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橘玲の話題の書「上級国民/下級国民」がシビアに私たちの将来を予言する 夏の読書感想文

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  • こすもす
  • 2019/08/27 08:11

とってもインパクトのあるタイトル
そして、これからの私たちの世の中での立ち位置がどのように動いてゆくのか、私たちは下級国民になってゆくのかをシビアに語った内容。

つい最近(2019年8月)発売されたばかりの話題の書、橘玲氏の「上級国民/下級国民」を早速読みました。

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(アフィリンクではありません)

 

この本では豊富なデータを元にして、私たちが目を背けてしまいがちなことをシビアに解説して、今とこれから起こる上級国民と下級層の分断について赤裸々に述べています。

橘玲氏を知っている方にはいつもの橘節が満載ですが、タイトルがタイトルだけに読まずにはいられないという感じ。
そして読み終わった後は、これからどうして生きてゆこうかと考えないといけないような心境になります。

 

各章の内容

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目次に従って、簡単に内容に触れます。
どの章もかなり赤裸々

PART1 「下級国民」の誕生

下級国民とは何か、どうして誕生したのか?
バブル経済が崩壊した後でも団塊の世代の雇用は守られ、その尻拭いとして若い人が正社員として勤められなくなった。
それらの若い人々は非正規社員やアルバイトの低収入となり、引きこもりも増加した。これらの人々が下級国民になっていった。

令和になって逃げ切った団塊の世代は退職するので、ようやく働き方改革ができるようになってきた。
しかし、退職した団塊の世代のための年金が大量に必要になり、団塊世代の反対により社会保障改革はできず、若い世代の負担はとても大きなものになるだろう。

とても暗い日本の未来ですね。
団塊の世代を悪のように解説されています。

 

PART2「モテ」と「非モテ」の分断

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現代日本社会では、上流/下流は学歴差であり、下流の大半は高卒・高校中退の軽学歴層である。
学歴差が地位の差や収入差につながる。教育の本質は格差拡大装置

そしてこの格差は「モテ」にも直結する。男性の場合は「カネや権力」がモテる要素であり、「持てる者」になることが「モテ」と一致する。(女性の場合は若さ。)

現代社会は事実上の「一夫多妻制」。
結婚と離婚を繰り返すことで事実上の一夫多妻制になっている。ただしこれができるのは、離婚の際の慰謝料を支払える上級国民のみ。

その一方で、非正規社員やフリーターなどの下級国民は会社共同体からも排除され、性愛からも排除される。
これにより、人生をまるごと否定されてしまう。

この章もとてもシビアな内容です。
下級国民は人生まるごと否定されてしまうのですから。

 

PART3 世界を揺るがす「上級/下級」の分断

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この上級/下級の分断は日本だけではなく、かなりの先進国で起こっている。

世界はリベラル化している。
つまり「私は自由に生きるし、あなたも自由に生きていい」という考えだが、それは他人に干渉しないということ。
そうして自由に生きた結果、格差が出るのは当然という能力主義、自己責任の世界になる。
その結果、落ちこぼれた人々は余分な人として「ポイ捨て」される。

一方、シリコンバレーの起業家など最先端テクノロジーを開発する少数の知識層には莫大な富が集中する。そのテクノロジーは国境を超えて世界に広がる。

こうした「知識社会化」「リベラル化」「グローバル化」は三位一体の現象。

グローバル化によって中国やインドなどの貧困が減ったが、それにかわり先進国の中流が崩壊した。取り残された人々は、例えばアメリカでは白人が絶望死している。

新上流階級がワシントンやニューヨーク、シリコンバレーに集まる一方で新下流階級が集まる街もでき、階層の分断が進んでいる。
この分断は、日本など他の先進国でも起こっている。

そして、新上流階級は上流階級同士、国境を超えてつながってゆく
一方、新下流階級は、例えば日本人や韓国人などの国しか誇るものはなく、国や人種・民族、宗教ごとに分断された多くの「ドメスティック」が生まれつつある。
これにより、ますます上級と下級は世界的に分断してゆく。

上流階級になれなければ、絶望しかないような話ですね。

 

エピローグ・あとがき

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この上級/下級の分断の解決策はあるのか?
橘氏はベーシックインカムにはかなり懐疑的。

技術がさらに進み、AIが人間の知能をはるかに上回り勝手に進化するようになると、知能は意味を失って知識社会は終わるだろう。
そのシンギュラリティは2045年とされる。私たちは令和の時代の間に、知識社会の終わりを見るのかも知れない。

それまで生き残る戦略は2つ。
・エンジニアやデータサイエンティストなどの専門職になること
・SNSなどで多くのフォロワーを集めて、その「評判資本」をマネタイズすること

そうは言ってもこぼれ落ちる人が生まれることは避けられない。民主政治では、有権者の総意、ポピュリズムでこの問題に対処するしかない。
それは、ユートピアなのかディストピアなのか?

