BaaSの動向とか見ていると監査程客観性を要しない分野ではDLT(か、コンソーシアムチェーン(プライベートではない))を素早く作る、という点がビジネス面ではアツくなると思ってます。(まだ、です)
最近私が注目しているニュースに、監査法人によるブロックチェーンの活用があります。
今回はそのあたりを記事にしてみます。
まず、監査法人って何?という説明をします。
ま、名前通り監査をするところなのですが、これでは説明になっていませんね。
こちらでいう「外部監査人が行う監査; 財務諸表監査」の部分に当たります。
どういう事をするのかというと、上場企業が出す財務諸表などに対して、「嘘をついていない」という保証をします。
具体的には
1)企業が財務諸表などを作成する
2)このままでは投資家に「嘘をついているかもしれない」と信頼されないので、監査人に監査をお願いする
3)企業人でもない、投資家でもない、第三者である監査人は締め切りとコストに見合うだけの精密さで調査を行い、監査意見を表明する。
4)それに応じて投資家は財務諸表などに対する信頼を行う。(実際は多分疑いを持つことを辞める)
皆さん株式投資などでB/SやP/Lを見る事と思います。それはこの数値は正しいことを大前提としていますよね?
その大前提を成立させるのが監査人による財務諸表監査なんです。
監査人というと個別の人間のイメージがありますが、普通法人化されチームで動きます。そうでないと、とてもじゃないけれど処理できないのですね。
監査人は公認会計士がなりますが、会計のプロ・監査のプロであったとしても、大企業の経理を分担して任される人たちが、一年(四半期)かけて、ようやく作り上げたそれの裏付けを取るのには、実際問題「労力」がかかります。
一人でできる中小企業のシンプルなビジネスもあれば
100人でやっても不正を見抜けない大企業の、グループ企業を含めた複雑極まりないビジネスもあるのです。
人間は生身で100mを1秒では走れません。
だから、プロフェッショナルであっても、皆で集まり、よってたかって監査をするのです。
寄ってたかってできた法人を監査法人と呼びます。(必ずしも株式会社ではありません、合同会社とか多いんですよね。アップルも合同会社です。)
世界的に有名な監査法人として「ビッグ4」と呼ばれるものがあります。
・EY
・デロイト
・KPMG
・PwC
です。正式名称は長いですが、ニュースを見る位なら上記の表記を覚えておけばよいかと思います。
(「アーサーアンダーセンは?」それには悲しい出来事がありまして。また別途)
日本でもBIG4があります。
こちらも合従連衡があり、世界の4大会計事務所と組んでるところもあるのですが、「日本の監査法人」としてブロックチェーンに取り組んでいるところがなさそうなので、こんなところで。
監査法人は特に内部統制・システムなど、監査以外の仕事もしていたりします。だからニュースの対象となる部門やテーマによってはコンサルティング会社と記載される場合もあります。
さて、
・監査とはここでは財務監査を指す
・大企業の監査を組織的に効率にやるために監査法人というものがある
・BIG4の名前くらいはわかった
ここまでのまとめはこんな感じです。
監査自体の論点はかなーりあるのですが、それはまたおいおい。
海外BIG4のブロックチェーンの取り組みをざっと見ていきます。
海運における保険、ブロックチェーンコンサルティングサービスなどの文字が踊ります。
デロイトさんは広範に渡るレポート最初のパースペクティブで
But with the sheer interest and investment by insurers, banks, investment managers, and commercial real estate firms, is blockchain a transformative technology instead of a disruptive force?
とあることから金融的なものやトークナイゼーションへの関心が高いかという感想を持ちます。
ENG辺りのレポートも出ていることから、かなり詳しそうな雰囲気があります。
Blockchain offers the potential to provide faster and more secure transactions, streamline and automate back-office operations, and reduce costs by leveraging cloud-based technologies.
バックオフィスのコスト削減・システム導入という感じです。
ニュースでよく見ます。PwCさんでは法令順守について書かれていたのが印象的です。
どれも興味深いものではありますが私の見解はちょっと違います。
からの引用です。詳細な解説はリンク先を。
についての話です。
EYがゼロ知識証明で匿名化を施し、パブリックチェーンで顧客の取引を残す、と。
監査は証拠(実態・取引)とそれを会計に翻訳した仕訳の集積である財務諸表などの整合性を取ることが主な業務です。
(あとは、GAAPに則っている所かどうかという、人間的な、交渉的なものがあったりなかったり)
パブリックチェーンに実際の証拠が残っていると大変心強い。
監査法人のブロックチェーンに対する利用はこの監査の効率化にあるんじゃないかなぁ?と思います。
仮想通貨・ブロックチェーンのニュースを見るときも、
・監査法人とは何かわかり
・PwCやデロイトと聞いて「お、でかいところが出てきたな」とわかり
・どういう事に使うんだろう?と考えを巡らせることができる
と、一つ深いニュースの読み方ができるように思います。
ではでは
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