トリレンマとは「三つのうち、一つは選べない(諦めなければならない)」という状態のことを指します。
ジレンマという「二つのうち、どちらか一方は選べない」という状態の方が遥かに有名ですが、あれが三つに増えた形になります。
というわけで、その国際金融のトリレンマとは、以下。
「国際金融のトリレンマ」とは、「為替の安定性」、「資本の自由な移動」、「金融政策の自立性」の3つの政策目標のうち、一度に2つは達成できるが、3つをすべて満たすことはできない、という理論
上記「独立行政法人経済産業研究所」様の、以下の記事より引用致しました。
ついでに厚かましくも、画像も引用させて頂いて加筆。
三つの中で、隣の二つが「選択したもの」を表しています。
図にもありますが、日本やカナダなどの普通の先進国は「為替相場の安定性」を諦めて(つまり、変動相場制にして)「金融政策の自主性」と「金融市場の開放性」を選択しているということです。
「ちょっと待ったー、ユーロも変動相場制じゃないかー」
と、ツッコミを入れてしまいましたが。
ユーロ圏の中でも小さな国(ドイツやフランスのような大国ではない場合)になればなるほど、自国で独自の通貨を持つよりも遥かに安定させることができますよね。
そこで、以下のことを思い出しました。
ユーロ圏の国であるギリシャが経済危機に陥った時の話です。
日本やカナダ、あるいはアメリカなどのように、その国が独自の通貨を使っている時には、お金を大量に発行するという方法が使えます。
ギリシャであれば、ユーロ導入前のドラクマという通貨であればそれができたわけですが、このドラクマという通貨は古代ギリシャなどで用いられた通貨・重量の単位でもあったそうなのです。
すごいですよね。
こうしてみると、ギリシャって昔は本当にすごい国でした。
で、何でそのことを思い出したのかと言いますと、別件でこの『国際金融のトリレンマ』という語句を知り、ついでにジレンマやトリレンマという語句は古代ギリシャ語から来ていることを知ったわけです。
一例として「Weblio 辞書」様 より以下、引用致します。
「ジレンマ」は、古代ギリシャ語の「ディレンマ」(dilemma)が語源である。ディレンマは、「二つの前提」を意味する「ディ」(di)と、「仮定」を意味する「レンマ」(lemma)が組み合わさった言葉である。古代ギリシャの哲学者たちは、二つの前提から導かれる結論がどちらも受け入れがたい場合をディレンマと呼んでいた
(ここでは略しますが「トリ」(tri)は「三」の接頭語とのこと)
あー、ギリシャがトリレンマで諦めたものが要るものだったかー。
このトリレンマっていう語句自体、元はギリシャのものだったのに。
何でこんなことに……って、日本も他人事じゃないかもね……。