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資金調達の基本を理解する

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  • Tonnura
  • 2022/07/26 01:19
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資本政策において最も重要なのが、資金調達を知ること。

どこから資金を集めるのが自分に最適なのか?を理解していなければ
会社なんて一瞬で倒産・乗っ取られる。

世の中そんなに優しい世界ではないので、ちゃんと勉強しておこうと思う。

 

資金調達の方法

未上場の株式会社の資金調達方法は、一般的に以下の4つである。

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smartround HPより

大前提として、中小企業とスタートアップでは資金調達の考え方が変わる
ということを理解しておきたい。

自社利益を源泉とするだけでは普通、スタートアップが目指す急成長は望めない。

また、助成金や補助金も、創業当初に得られたらラッキーな程度で、
実際には規模が小さすぎて急成長の燃料としては不十分のようだ。

 

なので、基本的にはデットファイナンス(融資)
エクイティファイナンス(出資)が起業では一般的である。

 

現在の日本は融資の資本コストが著しく低いので、

デットファイナンスは積極的に活用すべきだが、
こちらは制約事項が多くそれだけで必要な資金が得られることは稀らしい。

さらに自分などのような学生起業や、新卒1,2年では信頼性がなく審査通過は厳しい。

 

結果、スタートアップの資金調達は自ずとエクイティファイナンスが中心となる。

 

エクイティファイナンスの基礎知識

時価総額の計算公式

会社の時価総額(バリュエーション)は、

株価 ✕ 発行済株式総数である。

言い換えれば、時価総額と株価と発行済株式総数のうち2つが確定すれば、
もう1つは自ずと確定するということだ。

株価は、相場が可視化されている上場株とは違い、
スタートアップと投資家(VC)が相対で交渉して決める。

発行済株式数は予め分かってるので株価を交渉することと、
時価総額を交渉することは同じ意味となる。

とはいえ、時価総額の決定は逆算的な決定が多く
調達したい資金と発行する株式総数が決まれば自動的に時価総額も決まる事が多い。

 

持分比率の希釈化について

「株式の希薄化」とは新株を発行することにより、
発行済株式数の1株あたりの価値および権利が低下することだ。

会社が新たに募集株式を第三者に割り当てて資金調達をすると、
もともとの株主の会社の持分比率を押し下げることになる。

例えば創業者一人で発行済株式の100%を持っている会社の
プレマネーバリュエーション(資金調達前の時価総額)が1億円のケースで、

VCがその会社の第三者割当増資に応じて1億円を投資すると、
ポストマネー(資金調達後の時価総額)は2億円に増えるが、
創業者の持分比率は50%に減る。

これを持分比率の希釈化(もしくは希薄化)という。

この希釈化が会社のコントロール権や、
Exit時のキャピタルゲインなどに大きな影響を与えるので、

多く調達すればいいということではないのである。

 

持分比率と議決権

株式会社には「会社の所有者と経営者は別」という原則がある。

そのため、会社経営上の最重要事項を決定する機関は、
会社の所有者が集まる株主総会となる。

 

この株主総会の決議を左右する議決権は、

特に議決権を別途定める種類株式を発行しない限り、
発行済株式の持分比率と同じになる。

したがって株式を第三者に提供することは、
その分の自社のコントロール権を失うということと等しい。

 

資金調達は何度も行う

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Mediumより引用

 

成功しているスタートアップの資金調達が一回で終わる事はまずない。

最初から事業が潤沢な利益を産み、
特に資金調達が必要ないケースを除き、

急成長しているスタートアップは何度かにわけて
資金調達ラウンドを行うことになるだろう。

 

事業に集中するためにも、
資金調達は一回で終わらせてしまいたいだろう。

でもそうはいかない理由があるようだ。

 

まず、投資家がスタートアップに多額の投資を一度に行う事はない。

第二に、創業初期の時価総額が小さい時に大きな額の資金調達を行うと
希釈化が激しく、会社の所有権のほとんどを受け渡してしまうことになる。
(経営のほとんどの決定権を握られるということ。)

 

したがってスタートアップは、
上場までに数回(2〜5回程度が一般的)資金調達をする。

このように段階的に資金調達を行うことをステージ・ファイナンシング
(もしくはマイルストーン・ファイナンシング)という。

 

資金調達のタイミング

スタートアップは事業の資金ニーズにあわせて、
いつ調達するかのタイミングを見極めなければいけない。

 

できるだけ株の希釈化を避けるために、

マイルストーン(中間目標)を達成して、
投資家やVCが自社の時価総額を一段階高く評価できるタイミングを狙う。

これが起業家にとって最難関とも言える仕事だ。

 

かといって、希釈化を気にしすぎて細かく刻みすぎるのも良くはない。

経営者がずっと資金調達をし続けることになるし、
本業を疎かにしてずっとお金に悩まされていたら事業者ではなくなる。

 

もちろん資金調達を行なっている最中で資金が尽きてしまっては
元も子もないので、だからこそ上記の通り「タイミング」が大切なのだ。

資金調達が完了するまでは、フェーズや対象国でも変わるが
早くて2−3ヶ月後に入金と考えて余裕をもって計画することが重要だ。

ちなみにこれは、動き始めてからではない。
経営者は常に投資家とコミュニケーションベースで繋がりを形成するのも仕事だ。

私も、プレシード段階で調達はまだ早いが繋がるためにアタックするのみだ。

 

いくら調達すべきか

ステージ・ファイナンシングでは、

次のマイルストーンに到達するのに必要な資金を調達するのが基本だ。

その上で、マイルストーン達成を材料にした次回の資金調達を完了するまで、
6ヶ月くらいの余裕をもって調達していくのが良いだろう。

 

スタートアップの資金は、成長を加速させるための燃料なので、
調達したら適宜リスクを取って戦略的に投下していかなければならない。

 

ただし、一旦アクセルを踏むとバーンレート(月間資金減少額)が上がり、
その後、簡単には下げられなくなるのも事実。

そうした資本政策を明確にして資金ニーズを算出し、資金調達に臨むべきだ。
VCなどに見せるピッチ資料に、収益モデル計算表を提示するのが早そうだ。

 

また経済環境に注意を払うことも重要となる。

経済環境が先々悪化することが予想されるような局面では、
多少の希釈化は覚悟してより多くの資金を予め調達しておかなければならない。

特に現在(2022年)は経済的に氷河期とされるほど悪い。
資金調達ですら困難を極めるので、やりくりは計画的に進めていこう。

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