世界の教養365 クローン技術まとめ
1997年ドリーと言う名の羊(♀)が、クローン技術によって誕生。
母親と同DNAを持って生まれた初めての例です。
言うなれば、世代を跨いだ双子のようなものです。
ドリーを生み出すために、核移植手術が用いられました。
これは、クローンの元となる大人の細胞から遺伝物質を取り出し、別の遺伝物質を取り除いた未受精卵に移植する方法です。
世界の科学者が驚いた細胞の分化
この技術の驚くべきところは、今までは心臓の細胞は心臓の細胞しか、肝臓の細胞は肝臓しか作れないと考えられてきました。
しかし、ドリーは母の乳腺の細胞から採取された細胞だけで作られたのです。
このことによって、ある成長し分化した細胞でも一からプログラムし直せることが証明されました。
クローン羊の寿命は短い?
クローンとして育てられたドリーは、母親と決定的に違う部分がありました。
それは、寿命を決めるタンパク質テロメアが極端に短かったことです。
成長するに連れてドリーは、肺がんや重度の関節炎を患い、最後は安楽死によってこの世を去ることになりました。
但し、これは寿命が短くなったことを裏付ける証拠ではなく、6歳を過ぎた母から受け継いだ細胞を使ったために、テロメアが短かったのだろうと推測されています。(諸説あり)
豆知識
・1997年以降は、ウシ、マウス、ブタなどでもクローン作成に成功しています。
・ドリーは死ぬまでに6頭の子羊の母親になりましたが、普通の出産で産むことができたそうです。