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alis.to で、皆さんおなじみのかいち氏がこんな記事を書かれています。
https://alis.to/Kaichi/articles/KWyoMex9dB8G
こちらのツイートをきっかけに、某所でメタメタ叩かれたという経験談です。
https://twitter.com/KAICHIRO_ISHII/status/1020881854952427521
こちらの画像の書き込みを筆頭に、ほんとメタク○言われてて、かいちさん、かわいそう(泣)。
[かいちさん、勝手に画像拝借してごめんなさい。問題あればコメントください。速攻削除します]
ご本人も謙遜して「実力ないのは事実」と書いてらっしゃいますし、上の画像のように切り取られて「漫画描くのが下手」とか言われたら、これだけ見た人は、今のプロのうまい絵を見慣れているだけに、
「あー、ほんとにヘタク○、あははははー」
と笑うかもしれません。
けれども、話題に上がっているこちらの漫画を読めば分かるとおり、やや古めかしさは感じるものの、十分に読ませる仕上がりの作品です。
https://kaichimanga.xsrv.jp/kasoutsuukataikennki-ep1/
かいちさんの漫画のほかに、ハルオサンの「警察官をクビになった話」、生活学習さんの「殺人予告」という2つの漫画を紹介しながら、ネット時代の新しい漫画家のあり方について考えてみたいと思います。
☆ハルオサンの「警察官をクビになった話」はホントにすごいんよーーっ♪
2016年11月ハルオサンは、はてなブログに「警察官をクビになった話」というページを作ってネットの世界に衝撃的なデビューをしました。
http://www.keikubi.com/entry/2016/11/18/071907
ご自分が研修期間中に警察官をやめざるを得ないことになった赤裸々な体験談を、かろやかな筆致と味わいのあるイラストで描いたこのブログは、たちまち数百万のページビュー ((当社推計値[笑])) を獲得しました。
そのハルオサンが渾身の力で放った蝶ド級逆転満塁ホームラン的会心の一作が、「【漫画】警察官をクビになった話」です。
https://www.keikubi.com/entry/2018/10/28/175934
もう、これは「とにかく読んでください」以外説明しようがありません。人間の心理、社会の闇、表現の可能性、ただの野次馬根性……、理由はなんでもいいので、さっそく上記リンクをクリックしてジャンプ!
いわゆる「うまい漫画」ではありませんが、あなたの心に突き刺さる恐れがありますので、まずは覚悟を決めてから、お読みください。
はまる人は必ずはまります。
ハルオサンは、はてなブログで書き始めるまでは「ただの人」でしたが、ブログをきっかけに書籍も出版しています。
○天国に一番近い会社に勤めていた話 単行本 – 2017/12/1
ハルオサン (著)
https://amzn.to/2L1fjpb
現在はライターをしながら、沖縄で幸せに暮らしていらっしゃるようです。
なお、この漫画については他サイトで詳しい記事を書いていますので、ご関心のある方は、そちらもお読みください。
https://dimofsoul.mitona.org/entry/haruosan-manga
☆生活学習さんの「殺人予告」も、あなたの心を鷲づかみにします。
さて、次の生活学習さんの漫画「殺人予告」ですが、これはほとんど書きなぐり、荒削りの原石的マンガです。
https://note.mu/seikatsugakusyu/n/n8ab492e33a65
線維筋痛症を患い、苦労して毎日を生きている生活学習さんが、通りすがりの男たちから侮蔑の言葉を投げかけられた経験が、激アツの筆致で描かれています。
「事件」があってから数時間のうちに描き上げて投稿したその生々しさが、人々の心をつかみ、ツイッターと note.mu でたちまち話題となりました。
生活学習さんは、普段はご自分とハムスターとの暮らしを「うにさんと私」という可愛らしい漫画に描いてらっしゃいます。
https://twitter.com/seikatsugakusyu/status/1028208567839387648
ご自分の作品を出版し、同人活動もなさっています。
http://alice-books.com/item/list/all?circle_id=2662
アマチュアのかたですが、ツイッターのアカウントは6,000あまりフォローされていて、実力の程がうかがわれます。
☆ネット時代の新しい漫画家のあり方は、まったく自由で何でもアリだ!
