こりゃ…なかなかの状況ですね。
まずは国際経済全般について協議することを目的とした国際機関、OECDの平均賃金(Average wages)をドルベースで見ていきましょう。
日本は凪です、何も変わっていませんね。
OECDの平均賃金1991~2022年の推移から、2023年もそのまま推移しているとして考えてみます、2023年のが知りたいけど更新されていなかった。
日本は$41,509から1ドル158円として年収655万円…え?ボーナスも含めた平均月収55万円ぐらいってコトですか?無い無い、最低賃金1,100円で1日8時間で年2,000時間たっぷり働いて高卒の初任給20万円行かない国が…はい、そうですね。
2022年のドル円は100円ぐらいだったので、2022年当時の4万ドルは400万円ぐらいですから月収30万円でボーナスで50万ぐらいってのが平均賃金って言われればまぁ分かります、2023年の表示が楽しみ。
あとは1980年頃から今までで分かりやすく価格の変わったモノの推移をメモメモ。
ガリガリ君:50円から80円(160%)
吉野家の牛丼:280円から468円(167%)
セブンのツナマヨ:100円から151.20円(151%)
ビッグマック:288円から480円(166%)
うまい棒:10円から12円(120%)
平均賃金は水平を保ってしまっているので、国内での消費の面でだけ見ても
支出は160%ほど増加し、賃金はそのままなので貧しくなっている
と言えます。
そう、水道でさえも1986年の20円/㎥から30円/㎥(150%)
今まで100円で買えていたものが150円出さないと買えなくなった。
それは日本だけではなく、アメリカだけではなく、一部アジアでも同様に。
過去、ドル円が同じぐらいだった時期についてざっくり。
敗戦後の日本経済の安定の為、アメリカが固定レート(所謂1ドル360円)にしよ!ってしたけどドル強くなりすぎて貿易赤字酷いしドル安の政策(プラザ合意)にしよ!ってしたら枯渇した市場に急激に流れ出たものだから激しい円高になり歪みが生まれ…
と、ぼくのかんがえたさいきょうのけいざいせいさくを行っていた頃。
急激に円高に向かっていたバブル初期は1ドル158円40銭。
昨日(2024.4.27)のドル円は158円10銭でそれ相当、35年以来の水準。
ちなみに今2か月ほどハワイ滞在中の両親から聞いた話によると、現地の人が行く所でランチすると大体15~20ドル、観光エリアだと25~30ドルぐらいらしい。
一人あたり。
日本でランチするなら700~1,100円、観光地なら1,500~2,500円ぐらいかな?
すき家の並盛430円、味噌汁サラダ並盛ランチ580円がいかに安いか分かりますね。
で、1ドル158円として見るなら
アメリカのランチは2,370~3,160円、観光地なら3,950~4,740円ぐらいというコト。
例えば平均年収をアメリカは$77,463として日本は420万円として見てみましょう。
アメリカ:15~20ドルは年収からすると0.02~0.025%ほどの支出となり
日本:700~1,100円は年収からすると0.017~0.026%ほどの支出。
ほぼ同一ですね。
さて、ではこれを反転させてみましょう。
77,463ドルを日本円にすると1224万円、420万円をドルにすると26,582ドルです。
日本人がアメリカでランチ:15~20ドルは0.056~0.075%で3倍程の支出、
アメリカ人が日本でランチ:700~1,100円は0.005~0.009%で1/4程の支出。
元々は円でこういう事が出来ていたのですが、今は逆ですね。
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さて、これで物価が上がったとして、円安によって集まったお金はどこに行くのでしょうか、そのほぼ全てが日本で巡って賃上げされるなんてそんな都合よくはいきませんね、散々NISAに誘導してきたので違った所でも海外に流れ続けます。
円安に危機感を持っている素振りは無し、円安は物価上昇に関係してないって言っちゃうあたり問題視していない。
日本のカネのトップがこの感じかぁ…。
今年の春闘は凄かった、物価は間違いなくさらに上がるでしょう。
でも給金も揃って上がるワケではありませんので、ここは無茶でも口先や見せかけではなくキチンと利上げするべきだったように思います。
国内だけではなく世界の情報を容易にキュレーション出来るようになった。
自分を正当に評価してくれないと理解した「強い人財」は外へ出ていく。
相対的に言えば「弱い人財」が残り、日本は弱くなる。
超長期で資産を運用する私にとって金利の上昇は大問題ではありますので相応の痛みは伴いますが、円安の力だけでなく物価が上がり、その流れで国力も向上して行くのではないか、円がかつての力を取り戻すというのはそういう事なんだと感じます。
今回は「痛み」の先延ばしになったので、いつになるかは分かりませんが。
ではでは。