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貧乏な人は視野が狭くなっている、という有名な話があります。
諺にも「貧すれば鈍する」などというものがありますけれども。
参考までに以下の記事もどうぞ(ダイヤモンドオンライン様より)。
あるいはスタンフォード大学のマシュマロ実験(マシュマロテスト)という、有名な実験もあります。
ALIS内では以下の記事が検索されました。
ゆーご様の記事です。
マシュマロ実験とは「小さい頃から自制心のある我慢強い子供は、成長すると社会的に成功していた」というものです。
が、後に「我慢強いことよりも教育や家庭環境の要因の方が、将来の成功に対する影響はより大きいのでは?」と言われるようにもなりました。
とはいえ、理由はさておき「将来に成功したのは、現在よりも先のことを重視して行動できた子供の方だった」ということは確かです。
つまりここでも「視野が狭く、現在のことしか考えられない状態の人は貧しくなる傾向がある」ということが言えるようです。
ところで近頃の私は、怒涛のように「まえがき」「あとがき」のボツ記事を書いておりましたけれども(その記事をまとめたのがこちらです)。
そのおかげで、一つ気付いたことがあります。
これまでの記事でもしばしば書いていたことですが。
古代ローマの詩人ユウェナリスは「パン(生きるの必要な食べ物)とサーカス(必要ではないが楽しい娯楽)」という名言によって、当時の世相を批判していました。
これは「ローマ市民が、権力者から無償で与えられるパンとサーカスによって自らの人生に満足し、政治的無関心になっていることを嘆いたもの」ですが、裏を返せば「パンとサーカスがあれば人生は満たされる」とも言えます。
「生きるために必要なもの」は現在では、家電や道具類などの「生活に必要な」日用品までが、そして「必要はないが幸せになれるもの」には芸術品やラグジュアリーまで含めた嗜好品が相当します。
日用品と嗜好品(パンとサーカス)とは、以下のようなものです。
・日用品とは「より良いものを、より安く、より多くの人へ」というもので、かつ「生活に必要な不幸を回避するもの」
・嗜好品とは「良いものを、相応の価格で、価値のわかる人へ」というもので、かつ「生活に必要ではないが、あると嬉しいより幸せになれるもの」
で、これまたしばしば書いていたことですが、日本には圧倒的に前者の日用品の価値観や人材、職業が多いのですけれども。
時代が進んだことで、概ね生活に必要な物は満たされてきましたので、最後の「より多くの人へ」が「より早く」に変わっています。
必要なものがほぼ満たされる時が来たら、需要のある人は少なくなります。
まだ持っていない人は少ないですし、壊れたまたは壊れそうなどという理由のある人にしか、需要はありません。
その少なくなった需要のある人を「早く見つけて、早く買う決断をさせて、早く売る」ということをしなければならない状態です。
つまり、競争が非常に激しくなっていると、そのように考えていました。
これはこれで正しいのですが、この「より早く」はもう一つ大きな問題を抱えていたのです。
それは「より早く」しなければならないことで、未来のことを考えられない状態になることです。
つまりこれは「視野が狭くなって、より現在のことしか考えられなくなる」ということですね。
競争が激しくなるのも大変ですが、視野が狭くなって今のことしか考えられなくなるのも貧しくなる原因の一つですので、できるだけ回避しなければなりません。
まずはこのことを意識し、注意する必要があるのではないかと思います。