さてこの記事の発端は、かいちさんがツイートで自分の「実績」をアピールをしたところ、某所の「うるさい」人たちからやいやい言われてしまった、ということでした。
それに対して、alis.to に集う仲間のみなさんが、暖かい励ましの言葉を寄せているのは、すばらしいことです。
漫画にしろブログにしろ、自分の「作品」を自分で「宣伝」すると、どうしてもこうした「攻撃」を引き起こすことになりがちです。
特にある程度の人気が出てきたときにはなおさらです。
暗号通貨が世の中に広まっていく過程で、かいちさんの描いた漫画が多くの人たちの関心を集め、「ブログアクセス日間1万PV達成」という結果が得られたことは、本当にすばらしいことです。
ブログを少しでもやったことのある人なら、この1日1万の閲覧数を稼ぐということが、どれだけ大変でどれだけ価値があるか、すぐに分かるはずです。
(グーグルのアドセンスをやっていれば、1日100〜1,000円ほどの収入が得られる数字です)
こうした結果を出した人に、やっかみ半分で文句をつける人が出てくるのは避けようがありません。
ここで「かいちさん、立派だなー」と思うのは、かいちんが某所に集まったク○コメントを一つ一つ丁寧に読んで、自分の糧にしてらっしゃるところです。
まったく無意味なコメントも多いですが、言い方は乱暴でも、きちんと作品を見て的確な批評をしてらっしゃる方もいます。
反射的に目をつぶるのではなく、感情を揺さぶられながらもきちんとその「感想」を受け止めるだけの度量があるかいちさんは、きっとこの経験を生かして、さらにおもしろい作品を創ってくださることでしょう。
かいちさんの場合は、プロを目指してらっしゃるけれども、今の漫画界の流れからすると、雑誌受けする作風ではないでしょうから、こうして
・ネット上でホームページに作品を公開し、
・ツイッターなどで自己アピールをしながら、
読者を獲得していくという方法がとても合っていると思います。
そうして実績を積み重ねていくことが、大手の出版社からのデビューにつながるということも、これからの時代には当然ありうる話です。
・ ・ ・
ハルオサンの「【漫画】警察官を首になった話」については、この内容を日本で商業出版するのは少し難しいかもしれません。
それは警察組織という批判されるのを大いに嫌う存在をテーマにしているためです。
けれども、日本の出版社の中にはあえてそういう仕事を引き受ける会社もないわけではないので、これだけ画力のある作品をどこかの出版社が出してくれたらホントにいいのになー、と思います。
また、これだけ前衛的な作風であることを考えると、フランス辺りの出版社が興味を持つ可能性も考えられます。
いずれにせよ、ネット上だけにとどめておくにはもったいない作品なので、いずれどこかから、素晴らしい造本のカラー印刷でこれが出るときを楽しみに待ちたいと思います。
ネットならでは自由な表現の場で、ハルオサンに続く新しい作風の新人がこれから続々と現れるだろうことを考えると、まったくわくわくしてしまいます。
・ ・ ・
最後に生活学習さんの「殺人予告」ですが、こうしたタイプの「アマチュア」の作品も、これからのネット漫画の中で見逃せないものとなっていくでしょう。
絵がすごくうまくなくても、アマチュアの範囲でも、
・自分の描きたいものを自分の描きたいように描いていく、
ということが、「人間の表現したい」という欲求にとって、一番素朴な原点になる創作姿勢ではないでしょうか。
漫画に限らず、音楽でも文章でも、あらゆる表現を「自分の楽しみ」のためにすることは、確実にあなたの人生を豊かにしてくれます。
それがお金につながる必要はありません。
ネット上で発表し、誰かに見てもらえるだけで、
「表現してよかったな」
と、あなたは必ず思うでしょう。
この alis.to という場で表現を楽しんでらっしゃるみなさんには、こんなことはわざわざ言うまでもないことですが、ツイッターでみんなに見てもらい、それを拡散してもらうことも嬉しいことですし、note.mu のようなサイトで自分の作品を購入してもらうことも、とても嬉しいことです。
その上、今のわたしたちは、alis.to のようなシステムによって、暗号通貨によって「気持ち≒評価≒報酬」をもらうこともできるようになりました。
自由な表現を、自由に楽しんでもらい、自由な価値観をともに作っていくことができるとは、なんとも素晴らしい時代になったものではありませんか!
