※性的な表現が含まれますので閲覧注意
結論はタイトルそのまんまですけれども。
ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川氏による性加害疑惑が英BBCのドキュメンタリーで報じられて問題になっておりますが、そのような中で元ジャニーズJr.の岡本カウアン氏が被害者の一人として記者会見されました。
詳細はJ-CAST ニュース様の以下の記事をどうぞ。
昔から言われていた話でしたけれども、国内では大きく報道されることはなく、それが英国のドキュメンタリーで報じられたことで大騒ぎになりました。
故・ジャニー喜多川氏が悪いのは言うまでもないですが、ここでは普段私が書いている記事に近い話をしようと思います。
それが「日本人は、もっと自分自身を大切にすべきである」という話です。
そして逆に言えば「日本人は、仕事を大切にし過ぎている」とも言えます。
さらにもう一つ言えば「日本人は、あらゆるものを消費財かつ大半は消耗品だと認識しており、それに人までが含まれている」という恐ろしい価値観が、そのことに拍車をかけているのです。
消耗品とは何か?
ウィキペディア様によりますと以下のようなものです。
消耗品とは、道具の内でも、一回の使用で状態変化を起こすか、使用に際して摩滅(すりへってやがて無くなること:→摩耗)するために、やがては消耗して無くなったり使用できない状態に変化する物品(工業製品など)のことである。
そして、人の場合に何を消耗させられるのかと言いますと、それが「労働力」と「性」であり、今回は後者に該当します。
この詳細については、今回のこのニュースがきっかけで書いた以下の記事をご覧ください。
お時間のない方のために以下、該当部分のみ抜粋します。
奈良時代からの僧侶と稚児(剃髪前の少年修行僧)であっても、戦国時代の衆道であっても、受ける側である稚児や小姓に拒否権はありません。
つまり今現在の話だと児童虐待、性的虐待となる場合なんですよこれは。
もちろん密室になってしまうと、どちらが攻めとか受けとかはその当事者しかわからないですし、実際に武田信玄と春日虎綱(高坂昌信・弾正)のような主従逆転の例もありますから、虐待ではない場合も含まれているとは思います。
ただしこの時代は、何せ戦国時代ですから。
生きていくのが非常に困難な時代ですから、強い武将の庇護を受けることができたら本人のみならず、家族や一族にとっても非常にありがたい状況になるわけです。
というわけで、それがどんな手であっても強い武将に仕えてかつその武将を喜ばせることができたら、それは仕事のできる小姓だという評価にもなるわけで。
で、ここら辺でも「仕事のできる人の評価が、やたらに高くなる」日本人の性(さが)に、拍車がかかったのではないかと私は考えております。
で、ですね。
日本人は仕事というものをあまりに高く評価し過ぎて、仕事以外のものをすべて(自分自身も含めて)粗末に扱いがちになるわけです。
そして「仕事だから」という言い訳によって、それにかかわるすべてのものを肯定的にしようともするわけです。
「仕事だから、このくらいのことを我慢するのは当たり前だ」
その「このくらいのこと」が「このくらいのこと」ではなかった場合、我慢をしてはなりません。
それどころか、場合によってはむしろ戦わねばならないのです(今回の岡本カウアン氏のように)。
さらにこの「自分を大切にすること」は人権問題だけに留まりません。
これからの世の中(=日本のみならず世界)では、営利目的でも「自分を大切にすること」が自らを豊かにすることにも繋がっていきます。
あらゆるものを消耗品だという認識は、日本人を貧しくしています。
・「物」をすべて消耗品だと思っている→芸術やラグジュアリーを理解できない(故に高価な物に対する目利きがない)
・「お金」を消耗品だと思っている→使ったら終わりだと思っている(が、実は経済圏の中を循環し、継続するもの)
・「人」も消耗品だと思っている→使い捨てることで賃金が上がらず、自殺者も増える(姥捨て山の価値観が残っている)
少なくとも、既に「個人の持つ“自らを大切にする権利”を阻害する国や会社は、世の中からの糾弾によって、多大なる損失を被る」状況にはなっております。
それ故に今回のことが、英国の報道によって起こっているのですから。