 

感想と今後の生き方と

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この本を読んでみた感想としては、絶望という感じですね。

上級国民/下級国民はますます分断されてゆくのですから、自分が上級国民に入るしかない
しかし、ごく一部しか世界一流のデータサイエンティストや人気ユーチューバーになれないので、上級国民になれない

一体、どうしたらいいんだろう?

もちろん、将来がこの本の内容通りになるものではないと思います。
著者の橘玲氏はデータや実例をふんだんに使って自説を書かれて説得力があるものの、そのデータや例に都合の良いものを使っていたり、解釈にやや無理や飛躍がある部分も見うけられるように感じます。

ただ、それを差し引いても、大まかな世界の流れはこの本に書かれているようになりそう、という印象を受けるのです。

すぐに絶望する世界はやって来ませんが、真綿で首を絞められるように徐々に私たちは苦しくなってきそうではあります。

しかし、手前味噌ながらALISにコミットしている人にとっては光明があると思うのです。

 

光明としての?ALIS

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その光明とは何でしょうか?
まずは、この本のあとがきの一部を引用します。

もちろん、年収数千万円のエンジニアも、有名ブロガーやユーチューバーもごく一部でしょう。

しかし、わたしたちが生きている「とてつもなくゆたかな社会」では、「最先端の技術を理解してわかりやすく説明する」「新商品やサービスなど新しい情報をSNSで発信する」といったスキルでも、それなりの(あるいはひとなみ以上の)収入を得られるようになるでしょう。

「知識経済」「評判経済」は一体となって進化し、地球を覆う巨大な経済圏を形成しつつあるのです。

橘玲 「上級国民/下級国民」 p.247

先端技術や新しい情報を説明したり発信することも、大きなスキルになるということです。
それと評判経済(評価経済)ですね。
ALISはたぶん、ここにコミットできると思います。

というのは、ALISは本書でも述べられている、イノベーションのひとつであるブロックチェーンの貴重なユースケースだからです。

ALISにコミットしているだけで、ブロックチェーンを実際どのように使うのが筋が良いのかが、肌身でわかってくるように思います。
それに、ALISはユーザーの意見を積極的に聞いてそれによって方針を変え、成長してゆこうとしています。
ALISユーザーはこのブロックチェーンのユースケース作りの主役の一人ですらあるのです。

なにもブロックチェーンエンジニアにならなくても、自分がALISで経験して考えたブロックチェーンやトークンエコノミーの経験や知識はスキルとなり、それをあとから来る人々に提供できるでしょう。
これは思ったより大きなスキルとして将来評価されるのかも知れません。
それは、いわゆる先行者利益なのでしょう。

さらにALISは、新しい「評価経済社会」を目指しています。
これと上記の引用の「評判経済」とは同様の意味でしょうから、やはりこれからの未来を見ています。
いち早くALISにコミットすることで評価経済社会を感じることができるし、それが良い経験となって優位に立てる可能性があるかも知れないのです。

私たち庶民でも上級国民になれる数少ないチャンスが、ここにあるように思いませんか?
あっ、思わないですか(泣)。

 

ブロックチェーン・トークンエコノミーの夢

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そしてそれは、何もALISだけではありません

ブロックチェーン・暗号通貨を用いたトークンエコノミープロジェクト(Cryptoeconomics)はエンジニアが一方的にプロダクトを開発してユーザーに与えるのではなく、ユーザーを含め関係する人が一緒に作ってゆくのが特徴です。
エンジニアでなくても、トークンエコノミープロジェクトにコミットすることで未来を先取りできそうです。

世界のブロックチェーンプロジェクトを見て投資しているgumi国光さんは、日本は具体的なユースケースについては強いと言われていました。

それなら、日本から世界のお手本になるブロックチェーンのユースケースが出ても不思議ではありません。
もしそうなれば、そのプロジェクトにコミットしていた人が上級国民に入っても不思議はないと思うのです。

ブロックチェーン・トークンエコノミープロジェクトは、日本が、そして私たちが、上級国民になれるといえばいやらしいですが、明るい未来が開ける可能性のある数少ない期待の星なのかも知れません。

まあ、今のところこれは夢や妄想の域でしょうが、こんな妄想でもしないと、絶望しか待っていないなんて悲しすぎますよね

 

 

この記事は、大街さんのALIS夏の読書感想文コンテストに参加しています。

 

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