そうだ、おふだをNFT化してみよう!
神社やお寺で頂くおふだ(護符)とNFT(Non Fungible Token)って相性が良さそう。
伝統と最新技術の融合やで!
ふと、そう思い立ちました。
まぁNFT化自体は簡単なので大げさに言うことでもないのですが、実際におふだを頂きに行ってそれをNFT化しながら考えると、これはなかなか奥が深くて面白いし、案外イケてるんじゃないか?と思ったので記事にしました。
たぶん、これは本邦初のおふだ(護符)のNFT化についての記事のように思います。
おふだのNFT化だけなら誰かがやっているかもしれませんし、御朱印のNFT化ならすでにあるでしょうが、実は御朱印とおふだとは意味が大きく違うと思うのですよ。
そして、せっかく記事にするからには、最強のおふだをいただきに行くことから始めて、最後はおふだNFT化の意義までを考えてみました。
そうすると伝統と最新技術とが合流した瞬間のストーリー(ダサい)のような内容盛り沢山な長編になったので、スペシャルバージョンとして前編後編に分けてお送りします!
そのへんにあるおふだをNFT化するだけなら簡単なのですが、せっかくなのでNFT化したいおふだを求めることにしました。
ひょっとしたら日本初?世界初?のおふだ(護符、Japanese Amulet)のNFT化かもしれないので、やはりそれなりに有名で効果がありそうなものを。
やはり今の時期なら、悪疫退散の護符がいいでしょう。
って、なにがあるの? アマビエのおふだ?
いえいえ、昔から悪疫退散に最強の効果(諸説あり)があると言われる有名な護符があります。
それが角大師護符(つのだいし ごふ)。
これに何がすごいかって、西暦860年から続くおふだなのですよ。それも全国に広く普及しています(今も)。歴史的にアマビエよりはるかに有名。
この角大師護符は、全国の主な天台宗のお寺で頂くことが出来ます。
しかし、せっかくなので角大師の本拠地ともいえる、滋賀県にある比叡山延暦寺・元三大師堂まで護符を頂きに行きましょう!
とは言え、元三大師堂は人里離れた山の中だよ?
NFT化のために山奥までわざわざ行くのかって?
はい、日本初?のおふだのNFT化ですから、それくらいしたほうがありがたみがあっていいんですよ。
では、こすもす探検隊、出発!
(探検というほどのものではありませんw。)
元三大師堂(がんざんだいしどう)は京都と滋賀の境、比叡山の山奥にあります。
比叡山延暦寺は山中にある修業の場ですから、簡単には行けません。
元三大師道への公共交通手段はいくつかあります。
一番主なのはJR湖西線・比叡山坂本駅からのアクセスです。
琵琶湖岸の比叡山坂本駅からバスに乗り、10分弱でケーブルカー乗り場に着きます。そこから坂本ケーブルで山を登ります。一番上の駅、ケーブル延暦寺駅から徒歩10分ほどで東塔バス停あるいは延暦寺バスセンター着。
バスセンターからバスで横川(よかわ)バス停まで15分程度。横川バス停から徒歩15分で元三大師堂に到着。
と、乗り換えが多くてなかなか大変。時間帯によっては乗り換え待ち時間も多いしね。
元三大師堂は比叡山の中でもメインの東塔から離れた横川(よかわ)という山奥にあり、それゆえにより静かで修行に適した場なのです。
ただし、比叡山はドライブウエイが通っていますので、車なら横川の駐車場まで入ることが出来ます。多くの人はマイカーで来られています。
ということで、我々こすもす探検隊は比叡山・横川(よかわ)、神聖な領域の入口までやってきました。
ここからは徒歩で元三大師堂へ向かいます。
横川まで来ると訪れる人も少なく、修業の場という雰囲気がとてもします。
歩いて10分弱で、横川の中心である横川中堂へ。
緑だらけの山の中で朱色の建物が目立ちます。
しかし、ここが目的地ではありません。
横川中堂からさらに進みます。
元三大師道とあります。
元三大師(がんざんだいし)は平安時代に荒れ果てた比叡山延暦寺を再建したお坊さんで、延暦寺中興の祖と言われます。
簡単にいうと開祖の伝教大師 最澄の次ぐらいに偉い人で、崇拝されているのです。
慈恵大師(良源)とも呼ばれます。
この元三大師の変わり果てた姿(角大師)が印刷されたおふだ(護符)をこの先にある元三大師堂でいただくのが、こすもす探検隊の今回のミッションなのです。
山の中を歩いてようやく到達しました、元三大師堂!
山門をくぐる前に横を見ると…。
おみくじ発祥の地の石碑が。
そう、ここ元三大師堂はおみくじ発祥の地でもあるのですね。
なのでおみくじを引きたいところなのですが、それは簡単ではありません。
ここでのおみくじは、まずは予約をします。
予約時間に訪れて、お坊さんに悩み事や判断に困っていることを相談します。
その後、お坊さんがおみくじを引いて、それに従ってアドバイスをするとのことです。
要はおみくじと言うより占いですね。
さて、上の写真の右手には何やら角が生えた骸骨のような絵が書かれています。
これが角大師(つのだいし)なんです。
って、どういうこと?
まぁ角大師の解説はさておき、元三大師堂に入りましょう。
元三大師堂。
夏の緑がきれいです。
この写真には誰も写り込んでいませんが、山奥にしては結構参拝者はおられました。
「ご自由にお参り下さい」とあるので、お堂に上がらせていただきます。
ん?
なにか扉に貼り付けられているよ??
これが角大師の護符(ごふ、おふだ)なんです。
家の玄関に外向きに貼ることで、疫病神を家の中に入らせないのです。
さて、この護符のいわれは何でしょう?
平安時代の貞観2年(860年)頃、天下に疫病が流行しました。
元三大師はこの疫病から人々を救うために、大きな鏡の前で一生懸命に坐禅をしました。
しばらくすると鏡に映った元三大師の姿は変わり果て、骨ばかりで角が生えた鬼の姿になられたのです。
あまりにもその姿が恐ろしかったので弟子たちは直視することすらできなかったのですが、その中で一人の弟子だけが鬼になった姿を写し取られました。
元三大師はその写し取った絵を見て、弟子たちにこう命じました。
「この絵を版木にして御札(おふだ)に刷り、それを人々に配って戸口に貼り付けさせよ。」
こうして、このおふだが貼ってある家には病魔はもとより厄災から逃れることができたのです。
これが角大師護符の始まりです。
って、このストーリーと似たのをどこかで聞いたことありませんか?
はい、アマビエですね。
「私の姿を描き写した絵を人々に早々に見せよ。」というのはそっくりです。
アマビエは江戸時代のことですから、個人的な考えですがこの角大師の影響を受けているのではと思っています。
さぁ、いよいよここまでやって来た甲斐がありました。
では、この角大師のおふだをいただきましょう。
これが、お受けした角大師の護符!
ようやくここまで来れました。
しかし、実はこれで終わりではありません。この護符をNFT化すればよいというものではないのですよ。
おふだNFT化への道のりは遠い…。
こすもす探検隊にはさらにここから進まねばならないミッションが残っているので、後半に続きます。
後半では、おふだのNFT化について考えることも合わせて書きたいと思います。
ということで、後編も読んでくださいませ!
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 12-60mm F2.8-4
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