12月の中旬になっても、まだ京都の紅葉が見られる場所がありました。
今回は京都最後の紅葉を見て締めにすべく、建仁寺(けんにんじ)へ向かいます。
ということで、これが今シーズン最後の京都紅葉の訪問記事になります。
建仁寺はとても便利な場所にあります。
繁華街の四条河原町から歩いて10分から15分くらい。
祇園のメインストリート、花見小路を下がって突き当りが建仁寺。
街中にありながらも静かで落ち着いた場所、かつ京都最古の禅寺で、国宝の風神雷神図屏風も有名なので、建仁寺は大人気スポットです。
まだ紅葉が見られる建仁寺境内の奥には、庫裏が見えます。
ここからお堂に入らせていただきます。
お堂に入って向かうのは、建仁寺一番の名所、潮音庭。
潮音庭(ちょうおんてい)。
うわっ、紅葉のピークです。
苔の緑と真っ赤な紅葉が鮮やか。
この写真は12月9日に訪ねて撮ったものなんですよ。12月半ばなのに紅葉のピークとは!
ここの紅葉は京都でも一二を争う遅さですので、他で紅葉のピークが過ぎた時期に京都に来ても間に合います。
別の場所から潮音庭を撮ったもの。
潮音庭は大書院、小書院という二つの建物と渡り廊下で囲まれた中庭です。
ですのでお庭を四方から眺められ、見る場所によって表情を帰るのが素敵なのです。
さて、大書院の奥の方に何やら金ピカの屏風のようなものが見えます。
なんでしょう?
はい、これがあまりにも有名な俵屋宗達の風神雷神図屏風なのです。もちろん国宝。
建仁寺にあるのはレプリカで、本物は京都国立博物館に寄託されています。
赤、黄、緑と色とりどりの紅葉が素敵です。
中庭である潮音庭をぐるっと一周回ると、場所によって景色が変わります。
初冬の低い日がさす庭園は、とても雰囲気がありますね。
潮音庭中央の大きな三つの岩は三尊石と言います。
三尊石とは仏教の三尊仏になぞられ組まれた三個の立石のことで、日本庭園の石組の基本のひとつとのことです。
では、潮音庭以外の見どころを巡ってゆきましょう。
○△□乃庭(まるさんかくしかくのにわ)。
この庭の中央に植えられた椿の木に、早くも白い花がいっぱい咲いていました。
椿の木の根元に丸く配置された苔が、○になります。
□は写っていませんが手前にある井戸の形、端には白砂で△を型どった部分があるのです。
禅宗の四大思想(地水火風)をお庭の中に表現しているとのことです。
苔の上の落ち椿がまた風情がありますね。
すっかり冬、いや早春の様相です。
方丈と、枯山水の方丈庭園・大雄苑(だいおうえん)。
いつもは縁側で和む人でいっぱいですが、この時は誰も写り込んでいません。
参拝者が少ないです。
みなさん、12月が建仁寺潮音庭の紅葉ピークということを知らないのでは?
もちろん、新型コロナウイルス感染防止のための自粛の影響も大きいと思います。
蹲の水面に少し紅葉が反射しています。水があると落ち着きますね。
これは法堂の天井にある、建仁寺のシンボルとも言える「双龍図」。
この双龍図が描かれたのは実は最近で、平成14年(2002)に日本画家の小泉淳作氏が描かれています。
この双龍図まで撮影可なのは嬉しいです。
もう初冬なので、見納めの紅葉かと思うと少し寂しくなります。
見納めにもう一度潮音庭に戻ってきました。
冬の低い日がさして素晴らしい眺めなので、しばし座ってぼんやりと眺めていました。
この素敵な潮音庭の紅葉を最後に、今年の京の紅葉が終わりました。
京都は底冷えと言われる寒い寒い冬を迎えました。
そんな寒い冬にもきっと素敵なことがあるんだと信じつつ。
帰り道。
かの有名な祇園のメインストリート、花見小路。
日の差し具合がすっかり冬になっていました。
例年ならお正月に向けての準備で慌ただしくなる祇園界隈ですが、この時期に祇園の花街では新型コロナのクラスターが発生してしまいました。
なので花柳界は自粛中でお茶屋は休業。寂しい年の瀬になりそうです。
新型コロナウイルスの影響が僕を含めた参拝者が翻弄された今年の紅葉シーズンでしたが、紅葉はコロナとは関係なく今年も美しかったです。
来年の紅葉は新型コロナが落ち着いて、ゆっくりと楽しめるといいな。
そう感じながら、淋しげな祇園の街を通って帰路につきました。
最後になりましたが、みなさま今年もたくさんの京都紅葉記事を飽きずに読んでくださって、いいねやコメント、投げ銭も下さってありがとうございました!
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 25mm F1.7, 45-150mm F4-5.6
梅雨に建仁寺を訪ねた記事。
雨に濡れてしっとりとした青もみじも素敵です。
よろしければ他の記事もご覧くださいませ。
Cosmosのトラベル記事
Twitter: @cosmoscx
みなさま、いつもコメントや投げ銭、いいねありがとうございます!