エストニアのスーパーを物色していると「甘酢しょうが平切り」という文字が目についた。
ご覧のとおり「ガリ」である。
寿司屋にある「ガリ」である。
「寿司の文化はこんなところにまで広がっているのか。すばらしきかな。VIVA日本食。」などとややテンション上がった。
しかし裏面を見るとこのガリは中国で生産したものをドイツの会社が輸入している。
「WHY JAPANESE PEOPLE!! 日本のもののはずなのに日本関係ないじゃない。」などと心の中で叫ぶ。
ヨーロッパでも「SUSHI」の文字を目にする機会は結構あるが、中華料理店が「SUSHI」を出していたり、タイ料理店が「SUSHI」を出していたりする。
「SUSHI」専門店もたまにあるが、日本人が関わっていないケースも多い。
「SUSHI」が日本食であることを知らない人も世界には結構いる。
材料も人も日本と関係ないとなると、そもそも「SUSHI」が日本食なのかもあやしい。
「なんだかなあ」と思いながらガリを輸入しているドイツの会社のホームページをのぞいてみると、スタッフの大半が日本人だった。
「なんだ、それならよいか」的なよくわからない感情が芽生えた。
自分の日本人としてのアイデンティティを再確認した瞬間だった。