お疲れ様です。ZAPです。
前回の続きです。引き続きこの表を使います。
ではRTSの流れからです。
[RTS]
1993年:エイジオブエンパイア
ゲームの内容:マイクロソフトが発売したリアルタイムストラテジーゲーム。それまでにはなかった時代の進化というシステムを導入しており、4つの時代(旧石器時代、新石器時代、青銅器時代及び鉄器時代)を取り扱っている。実際の歴史に基づいたシングルプレイとインターネット回線やLAN経由での多人数プレイが可能。複数の文明から自身の文明を選択し、一定の条件(設定により可変)を満たしたプレイヤーが勝利者となる。また、プレイヤー間でのチャット機能を有する。(ウィキペディアより)
主な要素
・リアルタイム対戦(対人)
・ユニットを生産して対戦相手と戦う要素
RTSの基礎を築いたゲーム。パソコンのRTSは、やってることはみんなこれと同じっていうくらいの超絶完成度を誇ります。いままでターン制だった対戦ゲームがリアルタイムになるとどうなるか。今までの「戦略がうまいやつが強い」の上に「瞬時の判断が出来るやつが強い」「ユニットをたくさん動かしたやつが強い」が加わります。
つまり「ゲームがうまい」の前に「このゲームに慣れてる」ことが勝敗に直結するようになります。つまり、たくさんゲームをしたやつが勝てる。当たり前でしょ?ということなんですが(普通どんなゲームでも練習してうまくなるから勝てる)、その上手くなることにブーストがかかるということなんです。要は初期の成長率が高い。まるでRPGのキャラクターのように最初はすぐにレベルアップするということを実現してるんですね。この「上手くなることにブーストがかかる」というのが、今後重要になってきます。
因みにこのゲームのトッププレイヤー同士の対戦はショートカットを使いすぎていて外からは何をやっているかさっぱりわかりません。(視点の移動をショートカットで出来るため、支店が瞬時に入れ替わり着いていけない)
2012年:クラッシュオブクラン
ゲームの内容:自分の村を発展させながら、他の村を襲撃し世界中のプレイヤーとランキングを競うゲームである。様々な施設を建設・アップグレードして村を発展させていくミニスケープ(箱庭ゲーム)的な要素、他プレイヤーの村に攻め込み資源を略奪するRTS的な要素、防衛設備の配置を工夫し他プレイヤーからの侵略から村を防衛するタワーディフェンス的な要素を併せ持ったゲームシステムとなっている。 (ウィキペディアより)
主な要素
・ワンタッチでキャラを配置するだけという操作
・デッキを組む要素
・基本無料
・キャラクターのレベル
いきなり2012年です。ここまでの間にスタークラフトやウォークラフトなど、すばらしいゲームがたくさん出ているのですが、ウィムジカルウォーの要素に関係ないので飛ばします。
このゲームは簡単に言うと、「RTSをスマホに最適化したゲーム」です。空き時間に対戦するため、擬似的な対戦(相手の村を攻める、相手はあらかじめ防衛施設を配置しておくだけ)におとし、ユニットの操作が面倒なので、配置した後はあらかじめ決まったルールで動くようにしました。また、ここからはFTP(フリートゥプレイ・基本無料)でキャラクターや施設のレベルアップに課金する形でユーザーがお金を払う形式になりました。
このモデルはよく出来すぎているので、みんながまねして大量のコピー商品が発生しました。
2016年:クラッシュロワイヤル
"ゲームの内容:ジャンルは、トレーディングカードゲーム、タワーディフェンス、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナを融合させたリアルタイムストラテジーゲーム。
プレイヤーは、8枚のカードで構成されるデッキを編成し、2.8秒に1たまるエリクサーと呼ばれるコストを消費して、ユニットをアリーナ上に送り出す。3分間で相手よりも多くのタワーを破壊した側の勝利となる。また、中央にあるキングタワーを破壊するとその時点で終了となる。 残り時間が1分になると、エリクサーのたまる速度が2倍になる。3分経過しても両プレイヤーの破壊したタワーの数が同じだった場合、1分間あるいは3分間のサドンデスが発生する。サドンデスでは、どちらかのタワーが1つ破壊された時点で終了となり、破壊した側の勝利となる。サドンデスで勝敗が決まらない場合、引き分けとなる。
(ウィキペディアより)"
主な要素
・手札制(8枚のデッキから4枚のカードが手札になる)←TCGより
・リアルタイム対戦(対人)←初期RTSより返り咲き
・3分で強制的にゲームが終了する+残り1分の倍増タイム
アジア競技大会のesports部門対象ゲームにもなってしまったやばいゲーム。ウィムジカルウォーはぶっちゃけ9割くらいこのゲームです。
このゲームも基本無料なのですが、このゲームは試合に勝つたびに宝箱を入手できます。これをあけるとキャラクターが強化され、ゲームに勝ちやすくなります。また、課金をすれば大量のキャラクターが手に入るので、すぐにキャラクターの強化が出来ます。
で、キャラクターが強いとまあ有利です。同じ条件で1段階強いだけなので当たり前ですが。でも上手いプレイヤー相手だと結構まくられちゃったりします。あと、概して「上手いプレイヤーほどキャラクターのレベルが高い」現象が発生し、下手だったから負けたのか、キャラクターレベルで負けたのかが分かりにくいです。これ結構大事。つまりこうなります。
宝箱によって「上手くなることにブーストがかかる」→ブーストで負けてるんだか、技術で負けてるのか分からない→課金しなくちゃ!
完璧な商売プランですよね?だから「今までで最も美しいゲーム」です。あ、同じレベル同士だと、ちゃんとバランスが取れたゲームになります。「誰の攻撃が」「何発で誰を倒せるか」が緻密に計算されてHPと攻撃力が設定されており、メーカーがそれをちゃんとユーザーに向けて発表しているところに好感が持てますね。ただ、ウィムジカルウォーとはマーケットが違うので、あんまりシステムのことをいわないように勤めて差別化を計っているといえるでしょう。つまり、僕の書いていることは「運営にとって蛇足もいいとこ」ということです。
2018年:ウィムジカルウォー
ゲームの内容:しってるよね!
主な要素
・クラロワ←RTSより
・囲むと陣地になる仕組み←陣取りより
・日本的運営←new!!
やっと帰ってきました。まあ、ウィムジカルウォーの要素を他のゲームで話してしまったので、このゲームで書くことは1点だけ。運営の違いです。(主な要素の「日本的運営」)
これは、「無料で課金石を大量に配る」「何かあったら詫び石を配る」ということです。考えられないことですが、大体1ヶ月毎に約1万オパールを配布しています。これをすると、微課金をする意味が無くなり、課金者の課金単価が上がるという効果があります。ただしデメリットとしてカンストが早まるので、他のコンテンツを用意する必要があるという弱点もあります。
また、「小さいイベントとキャンペーンを連発する」「バグった時の対応が早い」というのもあり、これにもウィムジカルウォーは当てはまると思います。つまり、概して「無課金に優しい」といえます。そして、「運営だけなら日本は世界一」といわれるので、つまり現在の運営方針は正しいのでしょう。
このような形で、ゲームの「いいとこ取りの」進化の歴史が見えてきたのではないでしょうか。ゲーム自体は複雑化しているのに、操作は簡単になるという不思議さ。
やっと次回から本題の「レベルデザイン(バランス調整)」に入ります。