それぞれに特色のある桜を見せてくれる、京都大原野・桜の三寺社めぐりもラストとなりました。
今回は、正法寺(しょうぼうじ)を訪ねます。
正法寺は京都盆地の西の端、大原野にあります。
正法寺、大原野神社、勝持寺の大原野三寺社は、いずれも徒歩圏内にあり、巡るのに便利なのです。
このあたりを拡大して見てみましょう。
3つの寺社は、こんな場所にまとまっています。
一つ前の記事では、大原野神社を訪ねました。幻の千眼桜が名物です。
今回取り上げる正法寺(しょうぼうじ)は、大原野神社の向かい側にあります。
とても近いです。
では、大原野神社をあとにして正法寺に向かいましょう。
大原野神社の道向かいには社家川という小さな川が流れており、その向こうが正法寺。
この川にかかる橋は極楽橋と名付けられています。ここを渡って極楽に行けるというイメージでしょうか。
桜が道の上にかかっており、確かに極楽へ渡る橋ようにも思えてきます。
いざ、極楽へ!?
極楽橋を渡ってすぐにある、正法寺に到着。
山門の横に、なにやら立派な桜がちらっと見えます。これが正法寺の名物、紅枝垂桜なのです。
では、境内に入りましょう。
この山門からは入れないので、右横にある通用門で受付をして拝観します。
本堂前庭。
枯山水の趣のある庭園です。
そして振り向くと、本堂。
ここ正法寺は、真言宗東寺派のお寺で、奈良の唐招提寺を創建した鑑真のお弟子さんの智威大徳が隠棲したのが始まりとのことです。
ご本尊は三面千手観世音菩薩、国の重要文化財です。
では、この本堂へ上がらせていただいて、お目当ての桜を拝見します。
本堂でお参りをして、横の宝生殿に来ると…。
宝生苑と名付けられた庭園に、見事な紅枝垂桜(べにしだれざくら)!
一点の曇りもない青空、向こうには京都盆地を越えて東側の山までを借景とし、ほぼ満開のしだれ桜。
これは、この庭園の一年で最高の素晴らしい光景なのです。
一方、宝松苑の右横の至近距離にもしだれ桜が。
まっすぐ見ても、横を見ても桜で素晴らしいです。
よい感じに満開で、素敵な春の光景ですねー
再び、宝松苑の紅枝垂れ桜を見ます。
望遠レンズで拡大して撮ってみると、向こうの景色が見られます。
視界の向こうには京都盆地を隔てて東側の山まで見えます。素晴らしい借景ですね。
ちなみに小さく見えるビルは、今や日本有数のハイテク企業となった日本電産の本社ビルです。
ここは伝統ある日本庭園と最新のテクノロジー企業が一望できる、京都の今昔に思いを馳せる事ができる光景かと思いました。
日差しも強くなってきて、蹲にしたたり落ちる水滴が涼しげな季節がやって来ようとしています。
何度見ても京都盆地の向こうまでを借景とした、庭園の桜が素晴らしい。
このような場所があまり知られていないというのは、まだまだ京都にも穴場があるということで、京の奥深さを感じることができます。
正法寺には梅園もあります。
梅の花はすっかり散っており、両端に見えるのは桜です。
今年は梅の時期にも訪ねています。
このときは梅がたくさん咲いていて早春をここで感じることができ、やっぱり京都盆地を越えて見える風景で気持ちが爽快になりました。
最後に、遍照塔の鮮やかな朱色を眺めながら、正法寺を去ります。
大原野三寺社は徒歩で回れる場所にありながら、それぞれ素晴らしい桜を見せてくれました。
訪ねる人もあまり多くなく、ゆったりと見ることができます。
このあたりは京都の桜の穴場としてもっと知ってほしいような、知られたくないような、そんな微妙な感想を持ちつつ素晴らしい桜たちに春を満喫しながら帰宅しました。
京都の素晴らしい季節は、まだ始まったばかりです。
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 12-32mm F3.5-5.6, 45-150mm F4-5.6, 25mm F1.7
花の寺・勝持寺の圧巻の西行桜
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