前日の記事『きつかったー』でも少し触れましたが、私は「日本が貧しくなったのは、評価する能力が低い(労働者を養成する教育に極端に偏っているため、客側の教育が疎かになっている)」という考えを持っています。
そしてこの「評価する能力」を客側の能力と書いていますが、これって正しくは「受動側の能力」なんですね。
お金ともの(物やサービス)による売買取引で言えば、受動側とはお客さん側になるわけですけれども。
「お金を払って、物やサービスの受け手になる」ということで。
そして能動的なのは業者さんであり、その中の労働者について日本の高等教育はほとんど割かれていると言っても過言ではないと思います。
さらに、その労働者を売買取引に限らない場合は「プレイヤー」であり「能動的に動く人」になるかと。
前置きが長くなりましたが、私がここで言いたかったことは、日本人の「評価する能力が低い」のは今に始まったことではない、ということでした。
日本が太平洋戦争でアメリカに惨敗した理由の一つに、実はこの「評価する能力がアメリカに遥かに及ばなかった」というのも含まれているのです。
具体的に言えば「ミッドウェー海戦」の敗因の一つだったということです。
というのも、第二次世界大戦で鍵となった戦いである「ミッドウェー海戦」は「情報が勝敗を分けた転換点」とも言われているらしいのですが、その情報を採用した人物こそ、名将と名高いニミッツ提督でした。
(Netflix「WWII最前線:カラーで甦る第二次世界大戦」の「ミッドウェー海戦」によると、この情報をもたらした暗号解読部隊のジョセフ・ロシュフォート班長は、軍中では芳しくない評判の人物だったとか。
とはいえ「考えに没頭してしまって、お客さんそっちのけでスリッパで歩き回る」ぐらいの、ちょっと失礼な人程度のものです。
よりドラマティックな作品にするために「こんなに評判の良くない人物の情報をよくぞニミッツ提督は採用したなぁー」みたいな流れに持っていきたいかったのかな、という気がしないでもありませんが。
しかしこの記事を書くために調べていると、海軍本部の情報班が横から口出しするなどして「採用するかどうか微妙」という空気があったのは確かなようでした)
それに引き換え、この時の日本軍の指揮を執っていた南雲中将は「年功序列でその地位についた人物」であり、彼はその時のシステムには非常に疎い人物でもあったと言います。
(南雲中将は無能な人物ではなく、水雷では第一人者として有名だったとのこと。
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WEB歴史街道様の記事です)
さて、そもそも日本がアメリカに負けるのは、国力からすると当たり前のような気がします。
しかし、アメリカはその当時から世界一の民主主義の国であり、どんなに勝てる見込みのある戦争であっても、世論が「戦争は嫌だ!(だから早くやめろ!)」と言うのなら、そこで終戦にしなければなりませんでした。
そこで何とかして「どちらかと言えば、勝ったと言えるのでは?」ぐらいの有利な状況で終戦を迎える、というのは不可能な話ではなかったですし、海軍大将の山本五十六はそれを狙っていたという説もあるそうです。
それを事実上不可能にしたのも、この「ミッドウェー海戦」の惨敗でした。
というわけで今回は、本当に「評価する能力」って大事なんですよー、日本人はちょっと軽視し過ぎじゃないですかー、というお話でした。