ALISオリジナル記事、お金のシリーズの第2弾です。
前回の記事では、「お金」の歴史を振り返り、
・現在の「お金」は裏付けがないこと
・実際のお金より多額のお金がやり取りされていること
を説明しました。
まだ、読んでない方は、ぜひ読んでみてくださいね。
今回の記事では、裏付けが失われた後のお金の歴史や、最近出てきている「お金」の形について。
最後に、いよいよ「お金とは何か」の核心に迫っていきます。
前回、紹介した、「預かったお金の90%は貸していい」という仕組みは、利子がつく以上、帳簿上のお金はどんどん膨れ上がっていきます。
もちろん、貸す側には「貸し倒れ」のリスクがあるため、相手を見極める必要があります。
しかし、勝手に作れないものを、「貸したときより多く返せ」としている以上、実在のお金を上回る、「数字上のお金」がやり取りされることには変わりません。
なぜなら、貸す側には、その返すべき利子がどこにあるかを証明する必要はないのですから。
つまり、貸す側にとって重要なことは、本当に貸した相手がお金を返してくれるかどうか。
これを金融的な「信用」と言います。
例えば、「クレジットカード」の「クレジット」とは何でしょう?
「クレジット」とは、直訳で「信用」そのものです。
そう、信用力があるから、翌月まで支払いを待ってくれるのです。
つまり、「お金=信用」になっているのです。
この金融的な信用は、「見た目が真面目」とか「誠実そう」とかも、多少は関係があるでしょうが、「この人はお金を返してくれるか」どうかだけに焦点を絞っています。
だから、「一部上場会社」の「正社員」などが優遇されやすいのです。
あれ、どこかの教育思想が目指しているゴールみたいですね。
少し話が逸れましたが、「利子」という存在しないお金を取り立てる権利があることによって、お金を増やすことが出来るようになったのです。
これが「信用創造」と言われています。
日本円のみの経済圏にいると気づきにくいですが、日本円の価値は、国内の物価変動以外にも変動しています。
それが、他の通貨との相対的な価値です。
この相場の変動を利益に変えているのがFXです。
年単位のチャートを見ていると、いかに日本円の価値が動いているか分かると思います。
例えば、一時期1ドル=70円台の時代がありました。
現在のように110円前後のときも、さらに120円台のときもありました。
これだけでも、大きな利益が生み出せることが分かると思います。
今回は、FXの話ではないので、詳細は割愛しますが、ここで言いたいことは、日本円の価値は絶対ではないということです。
現在は、どちらかというと、キャッシュレス化のほうが主流ですが、最近でも「ポイントカード戦争」というのは続いています。
「広がったものが強い」というのを証明したのは、カルチュア・コンビニエンス・クラブが展開する「Tカード」でしょう。
元々のTSUTAYAの事業との親和性に限定されず、幅広い業界に浸透しました。
ポイントというのは、当初はリピート狙いの囲い込みのスタンプカードのようなものだったはずです。
しかし、ここで気づきました。
ポイントを使えるところが増えれば増えるほど、日本円への交換は意味がなくなってくるということに。
なぜなら、日本円に交換しなくても、必要なサービスを受けたり、商品が手に入ればそれで事足りるのですから。
ちなみに、これを本気で全ての分野で行い、一つの経済圏を確立しようとしているのが、楽天株式会社です。
※実際に、会社の採用担当者から聞いた話です。当時、この発想を知った際には衝撃でした。
そして、最近はキャッシュレス化を国が進めると同時に、QRコード決済も各社参入してきました。
これはどういうことでしょうか?
キャッシュレス化の一つの鍵は、クレジットカードでした。
これに対して、先ほども挙げたような金融的「信用」の問題で、クレジットカードを持ていない人もいる。
いわゆる「信用ブラック」、過去に大幅な遅延や債務整理の経験がある人ですね。
さらに、信用情報に問題がなくても、信条としてクレジットカードを持たない人もいる。
その対応策として出てきたのが、銀行口座からリアルタイムで引き落としがかかるデビットカードです。
数年前から本格的に各行が展開するようになりました。
これは、間違いなくこのキャッシュレス化の流れを知っていたのでしょう。
それでもまだ、全ての層をカバーできません。
そこで、注目されたのがおサイフケータイです。
FeliCa、NFC搭載のスマートフォンであれば、クレジットカード不要でキャッシュレス化が導入出来ます。
しかも、スマホは日常生活になくてはなりません。
ですが、おサイフケータイの普及率はそれほど高くはありません。
そこで、出てきたのがQRコード決済でした。
カメラが搭載されていない端末はほとんどありません。
さらに、決済元で固有のキャンペーンが組みやすく、店舗側にも利用者側にもメリットがある状況を作りやすいというのも特徴です。
ここでは、キャッシュレス化にどんな陰謀があるとか、そういったことを論じる気はありません。
ただ、こうした流れは、現金離れや、「お金を使っている」感覚が薄れると言われていますが、そもそも、お金に実態はあるのでしょうか?
以下の事実が、本質に近づくためのキーとなります。
・利子という、存在可能性が論じられない「お金」
・あなたの「預金」は、どこのATMでも現金で引き出すことが出来ること
・実際には、外貨を取得するわけでないFX取引
・法定通貨は、米国ドルのみであること
・暗号資産と、他の通貨ペアの相場が存在していること
「お金とは何か」を考える上で、この辺りは非常に重要になってきます。
※記事内では、「仮想通貨」という表現は使わずに、「暗号資産」で統一しています。
さて、いよいよ「暗号資産」の話に近づいてきました。
暗号資産の説明によく使われるのが、電子マネーとの比較ですが、電子マネーはまだ分かりやすいと思います。
チャージ式の電子マネーは、「お金に色をつける」ことを行っています。
結局のところ「囲い込み」=用途の限定です。
そこに、先ほどの使える範囲の話や、ポイントなどの独自サービスが付帯されています。
では、「暗号資産」は何が凄いのでしょうか。