「これからネットの時代」はSNSでよく話されます。あ"ー、大丈夫です。ここはルノアールじゃないので勧誘はしないです。
この話は非中央集権ウェブやWeb3.0の話ではありません。もっと近い変化の話です。
これはウェブ広告の変化の話でもありません。もっと本質的なウェブの話です。
クラウドやSaaSのプライバシーの話ほど、ネガティブな話ではありません。
まず、この画面はなんでしょう?
Windows10ですね。おそらく誰もが知っている画面でしょう。
ではこちらを知っていますか?
Linux OSですね。Ubuntuという種類です。オープンソースということもあり、シンプルな見栄えのOSです。Ubuntuをインストールすると、パソコンを立ち上げた時この画面が出てきます。
ではこの画面は知ってますか?
そうVMwareの仮想マシンですね。Windowsの中に仮想コンピューター作り、Linuxをそこにインストールして、立ち上げています。Linux内のプログラムは、外のWindowsには影響できないようになっています。いわゆるサンドボックス(砂場)です。
ではこの画面はなんですか?
これは僕のUbuntuからGoogle Chromeを立ち上げると最初に出てくる画面です。壁紙はかっこいいツバメのマークに設定しています。このChromeのようなブラウザは中で動くJavaScriptのプログラムが外のOSに影響しないように作られています。いわゆるサンドボックスです。中では仮想マシンが存在し、JavaScriptが機械語になってブラウザの中を動かすよう走らせます。
これはブラウザの中にあたかも普通のOSが入っていて、色々なプログラムが実行できるシステムです。
ブラウザほどこの10年で進化したソフトウェアはないのではないでしょうか?10年前はネットで調べものや遊びをするためのものだったのですが、今では、様々な仕事をブラウザの中で出来ます。そして、違うパソコンからでも、ログインすれば即座にいつもと同じ状況が再現されます。今ではLINEのようなアプリケーションもブラウザ上で呼び出せるようになり、どんどん通常のOS環境と近い機能をつけてきているのです。
さて、この傾向がさらに大幅に加速することが分かっています。その理由は
にあります。
これはFirefoxのメンバーでJavaScriptの創始者Brendan Eichによって始まりました。Javacript中心のウェブサイトを代替し、高速化するだけでなく、不特定多数の言語からWASMにコンパイル可能になったことで、ウェブ開発はJavaScriptを書かなくても出来るようになるということです。WASMが色々なブラウザの上にソフトとして動くことにより、ウェブサイトとアプリケーションの違いはなくなっていくでしょう。ウェブサイトとは即時ダウンロード可能なWASM形式のソフトウェアになるということです。
WASMはどのような環境であれ、ブラウザ上で動きます。これは、WebあるいはブラウザがWindowsやMac OS X、Linuxのような一種のOSとなることを意味しています。
さらにWASMでは既存のブラウザ+JSにない並列化やI/Oの実装が可能であるため、現OSで行われている低レイヤーの処理をブラウザ上で動かすことをコード可能にすることができるかもしれません。簡単に言えば、※JSではOSを書けませんが、WASMではOSを書くことができます。(※OS.jsのような特殊な事例を除き)
このムーブメントが速く来ることにはある程度の自信をもたせるのは次の点です。モバイルでもJSのみのサイトより数段高速で動作し、それを開発する際にある程度好きな言語を選べるのです。さらに、WASMは次のウェブの段階とよばれるWeb3.0の主役、イーサリアム(そしてEOSも)がこの形式を基準にすることになるのです。
当然、ブラウザで今まで仕事ができていたように、ブラウザの中にある開発ツールで、ブラウザで動作するソフトウェアを作ることが出来るようになるでしょう。
ブロックチェーンともつながる話で、数年後のWebは今のWebではありません。
書いた人:極度妄想(しなさい)