前回は農薬の安全性について思う事を書かせて頂きました、今回は有機野菜のエネルギーについて思う事を書きたいと思います。
僕の周りでは有機野菜とは、健康的で農薬が散布された野菜である慣行栽培の野菜は不健康的なイメージを持たれている消費者が多いように思います。
有機野菜は印象がオーガニックと言うワードにリードされ「オーガニックは健康的だよね」のワード先行方で、有機野菜=健康的、と、言った印象が強いと思います。
また、そんな印象を持つ有機野菜は栽培方法の話やトレースの話にもなり関心の高さが伺えます。
有機野菜の栽培方法は自然の物を使っていて無農薬だからとにかく健康に良いと言ったワードが共通言語として市民権得て、多くの消費者は有機やオーガニックを健康と結びつけてしまいがちな世界観が存在します、しかしながら日本の有機JAS規格では人体への安全性の影響や健康への効果などは一切うたわれていません。
この様に有機野菜は有機野菜と言うだけで兎角多面的思考を生み出す野菜と言った面があり、農家としても腕の見せ所となって、より豊かな食を提案できるのではないでしょうか。有機野菜は科学の進歩と共に産地ならではの特色(気候や土や水や土地ならではの農業資材etc)が出やすく、多種多様な食の世界を牽引して行くと僕は思います、これはお米が分かり易いと思いますが、同じ品種の米でも土地が変われば食味は異なりますよね、この違いを楽しめるのは食の醍醐味の一つではないでしょうか。
ここで健康的なイメージがある有機野菜の栽培方について、有機栽培と自然栽培とオーガニック栽培と無農薬栽培の違いを簡略に纏めたいと思います。
有機栽培とは?
有機物を用いた農法であり農薬も使います。
植物に必要な三大栄養素である窒素、リン酸、カリウムや、微量要素であるカルシウム、酸素、水素、炭素、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、モリブデン、銅、塩素、ニッケルなどの栄養素が必要なのですが、これらの栄養素に対して日本国では化学的に合成された物質を避けて栽培するといった基準が定められています。
そして意外と知られていないのですが、有機栽培でも農薬は使います。
有機栽培での農薬とは、自然界に存在する除虫菊(蚊取り線香の原料)や銅からなるボルドー剤(ボルドーワインの産地ボルドーから名付けられた)などが原料の農薬でありEUのオーガニック栽培でも使われています。
有機JASや有機栽培の基準について詳しく知りたい方は、農林水産省で詳しく定義してますのでそちらをご覧下さい。
オーガニック栽培とは?
オーガニックは直訳すると有機、なので有機栽培にあたります。
オーガニックは語源がギリシャ語で欧米でのオーガニックの基準と、日本の農薬や添加物とよく比較されますが、要は有機栽培と同じです。
自然栽培とは?
種を蒔く苗を植える、それ以外何もしない栽培方法。
各国で基準化されている有機栽培(自然農法と言ったりもします)の様に自然栽培に対して日本は明確な定義はないのですが、自然栽培は僕が思うに、土づくりや肥料の散布は勿論、水やりや草引きなどの栽培管理を一切せずに作物を植えたその土地の自然界に栽培の全てを任せる栽培法が自然栽培かと思います。
言い換えると種まきと植え付け以外に人は一切手を付けず自然環境任せ、地球よ後は宜しく!ってのが自然栽培ではないかと思います。
ただ、自然栽培や自然農法と言われる栽培方法では肥料となる米糠や油粕などを植物への肥料として与えて栽培し、これを自然の恵からなる自然栽培と位置付けしている栽培家もいます、しかしこれらは有機栽培の系統に入ると思います。
自然栽培は有機栽培同様に微生物や菌など土壌生態系の研究やリサイクル資材の利用など循環型農業に力を入れている栽培法で、これも先に述べた有機栽培と同様に多種多様な食の牽引要素を含んでおり、これから更に伸びる栽培法であると思います。
無農薬栽培とは?
化学合成された農薬を使わない栽培方法です。
厳密に言うと先ほど述べたボルドー剤などは有機栽培でも使われているので安心だから使っていると言った具合で使う栽培家もいますが、基準からすればそれは無農薬栽培ではないと言った具合になります、一般的には化学合成された農薬は使わない栽培方法として無農薬栽培は認知されているのではないでしょうか。
また、無農薬栽培では農薬は使わないが化成肥料は使ったりします。
勿論化成肥料も使わない栽培家もいます。
農薬については前回書いてますのでお時間ある方はまた読んでみてください。
如何でしょう?
有機野菜と言ったワードから、栽培方法を覗くとその他の派生ワードが表れ何がどう健康的なのかカオスな状態になるのも頷けます。
そして有機野菜の世界感は広く世界各国で第三者機関が設けられ、ビジネス化されている点でも関心の高さが伺えます。
言い換えるとそれだけ話題性がある野菜なんだと僕は思っています。
企業も植物のファイトケミカル研究で有機栽培の野菜は栄養価が高い事を証明し、付加価値製品を販売しているのも有機野菜の持つ魅力です。しかし栄養価が高い事は科学的に証明されていますが健康に良いや安心安全とは言えないのです、例えば農薬を散布していたらつきにくく、目に見えにくい0.数ミリのダニが野菜についていてそれを食べてアレルギーが出ることもあります、これは安心安全とは言えないです。
しかし含まれる栄養価の高さや農薬を含め、化学合成資材を使用しない栽培の質にこだわりのある消費者には最高の野菜かと思います。
また、ファイトケミカルは、栽培現場でも細胞壁を強くするので虫にやられにくく、薬に頼る事を減らせるメリットがあります、その分土づくりや環境、資材コストや栽培労力が高まったり、安定的収穫量が見込めなかったりなど、価格が高くなる面は消費者デメリットに繋がります。
有機野菜を食べると何故か健康的な気持ちになるのは僕達が住んでる美しい地球のエネルギーをより多く美味しく摂取できる。そんな目に見えないエネルギーが入っていて心からより美味しくさせるのではないでしょうか。
有機野菜はそんなエネルギーも提供してくれる高次的な野菜と僕は思います。
ここまで読んで頂きありがとうございます。