♬U-U-U.S.A.
♬U-U-U.S.A.
ではじまる、2018年後半もっとも日本を賑わしたといっても過言ではない楽曲は、なんといってもDA PUMP(ダ・パンプ)の「U.S.A」ですよね。
リアルタイムでDA PUMPがデビューした頃を知っている向きには懐かしく、さらに円熟したボーカルとダンスを楽しませてもらいました。彼らも30代半ばから後半となり、なんというか「安心して見ていられる」ものを感じますよね!
DA PUMPは、1997年活動開始ですが、去年再びブレイクするまでは、事実上長い活動停止状態が続いていました。
昨年の紅白歌合戦にも出場し、多くの出演者と一緒に踊ったり、「1年間、この曲で夢のようなひとときを過ごさせてもらった」とメンバーの一人が感極まって涙で声をつまらせたのも記憶に新しいところです。
あの「ダサかっこいい」サビのダンスは「いいね」ダンスというのだそうです。パラパラ風あり、インベーダー風ありで楽しいですよね。なんといってもダンスが注目されていて、ネット上の動画では、子供が踊る姿も見られました。
しかしダンスだけでなく、歌詞にも注目です。あの歌詞には年齢を重ねたDA PUMPだからこそ歌える深い意味が込められているのです。
ボーカルは次の歌詞で始まります。
「♬オールドムービー観たシネマ (シネマ シネマ)
U.S.A.
リーゼントヘア真似した (真似した 真似した)
U.S.A.
FM 聴いてた渚 (渚 渚)
U.S.A.」
時代としてはDA PUMPのメンバーよりも更に年齢が上の1970年代に青春を過ごした時代設定が想定されます。
まだ、カセットレコーダーで、音楽を聴いていた頃、雑誌「ROCK SHOW」や「MUSIC LIFE」で予習した、リーゼントヘアの若者は早口の英語DJのFM番組で音楽の知識を確かめていったのでした。
リズムが衝撃だった (だった だった)
数十年でリレーションシップ だいぶ変化したようだ
だけれど僕らは地球人
同じふねの旅人さ
1970年代。ロックを聴くものは不良とも言われた「あの頃」にはFMから流れてくるリズムは衝撃でした。不良と呼ばれて平気でいられる勇気もないので、布団をかぶって聴く若者もいたくらいです。今と比べると異常に周りを意識していましたね。
そんな若者も成長し、すっかり貫禄がついた大人になりました。
遠く、憧れるだけだったアメリカも今では行こうと思えば簡単に行けます。それに若者は青春時代にアメリカン・カルチャーもたっぷり吸収したのです。
鼻が高くて背が大きく、「負けるな」と思っていたアメリカ人ですが、今なら中身で勝負できそうです。「リレーションシップが変化した」とは遠い存在だったアメリカが近くなったということを意味します。
C'mon, baby アメリカ
ドリームの見方を inspired
C'mon, baby アメリカ
交差するルーツ タイムズスクエア
C'mon, baby アメリカ
憧れてたティーンネイジャーが
C'mon, baby アメリカ
競合してく ジパングで
楽曲もいよいよサビの部分に入ります。
「アメリカンドリーム」という言葉がありますが、かつては日本人には関係ない言葉のようでした。アメリカ人と同じフィールドで戦えるなんて夢のまた夢でした。
でも今は違います。単なるものまねではなく、本格的にアメリカン・カルチャーを吸収し、それを自分の「武器」として日本人でもダンスや歌でアメリカ人と互角に戦える土壌があるのです。
ここでいうC'mon,babyとはアメリカに対する挑戦状なのです!
パシフィック・オーシャン 一飛び
ハートはいつもファーストクラス
夢というグラス交わし
Love and peace 誓うのさ
C'mon, baby アメリカ
サクセスの味方 organizer
アメリカに行くのでも、昔は飛行機代が数十万円かかりましたが、いまでは数万円で行けます。エコノミークラスだけど、ハートは燃えていてファーストクラスなんだぜ。アツいハートで勝負です。
C'mon, baby アメリカ
ニューウェーブ寄せる ウェストコースト
C'mon, baby アメリカ
どっちかの夜は昼間
C'mon, baby アメリカ
ユナイテッドする 朝焼け
「ニューウェーブ」という言葉も今では懐かしい言葉となりましたが、あえてここでは使っています。ウェストコーストの青い空が目に浮かぶようですね。昔も今も、L.Aやサンフランシスコは新しい文化の発祥地です。あれっ?!NYじゃなかったのか。。。
「どっちかの夜は昼間」とは端的で面白い表現です。実はアメリカと日本はたくさん時差があるため、起きている時間が数時間しか被っていないのです。どっちかが夜のときはどっちかが昼間ってわけですね。
「ユナイテッドする朝焼け」はかっこいい!
「ただ競い合うだけではなく、ともに頑張って同じ朝焼けを迎えよう」という意味が込められているそうです。ダンスや歌のフィールドにおいては、日本人もアメリカ人と互角にタメ口が交わせるようになったわけです。
「U.S.A」のビートはその昔流行った「ユーロビート」なのにお気づきの方も多いかと思います。踊りもどことなくパラパラを思わせるところもありますよね。それに間奏の部分のカニ歩きのような踊りは1970年代後半から一世を風靡した、インベーダー・ゲームを思わせます。あれっ、年がバレるかな?!
この「U.S.A」は実はリメイクで、原曲は1992年イタリア人歌手のジョー・イエローが歌ったものがオリジナル。もちろんこちらはイタリア語版だったみたいですけどね。イタリア語の「U.S.A」ってちょっと聴いてみたい気もしますね!w
4分33秒あたりからU.S.Aが聴けます!