「ゲゼル貨幣(通貨)」と「ヴェルグルの奇跡」という言葉をかなり前に聞いて、その時ちょっとだけ調べてわかった気になっていたのですが。
ちゃんと調べておこうと考えました。
まずALIS内でゲゼル貨幣(通貨、以下貨幣でいきます)の記事があるかなーと思って調べてみると、以下の皆さんのものを見つけました(古い順から並べました)。
むむっ、難し過ぎて良くわかりません(不勉強ですんません)。
なので、もっと簡単なものを書き残しておこうと思いました。
(ウィキペディアの自由貨幣をわかりやすく書き直しただけなので、リンク元の記事をお読み頂いた方が早いかもしれません。が、一応)
というわけで、ここから「ゲゼル貨幣」について。
「ゲゼル貨幣」は時間が経つに伴って価値が減価していくという通貨で、シルビオ・ゲゼルが代表作『自然的経済秩序』で提案した通貨制度です。
それを導入したヴェルグルという町が、世界恐慌後に完全雇用を果たした初めての自治体となったことを「ヴェルグルの奇跡」というそうです。
この「ゲゼル貨幣」は時間が経つと徐々に価値が失われていくものですから、現在の法定通貨のような「配当や利息によって、富める者と貧しい者の格差がますます大きくなる」という問題が起こりません。
また、貯めると損をする通貨ですから、得た人はできるだけ早く使おうとします。
そうすると消費が活発になって物がどんどん売れるので、いっぱい生産しなければならないし、その分の雇用も生まれることになります。
と、こう書くと良いことばっかりのような気もしますが、もちろん欠点もあります。
欠点はずばり「価値保存機能がない」ことです。
……そのまんまですけども。
(お金の機能は「交換(決済)機能、価値保存機能、価値尺度機能」です)
ケインズはゲゼル貨幣を褒めながらも、このことで「他の価値が保存できる物が貨幣にとって代わることになるだろう」と指摘しています。
つまり「金(ゴールド)のような価値を保存できるもの」ですね。
また、価値の保存機能がありませんから、皆が欲しがる通貨ではないという欠点もあります。
なので、法定通貨にすることができません(取引先の相手も受け取るのを嫌がるでしょう)。
従って、メインで価値の保存機能を持つ法定通貨を別に持つか、その機能を金や銀など価値ある物に持たせるか、ということが必要になります。
そして「価値の保存機能がない」ことは「大規模で時間のかかる投資には非常に不向き」となります。
大量に貯めている人はかなり少ないでしょうし、募集する場合は減る分を予め計算しておかなければなりませんし。
さらに災害等で大幅な遅延が発生した場合「資金が尽きる方が早かったから、追加でお金を出してください」となったら非常に辛いです。
この後者の理由のために「減価しません」「出資してくれたら配当出します(上手くいけば)」「お金を貸してくれたら金利を払います」という形にしないと、お金を出資したり貸してくれたりする人が誰もいないという状態になります。
そんなわけで、法定通貨は現在の普通の通貨(減価しないもの)が採用されているのです。
それと運用が煩雑なことも欠点です。
一定期間経過時に価値を下げるためには「スタンプを買ってその紙幣の裏にそれを張らなければならない(=スタンプ代の分、お金が減る)」というシステム等を導入する必要があります。
いろいろと欠点を挙げましたが、ゲゼル貨幣は「メイン通貨は無理でもサブ的な形で導入することは可能」ですし、法定通貨で露呈した問題を緩和できるのであれば、そのようにした方が良いと思いませんか。
そして最後に挙げた「運用が煩雑」という欠点は、デジタル通貨にするとかなり解消することができます(そういうプログラムを入れたら良いだけですので)。
実際の話、法定通貨の欠点である「貧富の差を拡大させる」という欠点を緩和させることができるということで、このゲゼル貨幣のやり方は仮想通貨でも以前から注目されていたそうです。
……なので、ALISの皆さんの記事が検索されたのでした。
残念なことに今現在は私の頭がついていけていない状態でしたが、上記のリンク先の記事も読みこなせるように、もうちょいがんばって勉強しようと思っています。