ASIC自体は皆さんご存知だと思います。
「application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路」の事で、マイニングの文脈でいえば、特定のアルゴリズムに対しての演算に特化した集積回路の事です。
ASIC耐性は、その演算を複雑なものにして作成を難しくするか、何らかの理由で作成できないものを指します。
何らかの理由で作成できないという点について説明します。
具体的には、特定アルゴリズムに依存するマイニングではなく、定期的にもしくはランダムにマイニング演算を変更する仕組みを用いている場合、ASIC開発に投じた資金の回収を行える見込みが立ちませんから、開発自体が行われないことが期待されます。
では、そのASIC耐性がなぜ必要とされているのでしょうか?
私の理解では、マイニングの分散化です。
ASIC自体、開発に多くの資金が必要なので大規模な資本投入の必要があります。そうなると中央集権化が高まる可能性があります。
電力が安い場所にマイニング企業が集まる事と同じく、開発資金力を持っている集団が効率のいいマイニング機器を開発できる可能性を持つのですね。
地理的な分散化、マイニングに対する参入退出の分散化、銘柄の分散化(思想の分散化)という点が良しとされるのであれば、中央集権化は避けるべき物だと考えられます。
PoSは「富めるものが益々富む仕組み」という批判があります。さらには当該仮想通貨を持つものしかステークに参加できず、ステークしたものにのみ報酬が与えられる為、コミュニティを広げることにつながりません。
一方で、ステークしている仮想通貨は実質的なガチホであり、市井に流通している枚数を減らし価値(価格?)を上げる効果があると私は考えています。さらには効率的なステークの方法はありませんので実質的なASIC耐性とも言えるのでは?
「ASICが開発資金力を持っている集団の中央集権化であるというのであれば、PoSはFIATを持っている集団の中央集権化にならないのか?」
というご意見はあると思います。
私としては「ASICは特定のアルゴリズムに賭けている、一方PoSは特定の仮想通貨に賭けている。PoS通貨を多く買い集めて大きな影響力を持ったものは正当な取引(又は開発陣等の初期保有)を経て得た地位である一方、ASICはある仮想通貨が駄目なら他の仮想通貨を掘るという事が可能。だから中央集権化を悪とするのであればASICの方が影響が大きい」という意見です。
市場経済を元にする(=開発陣等の初期保有を考慮外とする)のであれば、PoS通貨実物の偏在が進んだとして、それは正当な取引の結果だと思うのです。
これは相対的な話で、より中央集権化と言えるのはASICではないか?という判断になります。
では、世間が「ASIC耐性をつけるべし」という論調かとそうでも無いようで。
Question #2
ZECはASIC耐性を取り入れるのに70%が反対
このような選択もあります。
この決断に「ZECを売った」という人もいれば、歓迎するという人もいるようです。
歓迎する人はASICを必要だとしており、ハッシュレートの向上つまりはネットワークのセキュリティ向上の観点を見据えているようです。
マイニングから離れるPoSというASIC耐性もあれば、XMRのような一般的(?)なASIC耐性もあります。
それを良しとするか否とするかは仮想通貨を持っている人次第です。
私はマイニングには量に限界がある資源が投じられており、あまりに細分化するとすべての選択肢が弱いものになる事は意識しています。
参考
ASIC Resistance Increasingly Hot Topic in Crypto as Monero Forks
Forking for ASIC Resistance: A Monero Case Study
ではでは
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