葛川地区の森林資源、林産物、炭竃: 木材、薪炭
「山間の葛川地区もまた、相応和尚以来の明王院が、京都の人々に深い帰依(きえ)をうけ、『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』にも「葛川へ参る道」が模索されたが、室町時代には途中・花折峠を越えて足利義満(あしかがよしみつ)・同義尚(よしひさ)・日野富子(ひのとみこ)らの参籠(さんろう)があった。この地区と伊香立地区との境相(争)論はとくに著名だが、その他周辺の庄々とも争いが絶えなかった。その背景としては、葛川地区の木材とともに炭竃が多く営まれ、薪炭(しんたん)の生産されたことが魅力として考えられる。」
(出典: 林屋辰三郎 (1984年) 「中・近世の文化的発展」, 「一 北部地域の歴史的位置」, 「総説」, 林屋辰三郎(編集), 飛鳥井雅道(編集), 森谷尅久(編集), 『新修大津市史 第7巻 (北部地域)』, 大津市, 7ページ.)
(参考)
香取本『大江山絵詞』の「平野山」と「近江国かが山」: 比叡山延暦寺による土地領有権説話としての酒呑童子譚
https://wisdommingle.com/?p=21616
■絵画・映像の出典
The charcoal is burning photo by Studio_OMG on Envato Elements
https://elements.envato.com/the-charcoal-is-burning-L3DZ6UM
相応和尚略伝 : 北嶺行門始祖 - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/913859/4
Charcoal on fire by leungchopan on Envato Elements
https://elements.envato.com/charcoal-on-fire-ZP85YTV
日本史蹟大系. 第8巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1162039/61
古文書時代鑑. 上 - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8311196/119
足利時代史 - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1918564/164
「これ好奇のかけらなり、となむ語り伝へたるとや。」