりませんでした。当時大学生でコンピューターの活動も株もやっていて、Webにも金融にも興味があったはずですが、全然分かりませんでした。
何年か経った後、イーサリアムの仕組みを聞いてやっとパブリックブロックチェーンのコンセプトを理解することができました。
その為か、当時同じくらいの時期にブロックチェーンを理解し、ICOプロジェクトを立ち上げていた人達が書いたWhitePaperを読み漁るようになりました。当時は本当に「各企業が出した仮想通貨がエコシステム内で株券と通貨の中間の存在として決済にも資産にも使われるようになり、信じられないくらい細かいマイクロエコノミーと流動性が実現する」と本気で考えていました。
ボラティリティの高くて用途が限られている資産を通貨として使う理由はなかったのですが、本当に大量の企業がどこもかしこも、まるでウェブサイトを立てるのが当たり前にように自社通貨を発行すれば起こり得るのではないかと考えていました。実際猫も杓子も自前通貨を作ろうとはしていましたが、それらを全て運用する性能は期待されていたEthereumにはありませんでした。ICOはその技術的現実を露呈し始めたのと同時に強い規制がかかり、ほとんどが目標を達成しませんでした。
しかし、ICOはホントにダメで詐欺にしかならないのでしょうか?
良いか悪いかは別として、ICOは今までこの世で起きたことのない現象を作ることができました。それは例えば「日本のファミレスで暇つぶししている大学生が外国のプレシード案件に多額を投資する」という現象です。プレシードとは会社を作ったばかりのベンチャー投資フェーズであり、VCでもほぼ参加せずエンジェル投資家が主に活躍するフェーズです。ほとんどその道で生きてる人しか来ませんし、ましてや海外のプレシードにお金を出したことがある人なんてほとんどいないはずです。しかし、実際に起きた現象は、その海外プレシード投資を大学生や高校生がやり始めたのです。異常な現象としか思えません。海外から日本への方向で同様の現象ももちろんあったでしょう。
この力はそれこそパブリックブロックチェーンによってもたらされるものです。今まで、例えば若者向けのプロダクトでクラウドファンディング立ち上げても、外国人からの入金はなく、若者が少ない国内でしかファンドできないのでほとんど集まらないみたいな状態だったものが、世界中の人間を対象にできるというインパクトは凄まじいものです。これを一度過剰流動性現象と呼びましょう。
良いことに使えば文明に大きく寄与するでしょう。日本の先端少人数のガン治療の研究に世界中から資金が集まるとか、ゴビ砂漠の緑地化のプロジェクトにお金が集まるとか。
ICOの欠点がなかなかそれを許しません。作るもの通貨である必要というのはあまりに大きな弊害をもたらします。変てこな数式を使って手数料を決めたり、新規通貨発行の仕組みに訳の分からないコンセンサスアルゴリズムを入れたり、無駄なことを沢山プロジェクトに技術的に取り入れることになってしまい、腐らせてしまうでしょう。
現在仮想通貨/ICO設計での「勝ち筋」というのは3つほど観測されます。これの共通点はボラティリティが関係ないということです。というよりボラティリティがあった方がいいくらいの設計です。
1)SoV
ビットコインが代表的ですが、希少性にセキュリティや知名度など何か存在意義を加えることで値上がり/貯蓄を目的としたトークンにすることです。ボラティリティが高くても決済に使うことが多い訳ではないのでOKです。
2)ガバナンストークン/証券
MakerDAOは分散ステーブルコインを維持する決定権と配当権がトークンで決まっています。これは株とかなり近い仕組みであり、証券性が非常に高くなります。が、ボラティリティの影響を受けません。
3)取引所トークン
バイナンスコインBNBが筆頭になりますが、もともとリスクを好むトレーダーが集まっているので、ボラティリティがあってもより好まれるだけでしょう。明確な需要に応えるものです。
このように過剰流動性現象をその特有の欠点を作らず成功しているプロジェクトはそれなりに沢山あります。
作らない方法として、僕は上記のNFTによるクラウドセールを提案しました。会員権やライセンスをブロックチェーンで売る方法です。
PCSホワイトペーパー
上の「勝ち筋」みたいなものを増やしていくことがクリプトの成功の鍵になるのではないかなと個人的には考えています。多くの多様なプロジェクトが自分で資金をファンドしたあとで、各々の勝ち筋を選べるようになれば生存率も上がるのではという仮説です。
ICO/パブリックブロックチェーンの過剰流動性はあまりに強力な性質であり、これを上手く活かそうという動きは今後も続くと思います。STOもIEOもそれらのうちです。
(IEOのコンセプトは「取引所が精査するから安心なICO」ですが、2017年に「上場したから詐欺じゃない詐欺」というポンジスキームを海外取引所が率先してしかも有料で推進してしまったので、本質的な矛盾を覚えてしまいますが、個人的なリバタリアンの信条から「やめろ」とか「やめさせろ」とかは言いません。好きになれないです。)
しかし、その後、ICOの欠点は補完できても、ブロックチェーンの欠点である性能とプライバシーを補完できないと意味がないので、それらのリサーチに多くの時間を使いました。Ethereumのオフチェーンに関するものです。今はTEEというハードウェアレベルによる拡張を使ってスケールする方法や、EOSを使うことで補完しています。もちろんEthereum2.0は大きな期待をして待っていますが、時間がかかるでしょう。
結論ですが、パブリックブロックチェーン(クリプト)のもたらす人類社会への恩恵はやはり巨大です。
(1)有益なプロジェクトに世界中から素早く資金が集まること
これは上述のものです。
(2)検証可能なアプリケーション(Dapps)
例えばあなたがパキスタンに1週間滞在したとして、地元のアプリケーションがとても便利と評判だとします。そこに色々な個人情報などを送れたりお金をデポジットできたりするでしょうか?僕ならもしそのアプリケーションがEthereumで作られて検証可能であるなら安心して使い始めることができます。ネームバリュー不足で使われないアプリケーションは沢山あるのでは?EthereumやEOSはブランディング可能なプラットフォームにもなるでしょう。
(3)Defiなどによって信用のない人にもすぐにローンが組めること
銀行からお金を借りれない人間までをUnbankedと呼べば、世界のかなりの人間がUnbankedでしょう。現行の金融構造下の格差においても、クリプト/Defiという選択肢が必ずあるという重要性と安心感は過小評価されていると思えます。
(4)オープンソースのマネタイズ
オープンソースプロジェクトは基本的にコピーを許しながらも先頭を走ることで価値を持つことになるので、極度に知力集約型のビジネスになります。これがこれほどまでに大規模にマネタイズされたのはビットコインが初めてかも知れません。
(5)新しいコミュニケーションが生まれること
実はネットは結局言語で分断されています。ウェブの活動がグローバルであることの必要条件はマルチリンガルです。しかしながら、クリプトの世界では英語が苦手な人でも割と一所懸命英語の記事を読み、外国人とコミュニケーションをとります。これはトークンを元にしたインセンティブ・・・要するにお金という明確な目的があるからお互い協力プレイが生まれるわけです。パブリックブロックチェーンはグローバリズムを自由な形で強力に推進するものになるでしょう。個人が活動できる範囲はやはり大きく広がりそうだなとテキトーに直観しています。