加点方式と減点方式(または加点方と減点方)をざっと検索してみると、主に教育的な内容では「減点方式はダメだ」というものが多いような気がします。
そりゃまーそーだろーなー、というのが私の率直な感想です。
何故ならば、高校教師であった私の母親が「減点方式で子供を教育して、結果的に失敗した」からです。
というのも学校のテストとかだと(特に進学校になればなるほど)、減点方式の傾向がより強くなるんですよね。
ここも悪いしあそこも悪い、もっと勉強しなくちゃねー的な。
で、それを家庭にも持ち込んで大失敗してしまったと。
しかしそれならば何故、学校で減点方式が主に用いられているのでしょうか?
これは減点方式のメリットを考えると一目瞭然です。
1,受験を突破するという目的により向いている
2,採点や学生の現状の把握に時間がかからない
3,就職した後に加点方式よりも使う機会が多い
以上です。
1番は主に学生さんの立場で、2番の「学生の現状の把握」とも重なることですが「志望校に合格を確実なものとするのに、あと何点」という方が、わかりやすいですしがんばろうという気持ちにもなりやすいですよね。
そして先生の立場になると、2番の理由が浮上します。
最後に3番ですが、教育は何のためにやっているのかと言えば「生きていく能力を高めるため」でありますので、就職した後により役立つ減点方式でやっておいた方が良いのは言うまでもないでしょう。
何故でしょうか?
答えは、生産または販売するなどした「物」を管理するのに大活躍だからです。
出荷する商品の最終チェックでは、水準を下回る物を出さないようにしなければならないですよね。
この基準が他国に比べて厳しいからこそ、日本製は極めて優秀であるという高い評価を受けることができていたわけです。
……って、相変わらずサムネイルでバレバレでしたね。
あまりにもバレバレ過ぎると悔しいので、一部を伏字にしてみましたが。
ですがここまでの文章で、わかった人も多いのではないでしょうか。
「人材」でかつ「物」ということは、機械に近いということかな?
ならば、○○系だと「作業系」とか?
……正解です(作業以外でも意味の同じようなものならおっけー)。
人材派遣などで作業系に近いものになればなるほど、査定を簡略化することが可能となります。
それこそ私のやっていた電話オペレーターなどの職場では「ヘッドカウント」などという腹立つ用語が存在するわけですが。
(いや、そんなんでいちいち腹立っとったら仕事にならんけどね)
逆に高度な人材となりますと査定はどんどん複雑になりますし、動くお金もより大きくなりますから、物と同じような単純な扱いができなくなるわけですね。
しかし、ここで問題が発生します。
この減点方式に慣れてしまったあまりに、何でも減点方式でやってしまう傾向が強くなり、やっちゃいけない「(作業系の査定以外の)人」に対してもやっちゃう日本人がたくさんいるわけですよ。
例えば、減点方式で婚活をやっちゃうと「やばい」の一言しかありません。
理想の配偶者はこんな感じの人で……この人はここが違う……この人はこれができない……この人はここが悪い……と、やっちゃうと。
そうやって選んでいるうちに、時が流れていって……あー、前の人はできたのに……その前の人はこれができたのに……に変わってきてですね、男女いずれであっても年を取ってどんどん不利になっていくと。
何が原因て、減点方式でやっちゃだめなんですよこういうことは。
むしろ加点方式で、この人はここがステキ、ここもステキ……って、やらないとダメでしょう。
もちろんその時に、どうしても受け入れられないことを考えておく必要もあります。
一般的に嫌がられる、というか嫌がって正解なギャンブル好きで借金があって……などというものだけでなく「自分は今の会社で今の仕事が続けたいから、結婚した後に居住地を変える(例えば結婚した人の地元に行かなければならないなど)のはどうしても嫌だ」とか。
それと、自らの得意なところも考えた上で、その人の劣ったところは自ら持つ能力で補うことができるかどうか、これも考慮する必要があるでしょう。
と、ここまで書いて思ったのですが、そう言えば私の友人に×2でその後再々婚した女性がいました。
彼女曰く「一つ良いところがあったら、全部その人がステキに思えてしまって、ついうっかり結婚してしまった」という名言を残していました。
過ぎたるは猶及ばざるが如し、ということも言えます。
ご注意ください。