最後は漫画以外の表現一般についてまで話が広がってしまいましたが、プロの漫画家を目指す人にとっても、楽しみで漫画を描く人にとっても、自由な場所で、自由に表現できる、新しい時代の到来を大歓迎しいと思うのです。
☆「おせっかいなコメント」に一言 - 夢を追いたい人の夢をつぶすな!
ここで、かいちさんの漫画に向けて書かれた「おせっかいなコメント」に一言触れたいと思います。
名前:名無しさん 投稿日:2018-07-24 13:35:53返信する
ベタしかないし背景も手抜きだし、人物の感情も全然拾えてないしなんかリアリティな内容なのに全然絵に魂こもってない感じがして残念すぎるな。
20代の6年間って人生において、ものすごく重要な時間なのにそれを使ってこれか・・・。人生に絶望したくなるな。300万円以上の価値のある時間を棒に振ってるわ。趣味ならいいが6年やってこれならやめたほうがいい。漫画家は体力もいる仕事だぞ。結婚もして子供もほしいなら冷静になった方がいい。一生一人で趣味で人生を終えて良い覚悟があるなら何も言わん。人生を楽しめ。
あ、後あなたは成功しているブロガーやインフルエンサーの方とは全然違うぞ。心配になってTwitterも見てみたけど、どこぞの自己啓発本の内容みたいな発言や分かったような発言を多くみたが、薄っぺらい。分かってるんでしょ?言い聞かせてるだけだって。成功してる。やれてる。いや、やれてないから。現実を見ましょう。
そうしてしっかり判断した方がいいよ。
本人がここをみているとは思えないが、届いたらいいなぁ。
この方は、かいちさんの漫画をまったく「否定的」にしか見ていません。とはいえその「否定」も無根拠ではありません。今風のうまい漫画と比べて考えたら、かいちさんの漫画は決して「上手な」漫画ではないからです。
そしてこの方は多分会社勤めをなさっていて、それなりに「安定」した自分の生活に「ご満足」なさっている方であり、そういう自分の視点から、親切にもかいちさんに「ご忠告」なさっているのだろうと思います。
けれどもこんなふうに身も知らぬ他人に「忠告」することは百害あって一利なしです。「人のやる気」をそぐだけのこんな言葉には一銭の価値もありません。
かいちさんの作風が時流に合わないことが、
「かいちさんが漫画家として成功できるかどうか」
とはまったく関係のないことなのは、かいちさんご自身もよくご存知のことです。
最終的に誰が成功し、誰が成功できないかは、結果を見るまで誰にも分からないのです。
「一生一人で趣味で人生を終えることになる」かどうかなど分かるわけもないのに、「お前はそうなるぞ」と脅かして「人の夢を土足で踏みにじる」ことに、一体なんの意味があるというのでしょうか。
ぼくという人間は、五十を過ぎて定職も持たず、それどころか日本に住むところも持たず、今はインドを奥さんと二人、ふらふらと彷徨っている状態です。そうしてこういう文章を書いて、ネット上で十分な収入を得られるものなのかどうかを試しながら、かすみを食って生きているような人間なのです。そんな人間ですから、かいちさんの今の気持ちは、十分に分かるつもりです。
かいちさんが、漫画家として成功できるかどうかが分からないということは、かいちさんご自身が一番よく分かってらっしゃることでしょう。
それは誰にも決して分からないことなのです。
それでも、そこに賭けてみたい。
その純粋な意志さえあれば、あとは何もいらないと思います。
がんばれ、かいち! 負けるな、かいち!!
かいちさんが立派な漫画家とし大活躍なさることをお祈りして、この項は終わることにします。
☆最後につけ足し、かいちホームページ改良作戦(案)!?
ところで、かいちさんのホームページなんですが、ちょっと重くないすかね?
(ぼくがインドの回線状態の悪いところから、アンドロイド 4.4.2 の非力なタブレットでアクセスしてるせいもあるとは思うんですが……)
読み込み時間が長いと、検索サイトから来るような移り気な読者さんの場合、どうしても敬遠する要因になりがちだと思います。
どなたか技のある人が協力してあげることで、かいちさんのホームページが「ぱぱっと表示される素敵な漫画サイトになったらいいのになー」と、こちらアリスコミュニティの特徴を考えて、そんな妄想が浮かびましたので、一言書き添えておきます。
以上、かいちさんの今後ますますのご活躍を期待しております。
それではみなさん、ナマステジーっ♬