ブルガリア南西部にある東ヨーロッパ随一のバンスコスキーリゾートで一人スノーボードをしてきた。
わたしは滑り方くらいは一応わかるが、ほぼほぼ初心者である。
一般的に一人でスノーボードをするのはガンガン滑れる上級者くらいのものだろうが、そこは関係ない。
一人カラオケ、一人焼肉がアリなら、一人スノボも全然ありだろう。
ウェアからなにからすべてをレンタルし、リフトに乗り込む。
レンタルした手袋はおぞましい臭気を放っている。
手袋くらいは買うべきだったと後悔しつつも圧倒的今更感を前に観念した。
そんなこんなでゲレンデにやってきた。
目が悪いのでゲレンデマジックで輝いている女性は見えない。
ざっと見る限り日本人は愚か、東洋人らしい客は一人もいない。
「旅の恥は掻き捨て」である、ガンガン転んでやろう。
見よわたしのコケザマを。
滑ってこけて滑ってこけてを繰り返し、徐々に感覚をつかんできた。
意外と下手くそなお一人様も見かけたので謎の安心感が生まれたのかもしれない。
腹が減ってきたので栄養補給休憩をとり、午後の部に挑む。
よし、上級者向けっぽいとこに挑んでみよう。
だいぶ高いところまで行ってみたが、想像以上の急斜面である。
初心者らしき人はおらず、リフトで降りていく人もいた。
ちなみに写真は撮るだけの心の余裕がなかった。
正直ビビりまくっていたが、今更引き返せないので意を決して滑り出す。
速攻でこける。
今までと違ってこけた状態でも勝手に滑り落ちていく。
ようやく止まっても、急斜面でこけると立ち上がった瞬間にスピードが出るのでまたすぐこける。
何度か繰り返したところで心が折れた。
情けないとは思いつつも、死なないこと・けがをしないことの方が大事なので、華麗に滑り降りていく上級者を横目に「尻もちソリ遊び」を始める。
名前はテキトーだがとりあえずケツで滑り落ちる。
それでもそこそこスピードが出るので何度も止まりながら時間をかけて降りていく。
ようやく初心者でも滑れるコースまでたどり着いたが、「尻もちソリ遊び」で体力を消耗しすぎて足がガクガクだったので何度もこけた。
「ラストは上から下まで滑ろう」と思っていたが、無理そうだったのでおとなしくリフトで下山した。
以上、わたしの初心者一人スノボ体験記であった。
「上手くないけど一人スノボしたい」という人の精神安定剤になれば幸いである。