テクノロジー

梅棹忠夫について、調べてみた

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  • 2022/10/03 05:15

前回の『ゲゼル通貨について、調べてみた』に引き続いて、今回は故・梅棹忠夫先生について、調べてみることにしました。

また、前回同様にまずALIS内で調べてみると、以下の記事を見つけました(古い順から並べています)。

いずれも著作『メディアとしての博物館』からの引用で、先生ご自身に焦点を当てたものではありませんでした。

そこで、もうちょっと調べてここに書き残しておこうと思います。

まず、故・梅棹氏の最も大きな功績は以下です(京都市名誉市民の梅棹忠夫氏の記事より)。

氏は、世界各地への徹底したフィールドワークに基づき、「文明の生態史観」を初めユニークな論考を次々と発表され、生態学及び民族学のみならず、文明論及び情報論にまで及ぶ幅広い学問を体系化され、その功績は、高く評価されている。

ここで「生態学及び民族学のみならず、文明論及び情報論にまで及ぶ幅広い学問を体系化」とありますが、梅棹氏は元々理系で生態学をされていました(日本の霊長類研究の創始者として知られる故・今西錦司先生の門下生でした)。

で、そこから幅広ーくご活躍されるわけですけれども(リベラルアーツっぽいですね)。

順番としては、ウィキペディアの梅棹先生のページによりますと「生態学が出発点であったが、動物社会学を経て民族学(文化人類学)、比較文明論に研究の中心を移す」とありました。

その課程で「京大式カード(京大型カード、梅棹氏はB6カードと呼んでいた)」という情報カードを使用した情報整理法を考案されます。

個人的にすごいなーというところは、上記リンク先で以下のところではないかと。

1963年には『情報産業論』を発表する。アルビン・トフラーの「第三の波」よりもかなり先行した時期に情報化社会のグランドフレームを提示した。一方で、梅棹は「情報産業」という言葉の名づけ親でもあった。その後の一連の文明学的ビジョンは『情報の文明学』(中公叢書、のち文庫)にまとめられている。

今でも使われる「情報産業」という言葉の名づけ親で、それが1963年頃だというのがすごいですね。

アルビン・トフラーは以下のようなすごい人で、そのトフラー氏よりもかなり先行したというのがこれまたすごいです。

「デジタル革命」、「コミュニケーション革命」、「組織革命」、「技術的特異点」といった「情報化社会」実現の予言に関した業績で特に知られ、フォーチュン誌のアソシエイトエディターを勤めた。

と、ここまでは大絶賛オンリーで来ましたけれども。

今の私の考えとは決定的に違うところもありました。

こんなすごい先生にツッコミを入れるのは恐縮ですが、言っちゃいます。

アキューム様の「梅棹忠夫『情報の文明学』(中公叢書)を読んで」より引用。

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素材ライブラリー様より頂いた画像です

コンニャク情報

情報は一般に,意味ある(金になる)情報と,無意味な(無益な)情報に分けられ,前者のみが取り上げられる。これに対し,梅棹氏は,いわゆる無意味情報の社会的意味を考える。ちょうど,コンニャクという,いわゆる栄養分はない食品があって,食品として無意味ではないのと同様,一見無意味な情報も,別の視点からみれば意味があるのではないか。消化器系が,栄養のあるなしにかかわらず,まさに消化すべきものとしてコンニャクを求めるように,大脳は,自己が「消化」すべき情報を求める。その時,有意味・無意味という,結局のところ狭い,価値評価の枠組みにすぎぬものなどは,現実にはじきとばされているのではないか。こうして,氏はいわゆる無意味情報を,コンニャク情報と名づけて,積極的にその意味を探ろうとする。

世間的には無意味な情報でも、その人にとっては重要な情報ってものがあります。

それとあと、無意味=無益でお金にならないと思われていた情報が、テクノロジーの進歩やその人の使い方によって、お金に換えることもできるようになっています。

つまり、今は「無意味、無益であると一概には言えない(分散化)」時代です。

……って、何と言うても、1963年頃に考えられたことですから。

現在の2022年と差異があるのは、それは当たり前の話ですので。

ツッコミを入れることは恐縮ですが、当たり前のツッコミかも?

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